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第8章 変わってしまう日常編
【雇用№160】精霊樹の斧と魔霊樹討伐9
しおりを挟む食事が終わり、各自予定している自分の役割の場所に移動した。この数日で出来る限りの準備はした。
今日は、曇り空で、今にも雨が降りそうな天気となっている。ウォータープロミネンスは状況により使えなくなったので、保険魔法を適用する。
この魔法は待機中に適度な水分が有ればあるほど良い。現状の湿度ならおそらく問題はないだろう。不足していたら、ウォーターイリュージョンで湿度を補填する予定であったがする必要もなし。
新魔法の堂々お披露目いっちゃいますか。ドカンと一発お空に綺麗な花火を上げてあげようじゃないか。
風がないのが幸いである。そういえば、風が吹く中で魔法の絨毯を飛ばした記憶がないな。あらゆる状況を想定しておく必要があったのに。意外と抜けが多かったな。
まー、何事もなく進めそうでよかったよ。雨が降るのは、想定してたし、傘は準備してたけど、木製と紙の傘だから今一使い勝手が悪いし、長時間持たないわ。戦闘中は視界が悪くなるので使えないわ。
雨が降ってきて、戦闘開始になったら、傘を片付けての戦闘になる為、ずぶ濡れになること間違いなしである。願わくば、このまま曇り空のまま戦闘が終わってくれれば、雨に打たれる心配もなくなるのだが。
戦闘用のスーツを着ているが撥水性があまりよくなく、水に打たれれば染み込むのだよ。ビニールのカッパがあれば良いんだけど。あと、ビニール傘は最高だね。全面に傘を挿しても前方が見えるから、雨の日に戦闘する上では限りなく心強い。
「では、僕たちは、空で待機してますので、皆さん所定の位置で待機して下さい!」
「はい、では、作戦開始」
「おーっ、」
僕とチルは、セバリンさんが用意してくれたリヤカーに乗り込んだ。外側の色は、綺麗な空色。
うん、これが天気の良い日であれば絶好の保護色だった。今回は、運が悪く曇り空。空色のものが空を飛んでいれば奇妙でしかない。
「時間もないし、このまま行こうか。天候までは想定してなかった。」
「時間もないし、行っちゃおうよ。そら見て不思議な物体が飛んでるかもだけど、私達だとバレないから大丈夫だよ。」
チルはドラゴンスーツを着ていて、顔も見えない状態だし、僕も前の魔族襲撃時に着てたものとは別の赤色のドラゴンスーツを着ているので、誰かは分からない。
「そうだな。時間も時間だし。さっさと行こうか。ノエル周囲の確認を頼む。」
「はい、パパ。周囲に人影はありません。出発準備OKです。」
「よしでは、出陣」
【空飛ぶリヤカー】
空色にペイントされたリヤカーがどんどん空に登っていく。
「高さ的にはこんなものかな?」
高さ20mほどの所に来るが、下から上に見上げれば不思議な物体があるのが丸わかりである。
僕らは、城の上空、ゲートが発生する位置に魔法が打てる場所に移動した。街の外周をグルーっと回って、なるべく人から見えない様に移動してね。
ドラゴンファームの方向から魔法を打つと、誰が打ったか特定がされやすいので、そうはならない様に城を挟んで反対側の位置に陣取った。
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