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第二幕 あやかし兎の京都裏町、舞妓編 ~祇園に咲く真紅の紫陽花

8.祇園東の花街(1)

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 世間が休み明けの慌ただしさと無念さを漂わせつつ、サラリーマン達がオフィスビルへと消えていく月曜日。

 私は音兎ちゃんが所属している祇園東の置屋の『鈴屋』を訪れるために、表京都の四条通と花見小路通の交差点で信号待ちをしていました。京都だから和服でも違和感はありませんが、やっぱりここは普通の私服。白いブラウスにベージュのロングスカート、だけど、今日はちょっと肌寒かった。

 鈴屋は、四条通の北側にあります。祇園町は四条通を挟んで南北に分かれるのですが、同じ花見小路通でも北と南で随分と景観が違うのです。

 北側は飲み屋街なので、構成要素を羅列しますと、雑居ビル、電線、ネオン、バー、スナック、などなど。かつては祇園の北町を上司が部下を連れて飲み歩いたりもしたそうですが、不景気は接待の慣習を目減りさせ、今では空きテナントが目立って寂しくなっています。それでも時代の変化に合わせたオシャレな和カフェやら、こだわり系の居酒屋が新しくオープンしていますし、北側にはあの素敵な白川筋だってありますから、この情緒だけでも十分にお釣りがきます。

 そんな祇園北町にある花街が、祇園東です。四条通の交差点を渡って花見小路通を北上し、富永町通で右へ折れると、途中に石畳の道が北へと伸びています。コンクリートビルと電線だらけの場所に石畳の道、ですから、これは唐突な違和感です。誰かに誘われているかのように進みますと、その先で待っているのは歓亀かんかめ稲荷神社で、稲荷といえば、そうです、私と同じキツネの守護像が置いてあります。

 キツネといっても、私が頑張っているわけではないのですが、エッヘンと胸を反って誇りたくなるのが同族心情。お互いに大変ですね、なんて勝手に意気投合しておきましょう。この神社は、祇園東の芸妓さんや舞妓さんから『かんきさん』と親しみを込めて呼ばれているのだとか。とはいえ、神社の周りもコンクリートばかりで、ポツンと佇んでいる感は否めない。

 この神社の裏手の細道には、隠れるように花街風情が残っていました。祇園東のお茶屋が固まっていたりします。他には祇園会館の周辺や路地の奥まった場所に茶屋があったりもして、歩けば歩くほど唐突に和風が出現するヘンテコな景観だなと、まあこれが素直な感想なのでして。

 神社を過ぎて、路地を抜けて、鈴屋に到着しました。ちなみに鈴屋とは置屋の屋号で、舞妓さん達が修業&待機している住居です。あくまで他人の家ですから、特別な用事でもない限り訪れる機会は皆無でしょう。

「ようこそ、おこしやす。鈴月のことで、迷惑をお掛けしております。どうぞ、お上がりなさって」

 鈴屋の管理人、つまり舞妓さんの面倒をみる『お母さん』が出迎えてくれました。あい色の無地の着物に卵色の帯を巻いて、白髪の混ざった黒髪を結い上げています。お婆さん、というほどに年齢を感じさせませんが、貫禄から六十歳は超えているように思います。

 玄関を通ると廊下があって、奥はキッチン。廊下の脇にある階段を上り、二階の座敷へと案内されました。集団生活をする場所だと聞いていたので、もっと広いのかと思っていたのですが、二階建ての普通の家、くらいの間取りです。

 和室には角の削れた背の低い木製テーブルが置いてあり、ざらついた砂壁の所々ががれています。着物女性の白黒やカラー写真が壁に飾られて、その隣には『音菊』や『鈴千代』などの芸名の書かれた木札が並んでいます。かつて玄関に飾られていたのでしょうが、今はもう、引退した名残りです。

 名前の一つ一つを視線でなぞっていると、木札から魂が飛び出したかのような錯覚がしました。畳に視線を落とせば、ふすまを隔てた奥の和室で舞いの練習をする女性達が、淡い幻想のように浮かんできます。扇子を広げ、首を傾けて、くるりと体を回して、時折、指導を受けているのか、動きを止めて何度も肯いていました。横にある鏡の前では『割れしのぶ』を結った初々しい少女が座って、顔や首を白く塗ってもらい、下唇に紅を挿して、緊張と期待に微かに頬を高揚させて――段々と綺麗になってゆく自分の姿を、じっと見つめているのです。

「何にもない部屋でっしゃろ」

 声と同時に想い出の舞妓さん達はさっと消えました。自らお茶を運ぶ鈴屋のお母さんは、お盆をテーブルに置くと、懐かしそうに木札を眺めています。

「これでも昔は、うるさいくらいにおったんどすえ。家中をばたばたして、声が止むこともあらへんで、なんでまあ私は、こんなに気を揉みながらこの子らの面倒見ているんやろかとか……それも今では、寂しなりました。三人だけになってしもうて」
「新しい舞妓さんは来ないのですか?」
「時代の流れなんでっしゃろか、来てくれはる方より、去りはるのが多いから」
「でも、昔よりかはネットが普及したから、遠方からの希望者が増えたと聞いたことがありますが」
「ようけいてはる所は、今でも繁盛してますけどね。昔と違っていろんな娯楽も増えたせいか、若い子は制限の多い屋形生活はとても続けられへんのどす。かといって、器量も育てずに何でもかんでも舞妓に引き上げるわけにはいきませんやろ? 廃業する屋形もある中で、ここもどうなることやろと思てましたら、あの二人が来てくれたんは幸運なことで」
「母さん、お客さん来てはるやんか」

 廊下から声がしました。薄茶色の長い髪の私服の女性と、髪を結い上げた着物の女性。一人は芸妓さんで、もう一人は舞妓さんのようです。

「初めまして。芸妓をやってます、鈴華すずはなといいます」
鈴夜すずやです。鈴月ちゃんと一緒に、舞妓をやらせてもらってます」

 二人が並んで座り、頭を下げました。こちらも風格を合わせねばと、私も丁寧に頭を下げます。鈴、の名前が入り乱れてややこしいのですが、音兎ちゃんの芸名は『鈴月』です。音兎ちゃんには同期の舞妓さんがいるらしくて、その子が『鈴夜』ちゃん。二人のお姉さん芸妓が『鈴華』さんになります。

「母さん、お茶くらいこっちで用意したんに」
 
 芸妓の鈴華さんが言います。

「だって家におらんやないの」
「お茶菓子買いに行きますって言うたやん」
「そら、お客さんが来る前に帰ってこなあきませんわ。茶菓子が間に合うてないんやもの。そういうわけで、こちら、どうぞ召し上がって下さい」
「わあ、嬉しい。水ようかん」

 私は甘党界のオールラウンダーと自称しています。嫌いなお菓子は、この世に、全くもってありません。かつ、出されたものに遠慮する精神は逆に失礼だと辞書に刻んでいますから、すぐに食べることにしています。だって、前に遠慮していたら、遥か後ろの部屋まで生八つ橋を吹き飛ばされた経験もありますし、直近では豆腐を潰された恨みもあります。

「鈴月ちゃん、裏町で元気にしてはります?」

 鈴華さんが、水ようかんをこちらへ差し出しながら私に尋ねました。

「ええ、最初は落ち込んでいたけど、裏町を観光したら気が晴れたみたいです。鈴屋に戻そうか迷ったのですが、事情が事情なので、いったん裏町の知り合いの家に泊めています。高千穂っていうんですけど」
「あ、ホンマに。高千穂のとこにいるんやて。それならヤル気出るかもしれへんわぁ」

 鈴華さんが話しかけると、伏し目がちだった舞妓の鈴夜ちゃんの表情がパッと明るくなりました。

「月に帰るとか、冗談のような本気を言うてたから、どうなることやと心配してまして」
「えらいあちこちで迷惑かけて、ホンマに困った子やわ」

 お母さんが溜息を吐きました。

「そないにきつう言わはらんでも。あの子、余計な気を回し過ぎて辞める言うたんやし」
「分かっとりますよ。だからこそ、ここにおったらええのにってことやんか。方々にご厄介になるくらいなら、全部こっちで引き受けますわ」
「ええっと……音兎ちゃんから聞いたのですが、鈴屋だけでなく後援会? の人達の立場も気にしていたみたいです。苦情が入ったとか」

 二人の会話を割って、私が聞きました。

「苦情なのか、いちゃもんなのか、余計な横やりが入ったのは事実どすけどね。あの子も勘違いしてはって、後援会の方々がいったん活動を自粛しよか言わはりましたんは、こっちで裏から手を回すさかい、任せときって意味やったんに」
「母さんがそう伝えな、分かりませんわ」
「言うたでっしゃろ?」
「そのまま言うただけなら、またみんなに迷惑掛けてるんやわって、肩身が狭なるやんか」
「ほったら、あんたがフォローしたりいな」
「しましたえ。せやけど、ウチがおるからあかんのや、とか言うて」
「構わへんって言いよ」
「言いましたって。気にせず、あんみつ食べに行こって誘ったら、あの子、白玉団子をジッと見て、全然スプーンを動かさへんかったんよ。こら本格的にあかんかもって思ってたら置手紙で夜逃げやもの」
「あんたが一番最初に見つけたんでっしゃろ? 直ぐに携帯に連絡したらよろしかったんに」
「しましたって。そしたら『お月さんの光が届かない場所には電波なんか届きません』とか、よう分からへん機械音声が返ってきて、どういう通信方式なんやろって――ていうか、どうしてあの子、土御門屋を知ってたんよ?」
「そら、裏町の子やもの」
「せやけど、コロコロ変わるやんか。裏町は小さい頃に通っただけで、何処にあるか忘れとったのに」
「ちょい前くらいかな。土御門屋が何処にあるか聞いてきたから、教えたんよ」
「なんでよ。教えたら絶対行くやんか。母さん、ちょっと配慮足りはらへんわ」
「あんたに言われたないわ。また先斗ぽんと町の飲み屋街で叫んでたでしょ。この間の常連さん、ビックリしてはったで。あれ、もしかして鈴屋さんとこの華ちゃんちゃうかって。他の花街で止めときよ、恥ずかしい」
「他の花街やから、堂々と叫んでるんやんか」
「アホ言いな」
「ああ、良かった」

 思わず笑みがこぼれます。会話の内容が、どことなく滑稽こっけいなのもありますが、たわいのない日常のやり取りを聞いて、安心したからです。音兎ちゃんはみんなに迷惑が掛かると思っているようですが、鈴屋の方々も、後援会の方々も、やっぱりそんなことはなくって、みんな音兎ちゃんに帰ってきて欲しいのだと。

「愛されているんですね、音兎ちゃんは」
「そら可愛い子やと思うとりますよ。せやからどうしてるんか心配してますが、案内人さんが預かってくれてると知って、ほっとしました」
「私に任せていただいて宜しいでしょうか?」
「勿論どす。身内のことで私らの問題やのに、ホンマ、助かります。恐縮どすけど、私らもできる限り解決に努めますさかい、どうかあの子を、宜しくお願いします」

 お母さんと鈴華さんが頭を下げて、少し遅れて、舞妓の鈴夜ちゃんも頭を下げました。

「姉さん」

 ここまでずっと黙っていた鈴夜ちゃんが、やっと言葉を発しました。

「せっかくどすから、薫はんに祇園東を案内してもよろしいでっしゃろか?」
「案内たって、かんきさんくらいしか……」

 ここで鈴華さんは言葉を止めて、鈴夜ちゃんの顔をじっと見ました。

「ええよ、行ってき。薫さん、ちょっとお時間あります? 鈴夜が一緒に歩きたいって」
「はい、大丈夫です」

 水ようかんはクリア。お茶がまだ熱い。急がなきゃ。

「そないに急ぎはらへんでも、大丈夫どすえ。ゆっくりしとおくれやす」

 鈴華さんが微笑みながら一礼して、ふすまを閉めると、階段を降りる足音がして、また座敷は静かになりました。

「ほんまに、何もない部屋で」

 鈴屋のお母さんが、ぼそりとつぶやきました。私は古びた和室の、こげ茶色の書き物机や畳に置かれた葛籠つづらの年季にほこりが被っていないのを見ると、その綺麗さが、むしろわびしさのように感じられました。
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