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悪い子たち
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全ての席が埋まっていないのを見て、ピノキオは眉間にシワを寄せた。
まだ学校に来ていないのが、少なくともあと2人いる。
出席簿など見ずとも、誰が来ていないのかは分かりきっている。
この近辺でも顔の知れた悪ガキのピグロとブルローネだ。
この2人は何かと問題行動が目立つ。
入学当時からまともに学校に来ていないし、来たら来たで居眠りしたり大声で騒いだりして好き放題に授業を妨害するし、それを注意したピノキオに逆上までする。
これだけならまだ可愛いもので、先週はブルローネが仕掛けたくだらないイタズラのせいで、他の子がケガをした。
ブルローネときたら、どこで手に入れたか知らないが、トラバサミなんかを通学路に仕掛けたのだ。
案の定、それを誤って踏んだ子は足を負傷してしまった。
幸いケガは軽いものであったし、現在はこれといった後遺症もなく元気に登校しているが、一歩間違えていれば大惨事に発展するところであった。
さらに、最近のピグロとブルローネは夜の街に出向くことが多くなり、そこで悪い連中と付き合い始めたらしい。
さらには、悪い連中と盗みを働いていたところを見つかって連行され、取り調べまで受けたという。
ピノキオはピグロとブルローネの親に注意の手紙を出したが、この2人は親の言うことすらまともに聞かないから、何の効果もなかった。
面と向かって話したことだってあるのだけど、どちらの両親も「先生、申し訳ございません」「きつく叱りつけておきますから」とひたすらピノキオに謝り続けるだけだった。
また、どちらの両親も我が子の聞かん気にかなり悩まされているらしく、どちらの母親も「どうしてこんなことに」と涙さえ流していた。
ピノキオとて再三にわたって注意したのだけど、それを繰り返しているうちに2人はピノキオの顔を見るや否や、一目散に逃げていくようになった。
今となっては、この2人が学校に来た日はいつが最後かも思い出せない。
──まったく、なんて子たちだろう!
ピノキオはハラワタが煮えくり返りそうになるのを抑えながら、出席を取った。
この2人以外は全員時間通りに来ていたので、ピノキオは授業を開始した。
出席していた子どもたちは全員、ピノキオの言うことをしっかりと聞いて、ときに手を上げて質問してきた。
──皆が皆、こんなにだったらどんなにいいだろう
授業中、ピノキオはため息まじりに嘆いた。
思えば、今日は朝から散々だ。
見も知らぬ旅人の悪意なき言葉にめいいっぱい胸を刺されたし、これから出席していない悪童2人の両親へ、また手紙を書かなくてはならない。
この学校では、知らせもなく学校に来ない子がいたら「あなたのお子さんが今日は学校に来ておりません」という内容の手紙を、親に送る決まりになっているのだ。
今日の授業は無事に終わったが、ピノキオの憂鬱気分はなかなか去ってはくれない。
憂鬱になると忌々しい記憶が蘇ってくるから、それを抑えるのにも一苦労だった。
まだ学校に来ていないのが、少なくともあと2人いる。
出席簿など見ずとも、誰が来ていないのかは分かりきっている。
この近辺でも顔の知れた悪ガキのピグロとブルローネだ。
この2人は何かと問題行動が目立つ。
入学当時からまともに学校に来ていないし、来たら来たで居眠りしたり大声で騒いだりして好き放題に授業を妨害するし、それを注意したピノキオに逆上までする。
これだけならまだ可愛いもので、先週はブルローネが仕掛けたくだらないイタズラのせいで、他の子がケガをした。
ブルローネときたら、どこで手に入れたか知らないが、トラバサミなんかを通学路に仕掛けたのだ。
案の定、それを誤って踏んだ子は足を負傷してしまった。
幸いケガは軽いものであったし、現在はこれといった後遺症もなく元気に登校しているが、一歩間違えていれば大惨事に発展するところであった。
さらに、最近のピグロとブルローネは夜の街に出向くことが多くなり、そこで悪い連中と付き合い始めたらしい。
さらには、悪い連中と盗みを働いていたところを見つかって連行され、取り調べまで受けたという。
ピノキオはピグロとブルローネの親に注意の手紙を出したが、この2人は親の言うことすらまともに聞かないから、何の効果もなかった。
面と向かって話したことだってあるのだけど、どちらの両親も「先生、申し訳ございません」「きつく叱りつけておきますから」とひたすらピノキオに謝り続けるだけだった。
また、どちらの両親も我が子の聞かん気にかなり悩まされているらしく、どちらの母親も「どうしてこんなことに」と涙さえ流していた。
ピノキオとて再三にわたって注意したのだけど、それを繰り返しているうちに2人はピノキオの顔を見るや否や、一目散に逃げていくようになった。
今となっては、この2人が学校に来た日はいつが最後かも思い出せない。
──まったく、なんて子たちだろう!
ピノキオはハラワタが煮えくり返りそうになるのを抑えながら、出席を取った。
この2人以外は全員時間通りに来ていたので、ピノキオは授業を開始した。
出席していた子どもたちは全員、ピノキオの言うことをしっかりと聞いて、ときに手を上げて質問してきた。
──皆が皆、こんなにだったらどんなにいいだろう
授業中、ピノキオはため息まじりに嘆いた。
思えば、今日は朝から散々だ。
見も知らぬ旅人の悪意なき言葉にめいいっぱい胸を刺されたし、これから出席していない悪童2人の両親へ、また手紙を書かなくてはならない。
この学校では、知らせもなく学校に来ない子がいたら「あなたのお子さんが今日は学校に来ておりません」という内容の手紙を、親に送る決まりになっているのだ。
今日の授業は無事に終わったが、ピノキオの憂鬱気分はなかなか去ってはくれない。
憂鬱になると忌々しい記憶が蘇ってくるから、それを抑えるのにも一苦労だった。
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