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番外編
【悟史視点】ふたりは関係を進めたい・1
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スーパーの福引で温泉旅行が当たった。
「出ましたー! 特賞ー!」
カラン、カランという甲高いベルの音。
後ろに並んでいた人達の羨望の眼差しとあたたかな拍手。
満面の笑みで俺に渡されたのは、見るからにおめでたいのし封筒。
「さ、サトちゃんすごいねー!」
横でキラキラ瞳を輝かせる日菜子とは対照的に、俺は当惑しながら封筒を受け取った。
「すごいったって、どうすんだよ。こんなん」
封筒には1泊2日ペアと書かれている。
ありがたいことに連載も軌道に乗り始め、旅行に行くための時間も心のゆとりもない。
本当は、3等の商品券が欲しかったんだけど、世の中そう上手くはいかない。
「ま、両親にでもやればいいか」
独り言のつもりで俺が言うと、店員が少し困った顔をした。
「いえ、当スーパーの会員である、ご本人様しかご利用できません」
「え」
それじゃあ、宝の持ち腐れになってしまう。
俺は咄嗟に誰かに譲ろうと考え、ぐるりと辺りを見回す。
真後ろにいた子連れの女性と目が合ったので「良かったら……」と声をかけたが「どうぞ、彼女さんと行ってください」と遠慮がちに微笑まれた。
彼女さん。
その言葉と視線の先にいた日菜子は、ホワッと頬を染める。
日菜子は今年で20才になった。
童顔なのは変わらないけど、ほんのり化粧もするようになって、少し大人っぽくなった気がする。
一緒に並べば、ちゃんと恋人に認知されるらしい。
「えぇ~、そんなぁぁ、どうしよう~。うふふのふ」
ちなみに、ほっぺたを抑えながらヘラヘラ笑っている、日菜子の中身は昔と何ら変わっていない。
「そうだよねえ! いいよねえ! 若いもんはぁ!!」
その後ろのシニア男性が、引くぐらいのクソデカボイスで、なにやら遠い昔を思い出すように、うんうんと頷いている。
クスクスと周りから笑いが起こって、居たたまれなくなった俺は、とりあえず日菜子を連れてその場をそそくさと退散したのだった。
「とまぁ、そんなことがあったんですよね」
ネームを見てもらう合間に、俺は世間話のつもりで福引きの話を橘さんにしていた。
「で、どうすんのその旅行券」
「どうも、こうも。勿体無いですけど」
「行かないの!?」
「……日程的にも無理でしょう」
何をそんなわかりきったことを訊くんだか。
「俺の仕事のスケジュールを組んでるのは橘さんでしょ?」と溜息を交えつつ俺が言うと、橘さんは手帳を取り出し低く唸った。
「行きましょうか」
「は」
「休みを作ろう! 行くのです!」
「はぁ?」
「日菜子ちゃんを誘って行くのよ!」
絶句した。
仕事をほっぽって恋人と旅行しろだなんて、どんな担当だ、そりゃ。
「水谷くんは、今、恋愛物を描いているじゃない!」
「描かさ……いえ、そうですね」
「水谷くんは、気持ちの表現は上手くなったし、じらし上手ではあるんだけどさぁ、全然キャラの恋に進展が無いのよ! 私、ずっと考えたんだけど、それって水谷くんの恋愛に進展がないせいなんじゃないかなぁと……」
「人のプライバシーに……」
立ち入らないでもらえます? と言いたかったけど、続く橘さんの言葉で遮られた。
「水谷くんて童貞?」
そこは、するっと受け流したかった。
露骨に不自然な間を作り、何も言い返せずに、困惑と羞恥心が入り混じったような複雑な表情をしてしまった。
さすがの橘さんもしまったと思ったのか「あ、ごめん」と謝ってきた。
「……完全にセクハラですよね」
「そ……そうだね。これは訴えられたら負けるやつ……」
「…………」
「…………」
「…………」
「……ううううあー! キャラがピュアな理由が解った気がする。でもそれだけ長く一緒にいると、そういうのも、なかなか難しいもんなのかね……あはは!」
「…………」
全然懲りないな、この人。
沈黙に耐えかねて、橘さんが再び閉じた口を開き始めた。
黙っていても肯定と受け取られるし、俺と日菜子の関係を妄想をされるのも、余計なお節介を画策されるのも勘弁して欲しい。
俺は観念して口を開いた。
「まだ未熟ですからね。日菜子をちゃんと養っていけるだけの力量も無いのに」
「真面目かーッ!」
橘さんの目が点になっている。
まぁ、日菜子はあれでしっかりしているので、俺のことなど関係なくちゃんと生きていける気もするけど。
でもやっぱり、余計な苦労をかけたくないし、いざと言う時には頼って欲しいと思う。
「……私は、水谷くんに力量が無いなんて思ってないよ? 不器用だけど伝えようという姿勢は好感が持てるし、目覚しい成長も感じられる。画力はあるし、向上心だってある。でもこの世界はどんなに売れてるプロでも、急に売れなくなって消える時は一瞬だから。だからそんな、どこが終着点かも解らない目標を抱え続けていたら……。一生、日菜子ちゃんと一線を越えるなんてできない気が……」
「でも、あいつ、まだ子供だし」
「子供って言っても、日菜子ちゃん大学生だよね?」
「20才になりましたね」
「……さらに言えば、ふたりが恋人になって三年くらい経つよね……?」
「そんなに経つっけ」
「行ってらっしゃい」
「は」
「絶対、行くべき。なんかあなた達、相当こじれてるわよ。きっかけ大事。日菜子ちゃんの仕事先には、私が上手いこと休みをとれるように言いくるめとくから」
日菜子の先生――桐生翔と橘さんは、昔付き合っていたらしい。
新人編集者の女の子たちから風の噂で聞いた。
その口ぶりからして、プライベートでもまだ繋がっているのかもしれない。
「水谷くんは胸キュン旅行を漫画に反映してくれれば私はそれでいいから。これも立派な取材旅行ということで」
気乗りしない俺の顔を見て、橘さんは、ふ、と溜息をつく。
「力量、付けたいんでしょ? 経験もない人間がどう力量付けるのよ」
「別に俺、エロ漫画なんて描く気ないんですけど」
「馬鹿ね、仕事をより好みなんてしてんじゃないわよ、なんでも描ける漫画家になりなさい。いつ、青年誌に異動になっても良いくらいの経験積んできなさいよ?」
橘さんて、中身は完全におっさんだよな。
遠い目をしながら、そんなことを思う。
軽い気持ちでした世間話が膨らんで、とんでもないことになってしまった。
「事情はよく解らないんだけど、1週間、仕事のお休みができたんだー」
そしてこちらも。
何が何だかわからないと言った表情で、日菜子が俺の家に訪ねてきた。
「大学も夏休みだし、バリバリお仕事できたんだけどね? サトちゃんとお休みの日が同じだから、一緒に旅行にでも行くと良いよって先生に言われて」
何やら周囲のお膳立てが完璧すぎて、俺は頭を抱えたくなった。
「取材も兼ねて温泉旅行に行けと言われた」
覚悟を決めて、俺は話を切り出すことにする。
「取材? サトちゃん温泉の漫画でも描くの?」
「まぁ、そんなところ」
どんなところだ、意味がわからねー。
そう心の中でツッコミを入れて、キョトンとしている日菜子に切り出す。
「行くか?」
「え、良いの?」
「福引で当てたのあるし。ペア券だしな」
目線を横に逸らしていたが、ちらりと日菜子を見ると、頬を上気させて、うんうんと一生懸命頷いている。
「日菜子、可愛い下着を買って行くからね!」
わーい! と両手を上げて、満面の笑みでそう言う日菜子に、冗談か本気か判断しかねて返答に困る。
なんなんだ、その余裕。
だけど、なんとなくわかる。
日菜子は自分は何があっても絶対何もされないと解りきっているのだ。
のらりくらりと日菜子のモーションをかわし続けてきた。
キスはカウントしないとして、付き合って三年の間手を出されなかったのだ。
日菜子がそう思っていたとしても仕方が無い。
「じゃあ、楽しみにしてる」
少し口元をあげて笑い、俺も余裕たっぷりに答えてみることにする。
「馬鹿か」とか何だとか言いながら俺に小突かれることを想像していただろう日菜子は、その予想外の反応に笑みがぴたりと止まる。
少し間があって、事態を把握した日菜子の頬がぽわっと染まった。
「え、本当にしちゃうの?」
思わず日菜子から出た単刀直入なその問いに、俺は思わず不覚にも赤面し、「馬鹿か!」と日菜子を小突いて髪を揉みくちゃにしてやった。
わっしゃわっしゃと犬のように撫でまわされて「ちょっ! う、うみゃーっ! この髪型するのに30分はかかるのよぉぉっ!」と泣き叫ぶ日菜子に我に返る。
小学生もびっくりするような低次元の嫌がらせをしてしまった。
「馬鹿なのは俺……」
そしてその後、ひとり自己嫌悪で打ちのめされたのは説明するまでも無い。
「出ましたー! 特賞ー!」
カラン、カランという甲高いベルの音。
後ろに並んでいた人達の羨望の眼差しとあたたかな拍手。
満面の笑みで俺に渡されたのは、見るからにおめでたいのし封筒。
「さ、サトちゃんすごいねー!」
横でキラキラ瞳を輝かせる日菜子とは対照的に、俺は当惑しながら封筒を受け取った。
「すごいったって、どうすんだよ。こんなん」
封筒には1泊2日ペアと書かれている。
ありがたいことに連載も軌道に乗り始め、旅行に行くための時間も心のゆとりもない。
本当は、3等の商品券が欲しかったんだけど、世の中そう上手くはいかない。
「ま、両親にでもやればいいか」
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「いえ、当スーパーの会員である、ご本人様しかご利用できません」
「え」
それじゃあ、宝の持ち腐れになってしまう。
俺は咄嗟に誰かに譲ろうと考え、ぐるりと辺りを見回す。
真後ろにいた子連れの女性と目が合ったので「良かったら……」と声をかけたが「どうぞ、彼女さんと行ってください」と遠慮がちに微笑まれた。
彼女さん。
その言葉と視線の先にいた日菜子は、ホワッと頬を染める。
日菜子は今年で20才になった。
童顔なのは変わらないけど、ほんのり化粧もするようになって、少し大人っぽくなった気がする。
一緒に並べば、ちゃんと恋人に認知されるらしい。
「えぇ~、そんなぁぁ、どうしよう~。うふふのふ」
ちなみに、ほっぺたを抑えながらヘラヘラ笑っている、日菜子の中身は昔と何ら変わっていない。
「そうだよねえ! いいよねえ! 若いもんはぁ!!」
その後ろのシニア男性が、引くぐらいのクソデカボイスで、なにやら遠い昔を思い出すように、うんうんと頷いている。
クスクスと周りから笑いが起こって、居たたまれなくなった俺は、とりあえず日菜子を連れてその場をそそくさと退散したのだった。
「とまぁ、そんなことがあったんですよね」
ネームを見てもらう合間に、俺は世間話のつもりで福引きの話を橘さんにしていた。
「で、どうすんのその旅行券」
「どうも、こうも。勿体無いですけど」
「行かないの!?」
「……日程的にも無理でしょう」
何をそんなわかりきったことを訊くんだか。
「俺の仕事のスケジュールを組んでるのは橘さんでしょ?」と溜息を交えつつ俺が言うと、橘さんは手帳を取り出し低く唸った。
「行きましょうか」
「は」
「休みを作ろう! 行くのです!」
「はぁ?」
「日菜子ちゃんを誘って行くのよ!」
絶句した。
仕事をほっぽって恋人と旅行しろだなんて、どんな担当だ、そりゃ。
「水谷くんは、今、恋愛物を描いているじゃない!」
「描かさ……いえ、そうですね」
「水谷くんは、気持ちの表現は上手くなったし、じらし上手ではあるんだけどさぁ、全然キャラの恋に進展が無いのよ! 私、ずっと考えたんだけど、それって水谷くんの恋愛に進展がないせいなんじゃないかなぁと……」
「人のプライバシーに……」
立ち入らないでもらえます? と言いたかったけど、続く橘さんの言葉で遮られた。
「水谷くんて童貞?」
そこは、するっと受け流したかった。
露骨に不自然な間を作り、何も言い返せずに、困惑と羞恥心が入り混じったような複雑な表情をしてしまった。
さすがの橘さんもしまったと思ったのか「あ、ごめん」と謝ってきた。
「……完全にセクハラですよね」
「そ……そうだね。これは訴えられたら負けるやつ……」
「…………」
「…………」
「…………」
「……ううううあー! キャラがピュアな理由が解った気がする。でもそれだけ長く一緒にいると、そういうのも、なかなか難しいもんなのかね……あはは!」
「…………」
全然懲りないな、この人。
沈黙に耐えかねて、橘さんが再び閉じた口を開き始めた。
黙っていても肯定と受け取られるし、俺と日菜子の関係を妄想をされるのも、余計なお節介を画策されるのも勘弁して欲しい。
俺は観念して口を開いた。
「まだ未熟ですからね。日菜子をちゃんと養っていけるだけの力量も無いのに」
「真面目かーッ!」
橘さんの目が点になっている。
まぁ、日菜子はあれでしっかりしているので、俺のことなど関係なくちゃんと生きていける気もするけど。
でもやっぱり、余計な苦労をかけたくないし、いざと言う時には頼って欲しいと思う。
「……私は、水谷くんに力量が無いなんて思ってないよ? 不器用だけど伝えようという姿勢は好感が持てるし、目覚しい成長も感じられる。画力はあるし、向上心だってある。でもこの世界はどんなに売れてるプロでも、急に売れなくなって消える時は一瞬だから。だからそんな、どこが終着点かも解らない目標を抱え続けていたら……。一生、日菜子ちゃんと一線を越えるなんてできない気が……」
「でも、あいつ、まだ子供だし」
「子供って言っても、日菜子ちゃん大学生だよね?」
「20才になりましたね」
「……さらに言えば、ふたりが恋人になって三年くらい経つよね……?」
「そんなに経つっけ」
「行ってらっしゃい」
「は」
「絶対、行くべき。なんかあなた達、相当こじれてるわよ。きっかけ大事。日菜子ちゃんの仕事先には、私が上手いこと休みをとれるように言いくるめとくから」
日菜子の先生――桐生翔と橘さんは、昔付き合っていたらしい。
新人編集者の女の子たちから風の噂で聞いた。
その口ぶりからして、プライベートでもまだ繋がっているのかもしれない。
「水谷くんは胸キュン旅行を漫画に反映してくれれば私はそれでいいから。これも立派な取材旅行ということで」
気乗りしない俺の顔を見て、橘さんは、ふ、と溜息をつく。
「力量、付けたいんでしょ? 経験もない人間がどう力量付けるのよ」
「別に俺、エロ漫画なんて描く気ないんですけど」
「馬鹿ね、仕事をより好みなんてしてんじゃないわよ、なんでも描ける漫画家になりなさい。いつ、青年誌に異動になっても良いくらいの経験積んできなさいよ?」
橘さんて、中身は完全におっさんだよな。
遠い目をしながら、そんなことを思う。
軽い気持ちでした世間話が膨らんで、とんでもないことになってしまった。
「事情はよく解らないんだけど、1週間、仕事のお休みができたんだー」
そしてこちらも。
何が何だかわからないと言った表情で、日菜子が俺の家に訪ねてきた。
「大学も夏休みだし、バリバリお仕事できたんだけどね? サトちゃんとお休みの日が同じだから、一緒に旅行にでも行くと良いよって先生に言われて」
何やら周囲のお膳立てが完璧すぎて、俺は頭を抱えたくなった。
「取材も兼ねて温泉旅行に行けと言われた」
覚悟を決めて、俺は話を切り出すことにする。
「取材? サトちゃん温泉の漫画でも描くの?」
「まぁ、そんなところ」
どんなところだ、意味がわからねー。
そう心の中でツッコミを入れて、キョトンとしている日菜子に切り出す。
「行くか?」
「え、良いの?」
「福引で当てたのあるし。ペア券だしな」
目線を横に逸らしていたが、ちらりと日菜子を見ると、頬を上気させて、うんうんと一生懸命頷いている。
「日菜子、可愛い下着を買って行くからね!」
わーい! と両手を上げて、満面の笑みでそう言う日菜子に、冗談か本気か判断しかねて返答に困る。
なんなんだ、その余裕。
だけど、なんとなくわかる。
日菜子は自分は何があっても絶対何もされないと解りきっているのだ。
のらりくらりと日菜子のモーションをかわし続けてきた。
キスはカウントしないとして、付き合って三年の間手を出されなかったのだ。
日菜子がそう思っていたとしても仕方が無い。
「じゃあ、楽しみにしてる」
少し口元をあげて笑い、俺も余裕たっぷりに答えてみることにする。
「馬鹿か」とか何だとか言いながら俺に小突かれることを想像していただろう日菜子は、その予想外の反応に笑みがぴたりと止まる。
少し間があって、事態を把握した日菜子の頬がぽわっと染まった。
「え、本当にしちゃうの?」
思わず日菜子から出た単刀直入なその問いに、俺は思わず不覚にも赤面し、「馬鹿か!」と日菜子を小突いて髪を揉みくちゃにしてやった。
わっしゃわっしゃと犬のように撫でまわされて「ちょっ! う、うみゃーっ! この髪型するのに30分はかかるのよぉぉっ!」と泣き叫ぶ日菜子に我に返る。
小学生もびっくりするような低次元の嫌がらせをしてしまった。
「馬鹿なのは俺……」
そしてその後、ひとり自己嫌悪で打ちのめされたのは説明するまでも無い。
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