176 / 188
第8章 変わってしまう日常編
【雇用№175】完成した賢者の素4
しおりを挟む
「とまーそんな感じになる訳だ。僕と愛ちゃんは段取りが済み次第女神フェリシアに会いに行く。」
「リュウ兄ちゃん。すごいね。流石勇者様って感じだね。で、なーんで、愛さんとリュウ兄ちゃんの二人だけなのかな?私とノエルちゃんは?」
チルが笑っているけど、視線がとっても冷たい。
「パパ、ノエルは、どこまでもパパについて行くってお話しました。どこでもは、神界でも、パパの元いた世界でも、です!」
ノエルも偉くご立腹の様で、言葉の端々にイライラが立ち込めている。
「二人ともごめんごめん。僕たち二人は、神界に行ったことがあるからね。」
「チルちゃん、ノエルちゃん。そうなんです。神界に行って二人にどんな悪影響があるか分かりませんから。」
「愛さん、悪影響って例えばどんな?」
「そうな、例えば、最悪なケースだと、存在そのものが消えてしまうとか?呼吸するのに必要な成分がなくて息が出来なくなるとかかな?」
「???」
チルとノエルが頭の上に沢山のクエッションを浮かばせている。
「僕も愛ちゃんの発言に同意だね。呼吸が出来なってのは、簡単に、言うと水中に顔を入れて呼吸する様な感じだね。存在の消去は突然死んでしまうことだね。」
僕が分かりやすいように簡単な捕捉をして行く。
「えっ、死んじゃうの?息ができなくなるってこと?熊さんみたく?」
「うん」
「それは嫌だなー。でも、リュウ兄ちゃんが大丈夫なら私もきっと大丈夫だよ。」
「ノエルは息しなくても生きていけるので大丈夫です。」
「……」
僕は、隣の愛ちゃんの方をじっとみる。
愛ちゃんは、ふるふると首を横に振る。
まーそうなんだよな。二人は連れていけない。話した理由もあるし、神界からこの場所に戻ってこれる保証もない。なんなら地球に帰ったら僕たちは戻ってこれないと思うし。チャンスが有れば地球に帰還する。
となると、もしかしたらチルとノエルとはここが今生の別れとなるやも知れぬ。
転移ゲートに入ると決めている時点で、ウェルザさん達とは、会えないつもりで来ているし、後のことも任せてある。チルは………、地球に帰ることまでは考えてなかったけど、もう会えないつもりで置いてきたんだよな。
もっともその甲斐もなく、追いついた?先を越されて一緒にいる訳なんだけど……、
ノエルは、魔族領に行く分には問題なかったけど、地球に帰る分にはおおありである。精霊や妖精が存在していない世界に置いて、ノエルが存在出来るかどうかは本当に不明だ。
連れて行けない訳ではないが、親心として、これには完全に連れて行くわけにはいかない。文字通り存在が消失してしまう可能性が高い。神界にはもしかしたらであるが、この調子だと地球にまで着いてくる。
「はぁー、どうしよう?」
ボソッとため息と共に心の想いが出てしまった。
「どうって、リュウ兄ちゃん、私とノエルちゃんも一緒に行くんだよ。」
「そうです。パパ、私たちはなんとしてもお二人に着いて行きます。」
「リュウ君は、この世界ではモテモテみたいだね。私もお鼻が高いわ。」
愛ちゃんが誇らしげにしているが、僕はここ数日で何度目かのピンチである。これはどうやって乗り越えればいんだろう?
「でも、浮気しちゃダメだからね。」
こそっと耳元で、一番キツイ一言が呟かれる。
僕は、ウンウンと素早く2回頷く。
それに満足した様で笑顔で顔をノエルやチルの方に向ける。
「ノエルにチル。二人の気持ちは凄く嬉しい。でもね、二人にはこの世界で待っていてもらいたい。本当に二人にとって何があるか分からないんだ。安全が確認出来たら、二人に来てもらうのもありだと思う。」
僕は、二人を説得する為にいかに二人が大事なのかを切切と話した。
「パパがそこまで言うのでしたら、ノエルは我慢してここに残ります。でも、必ず無事に戻ってきて下さいね。パパ」
ノエルが渋々といった感じで了承してくれた。
「リュウ兄ちゃんが、どれほど大切に想っているか分かったよ。でもね、私は付いて行くよ。だって、ティタニアちゃんに追いつけって言われたもん。」
うっ、チルが中々しぶとい。ノエルより危険性は低いが、ノエルだけ残して行くのも危ないし、チルにも是非とも残って貰わないと。
何か良い手はないものか………あっ、あの方法で行こう。でも、あの方法を使うとなると、使ったら即に神界横断旅行を決行しないと次も効く保証はないしな。
別の側理由は、あっ、あったあったあれがあった。あれなら、チルやノエルは確認できないから信じるしかないだろう。
「チル、ごめんね。どうしても連れて行けないんだ。神様の魔法だから、とてつもなく代償が大きいんだよ。僕と愛ちゃんの二人だけで精一杯なんだよ。だから、チルが付いて来てくれるって気持ちは凄く嬉しいんだけど出来ないんだよ。」
「うーーー、そっそれなら、私とリュウ兄ちゃんの二人で神界に行く。それなら大丈夫でしょ。」
「チル、それは出来ないんだよ。今回の当事者は、女神から異世界召喚されて、使命を与えられた僕と愛ちゃんなんだから。」
「リュウ兄ちゃん。すごいね。流石勇者様って感じだね。で、なーんで、愛さんとリュウ兄ちゃんの二人だけなのかな?私とノエルちゃんは?」
チルが笑っているけど、視線がとっても冷たい。
「パパ、ノエルは、どこまでもパパについて行くってお話しました。どこでもは、神界でも、パパの元いた世界でも、です!」
ノエルも偉くご立腹の様で、言葉の端々にイライラが立ち込めている。
「二人ともごめんごめん。僕たち二人は、神界に行ったことがあるからね。」
「チルちゃん、ノエルちゃん。そうなんです。神界に行って二人にどんな悪影響があるか分かりませんから。」
「愛さん、悪影響って例えばどんな?」
「そうな、例えば、最悪なケースだと、存在そのものが消えてしまうとか?呼吸するのに必要な成分がなくて息が出来なくなるとかかな?」
「???」
チルとノエルが頭の上に沢山のクエッションを浮かばせている。
「僕も愛ちゃんの発言に同意だね。呼吸が出来なってのは、簡単に、言うと水中に顔を入れて呼吸する様な感じだね。存在の消去は突然死んでしまうことだね。」
僕が分かりやすいように簡単な捕捉をして行く。
「えっ、死んじゃうの?息ができなくなるってこと?熊さんみたく?」
「うん」
「それは嫌だなー。でも、リュウ兄ちゃんが大丈夫なら私もきっと大丈夫だよ。」
「ノエルは息しなくても生きていけるので大丈夫です。」
「……」
僕は、隣の愛ちゃんの方をじっとみる。
愛ちゃんは、ふるふると首を横に振る。
まーそうなんだよな。二人は連れていけない。話した理由もあるし、神界からこの場所に戻ってこれる保証もない。なんなら地球に帰ったら僕たちは戻ってこれないと思うし。チャンスが有れば地球に帰還する。
となると、もしかしたらチルとノエルとはここが今生の別れとなるやも知れぬ。
転移ゲートに入ると決めている時点で、ウェルザさん達とは、会えないつもりで来ているし、後のことも任せてある。チルは………、地球に帰ることまでは考えてなかったけど、もう会えないつもりで置いてきたんだよな。
もっともその甲斐もなく、追いついた?先を越されて一緒にいる訳なんだけど……、
ノエルは、魔族領に行く分には問題なかったけど、地球に帰る分にはおおありである。精霊や妖精が存在していない世界に置いて、ノエルが存在出来るかどうかは本当に不明だ。
連れて行けない訳ではないが、親心として、これには完全に連れて行くわけにはいかない。文字通り存在が消失してしまう可能性が高い。神界にはもしかしたらであるが、この調子だと地球にまで着いてくる。
「はぁー、どうしよう?」
ボソッとため息と共に心の想いが出てしまった。
「どうって、リュウ兄ちゃん、私とノエルちゃんも一緒に行くんだよ。」
「そうです。パパ、私たちはなんとしてもお二人に着いて行きます。」
「リュウ君は、この世界ではモテモテみたいだね。私もお鼻が高いわ。」
愛ちゃんが誇らしげにしているが、僕はここ数日で何度目かのピンチである。これはどうやって乗り越えればいんだろう?
「でも、浮気しちゃダメだからね。」
こそっと耳元で、一番キツイ一言が呟かれる。
僕は、ウンウンと素早く2回頷く。
それに満足した様で笑顔で顔をノエルやチルの方に向ける。
「ノエルにチル。二人の気持ちは凄く嬉しい。でもね、二人にはこの世界で待っていてもらいたい。本当に二人にとって何があるか分からないんだ。安全が確認出来たら、二人に来てもらうのもありだと思う。」
僕は、二人を説得する為にいかに二人が大事なのかを切切と話した。
「パパがそこまで言うのでしたら、ノエルは我慢してここに残ります。でも、必ず無事に戻ってきて下さいね。パパ」
ノエルが渋々といった感じで了承してくれた。
「リュウ兄ちゃんが、どれほど大切に想っているか分かったよ。でもね、私は付いて行くよ。だって、ティタニアちゃんに追いつけって言われたもん。」
うっ、チルが中々しぶとい。ノエルより危険性は低いが、ノエルだけ残して行くのも危ないし、チルにも是非とも残って貰わないと。
何か良い手はないものか………あっ、あの方法で行こう。でも、あの方法を使うとなると、使ったら即に神界横断旅行を決行しないと次も効く保証はないしな。
別の側理由は、あっ、あったあったあれがあった。あれなら、チルやノエルは確認できないから信じるしかないだろう。
「チル、ごめんね。どうしても連れて行けないんだ。神様の魔法だから、とてつもなく代償が大きいんだよ。僕と愛ちゃんの二人だけで精一杯なんだよ。だから、チルが付いて来てくれるって気持ちは凄く嬉しいんだけど出来ないんだよ。」
「うーーー、そっそれなら、私とリュウ兄ちゃんの二人で神界に行く。それなら大丈夫でしょ。」
「チル、それは出来ないんだよ。今回の当事者は、女神から異世界召喚されて、使命を与えられた僕と愛ちゃんなんだから。」
0
お気に入りに追加
208
あなたにおすすめの小説
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
(完結)足手まといだと言われパーティーをクビになった補助魔法師だけど、足手まといになった覚えは無い!
ちゃむふー
ファンタジー
今までこのパーティーで上手くやってきたと思っていた。
なのに突然のパーティークビ宣言!!
確かに俺は直接の攻撃タイプでは無い。
補助魔法師だ。
俺のお陰で皆の攻撃力防御力回復力は約3倍にはなっていた筈だ。
足手まといだから今日でパーティーはクビ??
そんな理由認められない!!!
俺がいなくなったら攻撃力も防御力も回復力も3分の1になるからな??
分かってるのか?
俺を追い出した事、絶対後悔するからな!!!
ファンタジー初心者です。
温かい目で見てください(*'▽'*)
一万文字以下の短編の予定です!
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
幼馴染み達が寝取られたが,別にどうでもいい。
みっちゃん
ファンタジー
私達は勇者様と結婚するわ!
そう言われたのが1年後に再会した幼馴染みと義姉と義妹だった。
「.....そうか,じゃあ婚約破棄は俺から両親達にいってくるよ。」
そう言って俺は彼女達と別れた。
しかし彼女達は知らない自分達が魅了にかかっていることを、主人公がそれに気づいていることも,そして,最初っから主人公は自分達をあまり好いていないことも。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる