【完結】雇われ勇者の薬草農園 ～チートスキルで薬草栽培始めます～

第8章 変わってしまう日常編

【雇用№187】フィナーレ2

「チルがここで満足に仕事してからだな。2週間ぐらい？」

「そうなの？転移使わずに帰るとなると結構な道のりになるわよ。数百年前は、ペガサス出来たけど、それでも船で1ヶ月、私達は、徒歩になるのかな？だとしたら、一年くらいかからかも？」

「いっ一年！！そんなにかからなら、すぐに出発しようリュウ兄ちゃん。」

「了解、ならこれからすぐに準備して出発だ。」

「「「おおー」」

 その数日後、結局、転移ゲートが開くかもしれないので、それを待って、丁度開いてくれたものなので、チルの空飛ぶ絨毯で転移ゲートへ乗り込み、なんとかウェルザさん達のいる大陸に戻って行ったのだった。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
それから、数百年後

「ここが飛ばされた未来の街なのね。さてさてこの超絶美少女ティタニア様の犠牲のおかけで守るわられた未来はどうなってるのかしらね。」

 辺りを見回すと、さっきまでデーモンイーターと戦っていたのが嘘の様に整然としている。

　リュウが住んでいた屋敷は跡形もなく、こ綺麗な洋風の家と、農園の入り口付近に石碑があった。

　石碑に興味をそそられて近くまで飛んで行ってみると。

『初代ドラゴンファーム代表　リュウ
　　　　　　　　　　　奥様　アイ
　親愛なる友に捧げる
　　　　　　　ティタニアズ　ローズガーデン』


  と石碑に文字が彫ってあり、その上に全員なのかメンバーが肖像画の様に彫られている。

「ふーん、リュウもやるじゃない。私の約束を守ってくれたわけね。ティタニア様のお名前を刻むとは、誉めてあげたいわ。さて、私の好きなお花は、あったあった、これよこれ。」

 花に口を寄せて、花の蜜をチュルチュルと吸っていく。

「あーん、美味しーい。もうお腹いーっばい。これだけあるなら毎日吸っても大丈夫ね。それにしても、愛って誰なのかしら？チルは、あの子は一体何やってたのよ。」

  空中で地団駄を踏んでみる。

「うーん、気になるすんごく気になる。チルとリュウや他のみんながどうなったかすごい気になるわ。」

  辺りを見回すけど、あたりには誰もいない。見渡す限りの花、花、花、花一面の花園である。

「まー、働いている人をごっそりと見て、想像するしかないわよね。もう一つの約束はどうなったのかしら？」

 精霊樹のあった方を見ると、巨大な精霊樹に育っていた。

「よかったー。人間に見つからずに元気に成長したのね。さぁ魔霊樹の方はどうなったのかしら？魔素がさっきから前と同じ様にあるのが気にはなってるんだけど。」

  感覚を研ぎ澄ませて、大陸全体の魔素を感知していく。

「ん？1、2.3.4……5」

　　間違いではないか何度も数える。何度数えても結果は変わらない。

「ちょっと、ちょっと、ちょっとどうなってるのよ。魔霊樹の数が1本も減らずに、前と同じじゃないの。」

  この私が身を張って犠牲になってあげたのに。私との約束を破りやがって……。

「リュウ、ちょっとこっち来て、私に説明しなさーい」

  あまりに腹が立って、誰もいないことをいいことに、リュウがいないのも分かっているのに、大声で叫んでしまった。

「はぁー、虚しいわね。誰も知っている人がいないし、変化を確かめて精霊界に帰ろうかな？」

「ティタニアママ、お帰りなさい」

   そう思っていると、小さな妖精が私をママと呼んでもうスピードで飛んでくる。

　ちょっとちょっとどういうことよ。私まだ結婚してないんだけど。子供？なんで？人違い？妖精違いってことはないわよね。だってティタニアママって呼んでるし？？？

　そう思っていると、後ろからゆっくりと歩いてくる人影が。

「ティタニアちゃん、お帰り」

「チル！！」

                          ～～END～～