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第8章 変わってしまう日常編
【雇用№146】魔法陣の効果7
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あら、珍しい。冷静で感情があまり出てない様にみえたノエルがプリプリほっぺた膨らませて抗議してる。
精霊族と魔族の確執って結構深いものなのか。ノエルなんて、産まれて間もない妖精なのにここまでの憤りを見せるとは………。生来からの因縁の相手なのかな。天使と悪魔みたいな、陰と陽の関係だな。
相反する属性故に交わることがない、水と油の関係だ。でも、水と油って、お酢を入れたら、混ざりあってマヨネーズが作れるから、意外にいい橋役がいればそれもなんとかなるもんかな。
小説やドラマだと因縁の貴族とか商売敵とかもいるけど、決まって、両者の娘、婿が結婚することで因縁の解消の一役を担っていることが多いし。魔族と精霊族の関係も婚姻関係を結び、親戚関係となることで緩和されたりするのかもしれないな。
こういう場合トップの層で、結婚をすることで下位への参道を求めるケースが多い。上が賛同しているから、うちらも二人を祝福しようじゃないかと。
となると精霊族のトップと、魔族側のトップ陣での婚姻関係となるがいやはや、そこまで飛んでしまうとどうやって進めて良いものか、分からんしね。少なくともある程度の賛同者が常に上位にいないとこの結婚は成立しないだろうし………。
難しい問題だな。僕が何が出来るわけでもないから、置いておこう。取り急ぎノエルに落ち着いてもらわないと。
「ノエル、ノエル、いずれは僕も魔族はどうにかしたいから、魔霊樹も伐採したいとは思っているよ。だけど、魔族の襲撃があって、戦争している今、魔霊樹を一気に伐採してしまうと、僕たちとしてもおそらく、魔法が使用出来なくなるのかな。」
「パパ、それはやってみないとわかりませんが、おそらくそうだと思います。」
「そうなると僕たちの戦力が、大きく減ってしまう。魔族が転移ゲートからやってくるのは今の所間違いないけど、他の方法でこの地に来られると対処出来なくなってしまうよ。」
「パパならそれでも大丈夫だと思います。パパは強いです。」
娘に純粋に褒められた。なんかこそばゆいな。
「いや、それほどでもないよ。」
ちょっと誇らしく胸を張る。
「でもね。ノエルここに住んでるのはパパだけじゃないからね。ウェルザさんやチルもいるし、街にも沢山の人がいるから。その人達も僕一人で守れる訳じゃないからさ。魔法があったら、みんな戦えるし、自衛出来るじゃないか。」
「パパ、それまで魔族の転移ゲートの襲撃が無くなればそこまで考えなきゃ行けないほどでもないと思いますよ。」
そうなのか?本当にそうなのか?確かに月に1度の突発の魔族襲撃イベントがなくなればだぞ。街への被害は格段に減ると思う。ただ、ほかの経路からの魔族が来た際に防衛手段を失うことになるよな。その時は、達成じゃなくてある程度予測が効く?国か役所で対応すれば、前線で戦える人が行えば、被害は最小限に防げるのか?
いやいや、生活のことも考えないと、いきなり魔法が使えなくなったら、今の生活が回らないし、うちの農園もピンチまっしぐらだよ。それはね………経営者として判断したくないかな。で、勇者としての僕の力も思いっきり減衰するからね。
マジックプログラミングも魔素感知も、魔素があってこそ真価を発揮する。つまり、魔素がなくなって弱体化した僕は本当に勇者でもなんでもなくなるのだ。精霊術は、魔法とは理が違うのか、記録のコピーが出来なかったし、魔素がなくなると、精霊樹の長刀で、魔素を気に還元して、精霊術を使用しているため、それも出来なくなるってことだろう。
精霊術の回復が出来なくなるのもかなり辛い。魔族の減退もあるが、僕たち自身の減衰が物凄いし、経済に与える影響もでかいだろう。
だから、いきなり全部伐採はダメだろうな。やるなら少しずつ伐採して、それに少しずつ変化を受け入れて、対応策を施して、市場経済が対応してくれたら、また、伐採していくみたいに。
急激な変化は、いいことであってもダメだ。
「ノエルやっぱり色々影響が大きそうだから、全部いきなり魔霊樹伐採はダメだな。少しずつ、少しざつ伐採していずれは魔霊樹を全て伐採していくことにしないか。」
「ええ、それでも大丈夫です。パパ。魔霊樹はボコボコにしてあげるんです。」
ノエルがファイティングポーズを取って、空中でジャブを繰り返している。いやはや、この世界にボクシングなんてないだろうにこの子は一体どこでそんなことを覚えてきているんだか。
あー行く末が親として少し心配である。魔族のことは忘れて健やかに元気に育って欲しいと思う。我が子が可愛いとはこのことだろうか。危険なことはさせたくないし、できるなら、魔霊樹伐採の旅も危険だから連れて行きたくはない。だがしかし、置いて行っても魔族襲撃が来るかもしれないし、狙われるのは、何故か妖精である。ティタニアだけという線も十分考えられる。知らない所で魔族相手にメンチ切ってた可能性もあるからね。
精霊族と魔族の確執って結構深いものなのか。ノエルなんて、産まれて間もない妖精なのにここまでの憤りを見せるとは………。生来からの因縁の相手なのかな。天使と悪魔みたいな、陰と陽の関係だな。
相反する属性故に交わることがない、水と油の関係だ。でも、水と油って、お酢を入れたら、混ざりあってマヨネーズが作れるから、意外にいい橋役がいればそれもなんとかなるもんかな。
小説やドラマだと因縁の貴族とか商売敵とかもいるけど、決まって、両者の娘、婿が結婚することで因縁の解消の一役を担っていることが多いし。魔族と精霊族の関係も婚姻関係を結び、親戚関係となることで緩和されたりするのかもしれないな。
こういう場合トップの層で、結婚をすることで下位への参道を求めるケースが多い。上が賛同しているから、うちらも二人を祝福しようじゃないかと。
となると精霊族のトップと、魔族側のトップ陣での婚姻関係となるがいやはや、そこまで飛んでしまうとどうやって進めて良いものか、分からんしね。少なくともある程度の賛同者が常に上位にいないとこの結婚は成立しないだろうし………。
難しい問題だな。僕が何が出来るわけでもないから、置いておこう。取り急ぎノエルに落ち着いてもらわないと。
「ノエル、ノエル、いずれは僕も魔族はどうにかしたいから、魔霊樹も伐採したいとは思っているよ。だけど、魔族の襲撃があって、戦争している今、魔霊樹を一気に伐採してしまうと、僕たちとしてもおそらく、魔法が使用出来なくなるのかな。」
「パパ、それはやってみないとわかりませんが、おそらくそうだと思います。」
「そうなると僕たちの戦力が、大きく減ってしまう。魔族が転移ゲートからやってくるのは今の所間違いないけど、他の方法でこの地に来られると対処出来なくなってしまうよ。」
「パパならそれでも大丈夫だと思います。パパは強いです。」
娘に純粋に褒められた。なんかこそばゆいな。
「いや、それほどでもないよ。」
ちょっと誇らしく胸を張る。
「でもね。ノエルここに住んでるのはパパだけじゃないからね。ウェルザさんやチルもいるし、街にも沢山の人がいるから。その人達も僕一人で守れる訳じゃないからさ。魔法があったら、みんな戦えるし、自衛出来るじゃないか。」
「パパ、それまで魔族の転移ゲートの襲撃が無くなればそこまで考えなきゃ行けないほどでもないと思いますよ。」
そうなのか?本当にそうなのか?確かに月に1度の突発の魔族襲撃イベントがなくなればだぞ。街への被害は格段に減ると思う。ただ、ほかの経路からの魔族が来た際に防衛手段を失うことになるよな。その時は、達成じゃなくてある程度予測が効く?国か役所で対応すれば、前線で戦える人が行えば、被害は最小限に防げるのか?
いやいや、生活のことも考えないと、いきなり魔法が使えなくなったら、今の生活が回らないし、うちの農園もピンチまっしぐらだよ。それはね………経営者として判断したくないかな。で、勇者としての僕の力も思いっきり減衰するからね。
マジックプログラミングも魔素感知も、魔素があってこそ真価を発揮する。つまり、魔素がなくなって弱体化した僕は本当に勇者でもなんでもなくなるのだ。精霊術は、魔法とは理が違うのか、記録のコピーが出来なかったし、魔素がなくなると、精霊樹の長刀で、魔素を気に還元して、精霊術を使用しているため、それも出来なくなるってことだろう。
精霊術の回復が出来なくなるのもかなり辛い。魔族の減退もあるが、僕たち自身の減衰が物凄いし、経済に与える影響もでかいだろう。
だから、いきなり全部伐採はダメだろうな。やるなら少しずつ伐採して、それに少しずつ変化を受け入れて、対応策を施して、市場経済が対応してくれたら、また、伐採していくみたいに。
急激な変化は、いいことであってもダメだ。
「ノエルやっぱり色々影響が大きそうだから、全部いきなり魔霊樹伐採はダメだな。少しずつ、少しざつ伐採していずれは魔霊樹を全て伐採していくことにしないか。」
「ええ、それでも大丈夫です。パパ。魔霊樹はボコボコにしてあげるんです。」
ノエルがファイティングポーズを取って、空中でジャブを繰り返している。いやはや、この世界にボクシングなんてないだろうにこの子は一体どこでそんなことを覚えてきているんだか。
あー行く末が親として少し心配である。魔族のことは忘れて健やかに元気に育って欲しいと思う。我が子が可愛いとはこのことだろうか。危険なことはさせたくないし、できるなら、魔霊樹伐採の旅も危険だから連れて行きたくはない。だがしかし、置いて行っても魔族襲撃が来るかもしれないし、狙われるのは、何故か妖精である。ティタニアだけという線も十分考えられる。知らない所で魔族相手にメンチ切ってた可能性もあるからね。
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