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第二幕 あやかし兎の京都裏町、舞妓編 ~祇園に咲く真紅の紫陽花
26.隠された脅迫(2)
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なるほど、半分くらいの納得。
いくら音兎ちゃんが香月さんと同じ兎だからといって、香月さんを政治的に追い落とす材料としては弱いのではないかと疑問に思っていました。それが親戚となれば話は別で、見事に弱点を突かれたと。
ただ、五臓さんの立場を考えれば、まだ不可解な点はあります。解散するに至った当時の状況ならいざ知らず、今は衆議院として公式に支持を得ているのだから、軽率な行動は五臓さんにとってもリスクになるはず。いくら何でも香月さんと音兎ちゃんへの執着が過ぎる気も。
兎が嫌いなのかな?
そんな人に出会ったことがありませんけど。
「五臓さんの本当の狙いって何ですか? あの会議で香月さんを執拗に追求していましたが、過去の因縁だけなんですか?」
「それは私も、気になっとりました」
私の疑問に賛同したのは、切目さんです。切目さんはスーツのポケットから数枚の写真を取り出して、卓上に置きました。大通だったり、路地裏だったり、おそらくは京都の町中で、そのうちの何枚かには若い男性、あの義経さんが映っています。
体の色が薄いような。
「義経さんですけどね、消えよるんですわ、追跡しても。行方も、狙いも、全く掴めない。五臓さんはボディーガードとか言うてましたけど、義経さんの方が格上ですから、そんな関係であるはずがない。だから今回の舞妓騒動での香月さんとの対立も、ただの通過点ではないかと」
「ご明察の通りです」
香月さんは手に取った写真を切目さんに返しました。
「今の五臓さんは私のことなど、さほど眼中にありません。昔とは違い、正面から堂々と粉砕できると思っているでしょうから。それがこういう事態になったのは、彼の思惑に気付いたからです。あの裏町のバクケンと、五臓さんが手を結ぼうとしているのです」
バクケンですって。
またまた登場、裏町で暗躍する『アヤカシ幕府復権の会』。
真神さんとのデート時に「義経さんとバクケンが接近している」と聞きました。そのバクケンが、五臓さんとも繋がっている。三つの勢力が裏で協力し合っているのだから、悪代官的な流れに違いなく。
「つまりは、三位一体の悪行三昧!」
「そんな役はありませんよ、チョンボです」
牌を倒しながら叫んだものだから、点数を支払うハメになりました。八千点も払うのだそう。気が付けば私の点数がほとんどありません。
負けても何のペナルティもないし、別にいいか。
「皆さん、こちらを忘れていました」
中居さんがしずしずと入ってきました。お盆に載って差し出されたのは、どす黒い液体の入ったグラスが一つ。
「激ニガキノコと、タコ墨イカ墨カラスミ、それからドクダミとセンブリと閻魔唐辛子をミックスした『悪薬口に苦辛しジュース』です。罰ゲーム用にどうぞ」
不要を極めたドリンクサービス。これで麻雀の方でも負けられなくなりました。
「三つの勢力による悪巧みですか?」
話を戻します。
「だいたい合っています」
香月さんが説明してくれます。
「バクケンは京都裏町からアヤカシ主導の武家政権の復活を狙っていますが、五臓さんの京都首都移転計画と通じるところがありまして。これに私が気付いたのは、五臓さんがバクケンの幹部と接触しているのを、音兎が目撃したからです。彼女はバクケンを知りませんから、『姐さんとの現場で、あの五臓さんと蛇の尻尾が生えているアヤカシがおったんどす』と怖がっていただけですが、後にバクケン幹部の鵺であると判明しました」
「あ~、そういうことですか」
私が真相に頷いていると、
「それで彼女が目の敵に、カン」
「個人的な逆恨みも甚だしいですね、え~ドラ四ですか、豪運ですね、僕もカン」
「私も、どうしてここまで追求してくるのか疑問でしたがバクケンの幹部だったと知って――あ、ツモりました。リーチかけておけば良かったですな」
次々に牌がめくられて、最後は香月さんが上がりました。
音兎ちゃんの犠牲は、カン、じゃなくて、もう、邪魔ね、麻雀が。えっと、音兎ちゃんが狙われたのは香月さんとの因縁だけでなく、犯行現場を偶然に見てしまった人が次に襲われる探偵的な物語でもあったと。
「五臓さんって人間とアヤカシ共存の反対派ではないんですか?」
ここも私が聞きます。
「保守派の指示を得てはいますが、五臓さんは別にアヤカシの存在に拘っていません。彼の目的はあくまで京都主権で、保守派と改革派の間を取りなすことで、より地盤を固めようと。だから先日の会議での脅しすらも建前で、立候補の取り下げ要求は過去の意趣返しに過ぎません。裏の警告は、『バクケンとの計画を吹聴したら音兎が舞妓に復帰できないどころか身に危険が迫ることになり、鈴屋ごと潰すぞ』というのが本当のメッセージです」
「合点がいきました」
切目さんは自分の手牌を見て、渋い顔をしながら頷きました。
「そこを直接言わずに、こっちに想像させてるんがズル賢いところで。いろいろと暗躍しとるのは間違いないんですが――ちなみに薫さん、残り千点ですよ」
切目さんが注意喚起してくれました。が、こっちの勝負についてはどうしようもありません。逆転の秘策もなければ麻雀の役も分からないけど、気が付けば手牌の図柄が同じようなのばかりだから、似たような牌を集めようと思います。
それにしても、女性に加減を知らない男性陣。
「いろいろ攻め口はありそうですが、今のところ、五臓さんを失脚させるだけの証拠はなさそうです。やってることも過激さを除けば、文化推進と、表の裏の融合っちゅうことですから。ま、やり方が問題ですけど」
「そーなの、やり方が問題!」
京都首都も、アヤカシ幕府も、個人の主義だから勝手にすればいい。結果として表京都と裏京都が公式に結びついて、人間とアヤカシの共存が成り立つかもしれない。
だけど文化の推進は、アヤカシの自立は、生活の延長線上で成されるべきであって、誰かを犠牲にしたりだとか、排除したりだとか、建前のために泣く立場が生まれるマキャベリズムは革命家の言い訳でしかない。
これって綺麗事?
ええ、結構、綺麗事で上等。
偽善、蒙昧、戯言、詭弁と言われようと、『人間・アヤカシ・デモクラシー』は精神的な結び付きであって、構造的な強制ではないはず。表と裏が、自然に手を取り合うことが大事。そのためには文化的な交流を、音兎ちゃんが舞妓として参加できるような一大イベントを開催すれば――
「表裏一体、都の賑い!」
なんとなく図柄が綺麗になったので、牌を倒してやりました。
「そんな役は……あれ、これって」
一同が、私の倒した牌に首を集めます。
「暗刻がたくさん……薫さんのって、四暗刻のダブルじゃないですか?」
沖田さんが目を丸くしています。
「それって凄いの?」
「役満ですよ。しかも親のダブルで一発逆転です」
「うん? なんか、おかしないか?」
今度は切目さんが眉を曲げました。
「五個あるで……五暗刻って、多牌してますよ。上がってたのに五個目を揃えるとは……しかも捨牌で暗刻落としてます。対子場かなとは思ってましたけど、これはもはや六暗刻……信じられないレベルのツキですよ」
何を言っているのか、サッパリです。
「それって凄いの?」
「ある意味で四暗刻より難しいですけど、牌を多く取り過ぎなんで、チョンボです。だから親の一万二千点払いで、薫さんのトビ。ただ、二度とお目に掛かれない凄さです」
そんなに凄いのに、負け、なんですって。
「薫さん、大丈夫です。これは突き抜けて、もう勝ちにしていいと思います。僕が下から二番目ですからね、代わりに僕が飲み――」
「なんの、これくらい!」
真っ黒い思惑を一気に飲み込んでやります。覚悟の舌と胃袋に流し込まれ、体験したことのない苦さと辛さの二重苦に、
「苦っ! 辛い! この世の地獄!」
部屋を縦横無尽に駆け回りました。それでも負けじと、悶絶と苦悶と決意の表情を浮かべながら麻雀卓と化した机に、牌を四方八方へ吹っ飛ばしながらドンっと両手を突いて、
「裏町との合同祭の開催を宣言します! 香月さん、協力してくれますよね!」
「え、ええ。もちろん」
場当たり的な提案でしたが、勢いで押し切ってやりました。
いくら音兎ちゃんが香月さんと同じ兎だからといって、香月さんを政治的に追い落とす材料としては弱いのではないかと疑問に思っていました。それが親戚となれば話は別で、見事に弱点を突かれたと。
ただ、五臓さんの立場を考えれば、まだ不可解な点はあります。解散するに至った当時の状況ならいざ知らず、今は衆議院として公式に支持を得ているのだから、軽率な行動は五臓さんにとってもリスクになるはず。いくら何でも香月さんと音兎ちゃんへの執着が過ぎる気も。
兎が嫌いなのかな?
そんな人に出会ったことがありませんけど。
「五臓さんの本当の狙いって何ですか? あの会議で香月さんを執拗に追求していましたが、過去の因縁だけなんですか?」
「それは私も、気になっとりました」
私の疑問に賛同したのは、切目さんです。切目さんはスーツのポケットから数枚の写真を取り出して、卓上に置きました。大通だったり、路地裏だったり、おそらくは京都の町中で、そのうちの何枚かには若い男性、あの義経さんが映っています。
体の色が薄いような。
「義経さんですけどね、消えよるんですわ、追跡しても。行方も、狙いも、全く掴めない。五臓さんはボディーガードとか言うてましたけど、義経さんの方が格上ですから、そんな関係であるはずがない。だから今回の舞妓騒動での香月さんとの対立も、ただの通過点ではないかと」
「ご明察の通りです」
香月さんは手に取った写真を切目さんに返しました。
「今の五臓さんは私のことなど、さほど眼中にありません。昔とは違い、正面から堂々と粉砕できると思っているでしょうから。それがこういう事態になったのは、彼の思惑に気付いたからです。あの裏町のバクケンと、五臓さんが手を結ぼうとしているのです」
バクケンですって。
またまた登場、裏町で暗躍する『アヤカシ幕府復権の会』。
真神さんとのデート時に「義経さんとバクケンが接近している」と聞きました。そのバクケンが、五臓さんとも繋がっている。三つの勢力が裏で協力し合っているのだから、悪代官的な流れに違いなく。
「つまりは、三位一体の悪行三昧!」
「そんな役はありませんよ、チョンボです」
牌を倒しながら叫んだものだから、点数を支払うハメになりました。八千点も払うのだそう。気が付けば私の点数がほとんどありません。
負けても何のペナルティもないし、別にいいか。
「皆さん、こちらを忘れていました」
中居さんがしずしずと入ってきました。お盆に載って差し出されたのは、どす黒い液体の入ったグラスが一つ。
「激ニガキノコと、タコ墨イカ墨カラスミ、それからドクダミとセンブリと閻魔唐辛子をミックスした『悪薬口に苦辛しジュース』です。罰ゲーム用にどうぞ」
不要を極めたドリンクサービス。これで麻雀の方でも負けられなくなりました。
「三つの勢力による悪巧みですか?」
話を戻します。
「だいたい合っています」
香月さんが説明してくれます。
「バクケンは京都裏町からアヤカシ主導の武家政権の復活を狙っていますが、五臓さんの京都首都移転計画と通じるところがありまして。これに私が気付いたのは、五臓さんがバクケンの幹部と接触しているのを、音兎が目撃したからです。彼女はバクケンを知りませんから、『姐さんとの現場で、あの五臓さんと蛇の尻尾が生えているアヤカシがおったんどす』と怖がっていただけですが、後にバクケン幹部の鵺であると判明しました」
「あ~、そういうことですか」
私が真相に頷いていると、
「それで彼女が目の敵に、カン」
「個人的な逆恨みも甚だしいですね、え~ドラ四ですか、豪運ですね、僕もカン」
「私も、どうしてここまで追求してくるのか疑問でしたがバクケンの幹部だったと知って――あ、ツモりました。リーチかけておけば良かったですな」
次々に牌がめくられて、最後は香月さんが上がりました。
音兎ちゃんの犠牲は、カン、じゃなくて、もう、邪魔ね、麻雀が。えっと、音兎ちゃんが狙われたのは香月さんとの因縁だけでなく、犯行現場を偶然に見てしまった人が次に襲われる探偵的な物語でもあったと。
「五臓さんって人間とアヤカシ共存の反対派ではないんですか?」
ここも私が聞きます。
「保守派の指示を得てはいますが、五臓さんは別にアヤカシの存在に拘っていません。彼の目的はあくまで京都主権で、保守派と改革派の間を取りなすことで、より地盤を固めようと。だから先日の会議での脅しすらも建前で、立候補の取り下げ要求は過去の意趣返しに過ぎません。裏の警告は、『バクケンとの計画を吹聴したら音兎が舞妓に復帰できないどころか身に危険が迫ることになり、鈴屋ごと潰すぞ』というのが本当のメッセージです」
「合点がいきました」
切目さんは自分の手牌を見て、渋い顔をしながら頷きました。
「そこを直接言わずに、こっちに想像させてるんがズル賢いところで。いろいろと暗躍しとるのは間違いないんですが――ちなみに薫さん、残り千点ですよ」
切目さんが注意喚起してくれました。が、こっちの勝負についてはどうしようもありません。逆転の秘策もなければ麻雀の役も分からないけど、気が付けば手牌の図柄が同じようなのばかりだから、似たような牌を集めようと思います。
それにしても、女性に加減を知らない男性陣。
「いろいろ攻め口はありそうですが、今のところ、五臓さんを失脚させるだけの証拠はなさそうです。やってることも過激さを除けば、文化推進と、表の裏の融合っちゅうことですから。ま、やり方が問題ですけど」
「そーなの、やり方が問題!」
京都首都も、アヤカシ幕府も、個人の主義だから勝手にすればいい。結果として表京都と裏京都が公式に結びついて、人間とアヤカシの共存が成り立つかもしれない。
だけど文化の推進は、アヤカシの自立は、生活の延長線上で成されるべきであって、誰かを犠牲にしたりだとか、排除したりだとか、建前のために泣く立場が生まれるマキャベリズムは革命家の言い訳でしかない。
これって綺麗事?
ええ、結構、綺麗事で上等。
偽善、蒙昧、戯言、詭弁と言われようと、『人間・アヤカシ・デモクラシー』は精神的な結び付きであって、構造的な強制ではないはず。表と裏が、自然に手を取り合うことが大事。そのためには文化的な交流を、音兎ちゃんが舞妓として参加できるような一大イベントを開催すれば――
「表裏一体、都の賑い!」
なんとなく図柄が綺麗になったので、牌を倒してやりました。
「そんな役は……あれ、これって」
一同が、私の倒した牌に首を集めます。
「暗刻がたくさん……薫さんのって、四暗刻のダブルじゃないですか?」
沖田さんが目を丸くしています。
「それって凄いの?」
「役満ですよ。しかも親のダブルで一発逆転です」
「うん? なんか、おかしないか?」
今度は切目さんが眉を曲げました。
「五個あるで……五暗刻って、多牌してますよ。上がってたのに五個目を揃えるとは……しかも捨牌で暗刻落としてます。対子場かなとは思ってましたけど、これはもはや六暗刻……信じられないレベルのツキですよ」
何を言っているのか、サッパリです。
「それって凄いの?」
「ある意味で四暗刻より難しいですけど、牌を多く取り過ぎなんで、チョンボです。だから親の一万二千点払いで、薫さんのトビ。ただ、二度とお目に掛かれない凄さです」
そんなに凄いのに、負け、なんですって。
「薫さん、大丈夫です。これは突き抜けて、もう勝ちにしていいと思います。僕が下から二番目ですからね、代わりに僕が飲み――」
「なんの、これくらい!」
真っ黒い思惑を一気に飲み込んでやります。覚悟の舌と胃袋に流し込まれ、体験したことのない苦さと辛さの二重苦に、
「苦っ! 辛い! この世の地獄!」
部屋を縦横無尽に駆け回りました。それでも負けじと、悶絶と苦悶と決意の表情を浮かべながら麻雀卓と化した机に、牌を四方八方へ吹っ飛ばしながらドンっと両手を突いて、
「裏町との合同祭の開催を宣言します! 香月さん、協力してくれますよね!」
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