33 / 59
紫苑とハーブのクラムチャウダー 5
しおりを挟む
ほくほくと温まった身体と満たされたお腹に一息ついたところではっとする。
いまここにいるのは生きた人間の私と橘。良い妖である座敷童の飛梅。人食いの妖である伊地知。そして地獄の獄卒である縛兎だ。
私たちはいいだろうが伊地知と縛兎の相性は最悪ではないだろうか。縛兎の仕事の一つ、この世にいるべきものじゃないものをあの世へ連れていく。伊地知は私にとってはとても優しい素敵な妖だが、存在だけ見れば人に害をなす妖だ。
二人のことをちらちら見ていると縛兎がため息をついた。
「ベニ、心配しなくても何もしない。そこの送り狼に何かしようという気はない」
「やだベニちゃん私の心配してくれてたのー? 可愛いー優しい! 食べちゃいたい!」
「笑えない愛情表現はやめろ送り狼」
「怒んないでよ、可愛いうさちゃん」
特に問題ない雰囲気だったのに一気に殺伐としだす。それも全面的に伊地知が悪い。事情は分からないが完全に伊地知が縛兎のことを煽っている。
「伊地知、無駄に煽るな。お目こぼしを受けてる自覚をしろ」
「もっと言ってやれ橘」
「お前もだ縛兎。少し煽られたくらいで乗るんじゃない」
橘が二人の保護者か何かのように叱りつける。二人ともいい大人のように見えるのに今ばかりは小学生か何かのように見えた。
状況がわからず目を白黒させている私に飛梅が補足した。
「さっき言ったけど、伊地知は人食いの送り狼。生者に害を与えるからあの世で捕まっちゃってもおかしくない。でも送り狼は人食いだけど伊地知が送り狼になってからはなんとか人間を食べずに生きてるの。お腹が空けば山の兎や鹿を狩って食べる。それ以外はこの花橘でお腹を満たすの」
「そう、人を食べない襲わない、それを条件に私は現世を好きに走り回ってるのよ。お腹が空いてしょうがないってときに、炉善のことを食べようとして、食べられる代わりにご飯をくれたの! それがもうおいしくてねー! すっかり居ついちゃったわ」
からからと伊地知は笑うがとんでもないことを聞いた気がして、橘の顔を見るとすました顔で湯飲みを啜っていた。
伊地知が人食いの送り狼だということは知っていた。けれどやはりそれはずっと遠くのどこかの話のように聞いていて、実際に彼女のその食欲を目の当たりにしたのは初めてだったのだ。その食欲を向けられた当の本人と言えばまるで気にした風もない。どうすれば自分のことを食べようとしてきた妖に対して食事を振舞えるというのだろう。
「ベニちゃんは私のこと怖くなっちゃった?」
灰色の目が私の顔を試すように覗き込む。
「今更怖くはありませんよ。伊地知さんがいてくれたから、私は花橘に来ることができました」
「あなたのことを食べちゃうかもしれないのに?」
「それこそ今更、ですよ。それに食べないと約束してるんですよね。伊地知さんがどういう経緯で送り狼になったのか、私は知りませんが、人間よりも花橘のご飯の方がおいしかったんでしょう? それなら私は、私の作ったものをあなたに食べてほしいです」
初めて伊地知と会った日、伊地知は元人間だという話をしてくれた。だからこそ、妖である自分や山の中のモノたちを恐れるのはわかると言ってくれた。ならば彼女自身の感覚は人間よりのはずだ。人間のことを好き好んで食べたいと思っているようには思えなかった。
「……本当この子健気ねー! 可愛い! 初対面の時はあんなに怖がってたのにすっかりこっち側にほだされちゃって……! ずっとここにいてほしいわー」
ぐいぐいと頬ずりしてくる伊地知。かすめる長い髪が擽ったい。なるほど確かに、出会ったころであればこんな事されれば、すぐに飛び退いていたに違いない。
「それで縛兎の兎っていうのはね」
「いい飛梅。他人から説明されるのは好きじゃない。……俺は元兎だ。生前は普通の兎で、死んでから今の姿になった。人型の方が何かと都合がいいからな」
「兎……」
ついまじまじと縛兎のことを見てしまったが、兎感のなさに首をかしげてしまう。同じく伊地知は送り狼でありながら人型をしていて、狼の耳と尻尾だけを残している。けれど縛兎の耳は普通の人間の耳だし、尻尾が生えているわけでもない。奇抜な髪色をした人間にしか見えなかった。
「……兎?」
「言いたいことはわかるが、兎だ。この俺の青い目は生前のまま、ネザーランドドワーフのブルーアイドホワイトだ」
これだ、と目を指さされるがいまいちぴんと来なかった。兎と言えば白い毛に赤い目というイメージで、青い目のイメージがない。
「それと、兎らしい特徴を残しておくと周囲から舐められる! 人間の姿をしているのも拷問道具を扱いやすくするため、身体の小ささを補うためだ」
「た、確かに拷問してるのに兎の耳とか尻尾とかあったら癒されちゃいますね……」
「俺は人間が嫌いだ。嫌いだから死後こうして化けて出た。人間を恨んでいたから地獄での亡者の呵責の獄吏を希望した」
思わず彼の顔を凝視した。その真意は何なのかと。人間が嫌いだと、憎いと話す縛兎だが、その目に私たちに対する怒りも憎悪もなかった。
けれど思えばこの花橘に来てから人間に対して明確な嫌悪感を表す妖に初めて出会ったのだ。信楽狸も人を嫌っていたが、それはどちらかと言えば知らない世界、あるいは交わることのできない世界に対する警戒心から来るものであった。
だから縛兎のこの表明に私に小さくはない衝撃を与えた。
「昔は人間なんてみんな嫌いだったが地獄へ、あの世へ行ってからはいい人間もたくさん見てきた。橘もいい奴だし、ベニもあの野兎を守ろうとしていた。お前たちは別に嫌いじゃない」
その言葉に誤魔化しなどは微塵もないようで、私たちに向けられた青い目は至極穏やかだった。つい数時間前に顔を合わせた瞬間など、まさに鬼のような形相で私のことを見下ろしていたが、今はそんな様子はまるでない。気づかれないように安堵の息をこぼす。
「橘のことも信用している。だからその送り狼のことも捨て置いているし、ここに出入りすることのある妖、それに準ずる者たちにも目を瞑っている。……だがその送り狼はもう少し俺に対して感謝の念があってもいいんじゃないか!?」
「結局そこに戻ってくるのか縛兎」
「やだ、心狭いわねえ。他人から感謝の念を引き出そうなんてみっともない」
「感謝しろと言ってるんじゃない。せめて自重しろと言ってるんだ。俺にわざわざ喧嘩を売るな! お前が黙っていれば俺も黙っているというのに」
「あら、私は縛兎と仲良くなりたくて声かけてるのよ? それなのに喧嘩を売るだなんて人聞きの悪い。自分の狭量を人のせいにしないで」
「だとしたらお前のコミュニケーションの取り方は大いに間違っている。一から人との関りを学びなおしたらどうだ?」
「人型になって数年の仔兎ちゃんにそんな説教されるだなんて思ってなかったわー。私これでも社会人経験者よ」
口を開けば自然と喧嘩になる二人は根本的な部分で相性が悪いのかもしれない。もはや人間も兎も狼も関係ない。ただただ馬が合わないのだろう。
「伊地知、縛兎、何回繰り返すつもりだ」
「いや……」
「伊地知、暇ならちょっと手伝え。ヒイラギと南天を採りに行く」
「あ、橘さん、今日は午後から葛を、」
「今日はいい。葛は別日に採る。今日はヒイラギと南天を優先して採るぞ」
葛の採集が予定していたことを思い出し、声をかけるがあっさりと跳ねのけられる。おもむろに立ち上がる橘にそれ以上言い募ることはできない。
ヒイラギと南天。私でもわかる。どちらも魔除けの植物だ。
「縛兎は、」
「悪いが俺はこの辺でお暇させてもらう。随分長居したが、一応使いの最中だ。雨が途切れているうちに地獄へ帰る」
縛兎は何か言おうとした橘を素早く遮ると持っていた椀を片付けた。橘はまだ何か言いたげに縛兎を見ていたが彼は橘の方を見ようともしなかった。まるで橘が何を言おうとしているか察していて、それを牽制しているように。
「……大王にはよろしく言っておいてくれ。いくぞ、伊地知」
「ああ、伝えておこう。また近いうちに来る」
客であるはずの縛兎を置いて、橘と伊地知はせかせかと裏口から出ていった。庭を突っ切って山へ入るらしい。すっかり寒々しくなった店内に戸惑ってると、店の入り口へ向かっていた縛兎が手招きする。けれど私が店から出てしまえば飛梅が一人になる、と思い彼女の方を見るとひらひらと手を振った。どうやら問題ないらしい。よく考えたらついさっきまで店の中にいた中で彼女が一番長生きなのだ。
いまここにいるのは生きた人間の私と橘。良い妖である座敷童の飛梅。人食いの妖である伊地知。そして地獄の獄卒である縛兎だ。
私たちはいいだろうが伊地知と縛兎の相性は最悪ではないだろうか。縛兎の仕事の一つ、この世にいるべきものじゃないものをあの世へ連れていく。伊地知は私にとってはとても優しい素敵な妖だが、存在だけ見れば人に害をなす妖だ。
二人のことをちらちら見ていると縛兎がため息をついた。
「ベニ、心配しなくても何もしない。そこの送り狼に何かしようという気はない」
「やだベニちゃん私の心配してくれてたのー? 可愛いー優しい! 食べちゃいたい!」
「笑えない愛情表現はやめろ送り狼」
「怒んないでよ、可愛いうさちゃん」
特に問題ない雰囲気だったのに一気に殺伐としだす。それも全面的に伊地知が悪い。事情は分からないが完全に伊地知が縛兎のことを煽っている。
「伊地知、無駄に煽るな。お目こぼしを受けてる自覚をしろ」
「もっと言ってやれ橘」
「お前もだ縛兎。少し煽られたくらいで乗るんじゃない」
橘が二人の保護者か何かのように叱りつける。二人ともいい大人のように見えるのに今ばかりは小学生か何かのように見えた。
状況がわからず目を白黒させている私に飛梅が補足した。
「さっき言ったけど、伊地知は人食いの送り狼。生者に害を与えるからあの世で捕まっちゃってもおかしくない。でも送り狼は人食いだけど伊地知が送り狼になってからはなんとか人間を食べずに生きてるの。お腹が空けば山の兎や鹿を狩って食べる。それ以外はこの花橘でお腹を満たすの」
「そう、人を食べない襲わない、それを条件に私は現世を好きに走り回ってるのよ。お腹が空いてしょうがないってときに、炉善のことを食べようとして、食べられる代わりにご飯をくれたの! それがもうおいしくてねー! すっかり居ついちゃったわ」
からからと伊地知は笑うがとんでもないことを聞いた気がして、橘の顔を見るとすました顔で湯飲みを啜っていた。
伊地知が人食いの送り狼だということは知っていた。けれどやはりそれはずっと遠くのどこかの話のように聞いていて、実際に彼女のその食欲を目の当たりにしたのは初めてだったのだ。その食欲を向けられた当の本人と言えばまるで気にした風もない。どうすれば自分のことを食べようとしてきた妖に対して食事を振舞えるというのだろう。
「ベニちゃんは私のこと怖くなっちゃった?」
灰色の目が私の顔を試すように覗き込む。
「今更怖くはありませんよ。伊地知さんがいてくれたから、私は花橘に来ることができました」
「あなたのことを食べちゃうかもしれないのに?」
「それこそ今更、ですよ。それに食べないと約束してるんですよね。伊地知さんがどういう経緯で送り狼になったのか、私は知りませんが、人間よりも花橘のご飯の方がおいしかったんでしょう? それなら私は、私の作ったものをあなたに食べてほしいです」
初めて伊地知と会った日、伊地知は元人間だという話をしてくれた。だからこそ、妖である自分や山の中のモノたちを恐れるのはわかると言ってくれた。ならば彼女自身の感覚は人間よりのはずだ。人間のことを好き好んで食べたいと思っているようには思えなかった。
「……本当この子健気ねー! 可愛い! 初対面の時はあんなに怖がってたのにすっかりこっち側にほだされちゃって……! ずっとここにいてほしいわー」
ぐいぐいと頬ずりしてくる伊地知。かすめる長い髪が擽ったい。なるほど確かに、出会ったころであればこんな事されれば、すぐに飛び退いていたに違いない。
「それで縛兎の兎っていうのはね」
「いい飛梅。他人から説明されるのは好きじゃない。……俺は元兎だ。生前は普通の兎で、死んでから今の姿になった。人型の方が何かと都合がいいからな」
「兎……」
ついまじまじと縛兎のことを見てしまったが、兎感のなさに首をかしげてしまう。同じく伊地知は送り狼でありながら人型をしていて、狼の耳と尻尾だけを残している。けれど縛兎の耳は普通の人間の耳だし、尻尾が生えているわけでもない。奇抜な髪色をした人間にしか見えなかった。
「……兎?」
「言いたいことはわかるが、兎だ。この俺の青い目は生前のまま、ネザーランドドワーフのブルーアイドホワイトだ」
これだ、と目を指さされるがいまいちぴんと来なかった。兎と言えば白い毛に赤い目というイメージで、青い目のイメージがない。
「それと、兎らしい特徴を残しておくと周囲から舐められる! 人間の姿をしているのも拷問道具を扱いやすくするため、身体の小ささを補うためだ」
「た、確かに拷問してるのに兎の耳とか尻尾とかあったら癒されちゃいますね……」
「俺は人間が嫌いだ。嫌いだから死後こうして化けて出た。人間を恨んでいたから地獄での亡者の呵責の獄吏を希望した」
思わず彼の顔を凝視した。その真意は何なのかと。人間が嫌いだと、憎いと話す縛兎だが、その目に私たちに対する怒りも憎悪もなかった。
けれど思えばこの花橘に来てから人間に対して明確な嫌悪感を表す妖に初めて出会ったのだ。信楽狸も人を嫌っていたが、それはどちらかと言えば知らない世界、あるいは交わることのできない世界に対する警戒心から来るものであった。
だから縛兎のこの表明に私に小さくはない衝撃を与えた。
「昔は人間なんてみんな嫌いだったが地獄へ、あの世へ行ってからはいい人間もたくさん見てきた。橘もいい奴だし、ベニもあの野兎を守ろうとしていた。お前たちは別に嫌いじゃない」
その言葉に誤魔化しなどは微塵もないようで、私たちに向けられた青い目は至極穏やかだった。つい数時間前に顔を合わせた瞬間など、まさに鬼のような形相で私のことを見下ろしていたが、今はそんな様子はまるでない。気づかれないように安堵の息をこぼす。
「橘のことも信用している。だからその送り狼のことも捨て置いているし、ここに出入りすることのある妖、それに準ずる者たちにも目を瞑っている。……だがその送り狼はもう少し俺に対して感謝の念があってもいいんじゃないか!?」
「結局そこに戻ってくるのか縛兎」
「やだ、心狭いわねえ。他人から感謝の念を引き出そうなんてみっともない」
「感謝しろと言ってるんじゃない。せめて自重しろと言ってるんだ。俺にわざわざ喧嘩を売るな! お前が黙っていれば俺も黙っているというのに」
「あら、私は縛兎と仲良くなりたくて声かけてるのよ? それなのに喧嘩を売るだなんて人聞きの悪い。自分の狭量を人のせいにしないで」
「だとしたらお前のコミュニケーションの取り方は大いに間違っている。一から人との関りを学びなおしたらどうだ?」
「人型になって数年の仔兎ちゃんにそんな説教されるだなんて思ってなかったわー。私これでも社会人経験者よ」
口を開けば自然と喧嘩になる二人は根本的な部分で相性が悪いのかもしれない。もはや人間も兎も狼も関係ない。ただただ馬が合わないのだろう。
「伊地知、縛兎、何回繰り返すつもりだ」
「いや……」
「伊地知、暇ならちょっと手伝え。ヒイラギと南天を採りに行く」
「あ、橘さん、今日は午後から葛を、」
「今日はいい。葛は別日に採る。今日はヒイラギと南天を優先して採るぞ」
葛の採集が予定していたことを思い出し、声をかけるがあっさりと跳ねのけられる。おもむろに立ち上がる橘にそれ以上言い募ることはできない。
ヒイラギと南天。私でもわかる。どちらも魔除けの植物だ。
「縛兎は、」
「悪いが俺はこの辺でお暇させてもらう。随分長居したが、一応使いの最中だ。雨が途切れているうちに地獄へ帰る」
縛兎は何か言おうとした橘を素早く遮ると持っていた椀を片付けた。橘はまだ何か言いたげに縛兎を見ていたが彼は橘の方を見ようともしなかった。まるで橘が何を言おうとしているか察していて、それを牽制しているように。
「……大王にはよろしく言っておいてくれ。いくぞ、伊地知」
「ああ、伝えておこう。また近いうちに来る」
客であるはずの縛兎を置いて、橘と伊地知はせかせかと裏口から出ていった。庭を突っ切って山へ入るらしい。すっかり寒々しくなった店内に戸惑ってると、店の入り口へ向かっていた縛兎が手招きする。けれど私が店から出てしまえば飛梅が一人になる、と思い彼女の方を見るとひらひらと手を振った。どうやら問題ないらしい。よく考えたらついさっきまで店の中にいた中で彼女が一番長生きなのだ。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
王子妃だった記憶はもう消えました。
cyaru
恋愛
記憶を失った第二王子妃シルヴェーヌ。シルヴェーヌに寄り添う騎士クロヴィス。
元々は王太子であるセレスタンの婚約者だったにも関わらず、嫁いだのは第二王子ディオンの元だった。
実家の公爵家にも疎まれ、夫となった第二王子ディオンには愛する人がいる。
記憶が戻っても自分に居場所はあるのだろうかと悩むシルヴェーヌだった。
記憶を取り戻そうと動き始めたシルヴェーヌを支えるものと、邪魔するものが居る。
記憶が戻った時、それは、それまでの日常が崩れる時だった。
★1話目の文末に時間的流れの追記をしました(7月26日)
●ゆっくりめの更新です(ちょっと本業とダブルヘッダーなので)
●ルビ多め。鬱陶しく感じる方もいるかも知れませんがご了承ください。
敢えて常用漢字などの読み方を変えている部分もあります。
●作中の通貨単位はケラ。1ケラ=1円くらいの感じです。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界の創作話です。時代設定、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
婚約者の浮気相手が子を授かったので
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。
ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。
アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。
ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。
自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。
しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。
彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。
ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。
まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。
※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。
※完結しました
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
記憶がないなら私は……
しがと
恋愛
ずっと好きでようやく付き合えた彼が記憶を無くしてしまった。しかも私のことだけ。そして彼は以前好きだった女性に私の目の前で抱きついてしまう。もう諦めなければいけない、と彼のことを忘れる決意をしたが……。 *全4話
多産を見込まれて嫁いだ辺境伯家でしたが旦那様が閨に来ません。どうしたらいいのでしょう?
あとさん♪
恋愛
「俺の愛は、期待しないでくれ」
結婚式当日の晩、つまり初夜に、旦那様は私にそう言いました。
それはそれは苦渋に満ち満ちたお顔で。そして呆然とする私を残して、部屋を出て行った旦那様は、私が寝た後に私の上に伸し掛かって来まして。
不器用な年上旦那さまと割と飄々とした年下妻のじれじれラブ(を、目指しました)
※序盤、主人公が大切にされていない表現が続きます。ご気分を害された場合、速やかにブラウザバックして下さい。ご自分のメンタルはご自分で守って下さい。
※小説家になろうにも掲載しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる