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一章
1ー4 一期一会の中国茶屋 白瑞香(はくずいこう)の巻
しおりを挟む桃花は会社までの道すがらやる気に満ちていた。
桃花源で頂いたお茶やお菓子のおかげか店員が自社商品のリピーターと知れたからか、初めて営業して報われた気分になったのだ。
そうして考えさせられたのだ。
誰だって未知の物は警戒する。
だったら営業とは別のやり方で宣伝する方法があるはずだ。
(エックスとかだったら、レモン汁胡椒おすすめって書いたらいいねつくかな?
でも、それはホームページに出してるからなあ)
アレンジを考えるのは楽しい。
「お疲れ様です。戻りました」
と事務デスクに今日の売り上げた分の伝票を渡しに行こうとして何故か皆上司のデスクに集まっていた。
何やらピリピリした雰囲気でどうしたものかと桃花はたじろいでいると事務員に
「あ、迎さん戻って来てよかった!今、部長がちょうど電話しようとしてたとこだったんですよ」
一大事ばかり事務員は桃花を部長の前に行かせるよう促すが桃花に話が見えない。
何やら空気が重いので嫌な予感がする。
怯えているとやっと部長が口を開いた。
「皆、集まったな。
すまないがこれから全員で取り引き先に謝罪して冷凍餃子を回収しにいく。
もしかしたら餃子どころか他の商品も返品される可能性がある。
今は何か取り引き先に聞かれたら現場は調査中と伝えてくれ」
『丸山中華本舗の冷凍餃子に異物が混ざっていた』
それはネットから発覚し、気づけば全国ニュースになり、人気の主力商品は日々回収に追われていた。
桃花は新人だから先輩や上司が回収時には付いてくれていたし取引先には怒られるどころか同情の声が寄せられた。
一部どうゆう事だと聞かれるも社員は調査中と伝えるしかない。
怒られるのは記者会見の時にカメラの前に立った役員だ。
桃花の憧れていた広報部も昼夜問わず対応に明け暮れていた。
(悔しい)
シュウマイもっと広めたかった。
「コホッ」とまた咳がぶり返す。
なんとか回収が終わる頃梅雨は明け世間は一気に夏になり、桃花は営業部署から消費者からの問い合わせ窓口に異動させられた。
皆がこれからどうなるんだろうと不安だった矢先
会議の後、事業拡小の為の人員整理の話が出て桃花は人員整理の為の対象になった。
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