上 下
136 / 188
第8章 変わってしまう日常編

【雇用№135】魔族襲撃 後始末編8

しおりを挟む
「うちはうちの出来ることを精一杯やりましょう。うちのファームが出来ることは?」

「「「薬草栽培とポーションの作成」」」

「そういうことですね。街の復興はとても大事なことですが、うちの最優先事項はポーション作りですね。その為には、」

「薬草農園の現状復帰と薬草を増産が必要不可欠ですね。」

「ウェルザさん。その通りです。短期間での復旧が急務たらなりますね。あと、ポーション配布した分の損失が、かなりあるので、お給金のお支払いと、瓶の購入代金が不足してると、いうことですかね?」

「ええ、リュウさんその認識で間違いありません。とはいえ、あの状況では致し方のないことですので気にしないことにしましょう。エルザさんからは、あとで全額は難しいけど、ある程度は補填するから、配布した数量を報告してほしいと言われてます。ですので、資金の方もしばらくすれば大丈夫かと思いますわ。」

「ほっ、それはよかったです。今回は、魔石が思ったより拾えませんでした。庭に転がっているデーモン数体分だけですね。デーモンイーターは粉々になっているので何も取得出来ませんてした。」

「そちらは装備なら購入の足しに少しでも足しになればという、所ですね。とはいえ被害が沢山出てますから武器屋さんはしばらくは武具をおけないかと。」

「あーそういえば、前回も開店休業状態になってた事があった様な。頼んでいる矢と斧を取ってこないとだな。そういえば、チル鎖帷子はどうなったんだ?」

「あれは……。胸の所が弾け飛んでるよ。なので、着るとその部分が身体に当たって痛いかな。」

「なるほどね。また製作お願いしとかないとな。とはいえ、今回のデーモンイーターには全く意味が無かったんだけど……。」
 
「スーツの方はデーモン相手にも、効果ありましたぞ。多少のダメージは残るものの。大幅ならカットは出来ております。」

「とはいえ、あのスーツを日常で着ている訳にもいかないし…襲撃がいつ来るかも分からないし。むむむむむ……。」

「あのーリュウ様。でしたら普段着様に薄手のシャツかカーディガン状の上着を作成しましょうか?それでしたら、多少身体の胴体の部分なら守る事が出来ます。」

「ありがとうございます。奥さん。」

「リュウ様、私のことはメイディンとお呼び下さい。」

「分かりましたメイディンさん。お願いします。」

「あと、リュウさん。妻も農園の方をお手伝いした方が良いのではないでしょうか?」

「手伝って欲しいのは山々なんですが、あいにく支払いが出来るほどの予算がない……。」

 ちらっとウェルザさんの方を見る。首を横に振っている?なぜ?今資金はないという話をしなかっただろうか?

「ええと、ウェルザさん人を雇う余裕があるんですか?」

「ええ、薬草農園だけでは、雇えないのですが……。上級貴族相手の香水などが生産出来る要員が欲しいと思っておりました。ハーブティーにしても、乾燥させて茶葉として売り出したいと思いますので是非とも欲しいです。といいますか、セバリンの奥さんでしたら、秘密の共有も問題ないので、お願いします。」

「そうでしたか。でも、いえ、ドラゴンファームの経営はウェルザさんにお願いしてますから。メイディンさんうちで働いて頂けますか?」

「こちらこそ是非とも夫共々働かせて下さい。」

 僕とメイディンさんは固く握手をする。
 色々と大変なことや辛いことはあったけど、新しい仲間が出来たのは凄くありがたい。

「では、メイディンさんも踏まえて明日からは、薬草農園のの現状復帰としましょう。荒れた土を元に戻して、まずは農園全体に薬草を生やす所から行って行きましょう。ポーション作成は、先月と同じ様に薬草が栽培出来る様になってからですね。」

「あのリュウさん。それなんですけど、メイディンさんも増えましたので、もう少し薬草農園の敷地を増やして栽培出来るエリアを増やしますね。薬草採取出来る冒険者が今回の襲撃で少なくなってますし、ガンツさんも片腕をなくされたので、こちらでいくらかポーション作成を肩代わりしてあげる必要がありますので。」

「ええ、その通りですね。では、ウェルザさんその様にお願いします。」

「リュウ兄ちゃん、私はどうしたらいいかな?トレーニングしておくの?」

「うむむむむ……。トレーニングは毎日続けた方がいいんだけど。早めに現状復帰しないと薬草の生育期間の問題があるから……。チルは、1週間はウェルザさんの下でお仕事手伝って。」


「ラジャー」

 額に手を当てて、敬礼するチル。面白がって、ノエルも肩の上で敬礼している。

「では、復興関連は諸々ウェルザさん主体でお願いします。」

「はい、ウェルザ承ります。リュウさんは、どうされるんですか?」

「僕はちょっと今後どうしていくか、プランを考えます。魔霊樹を伐採しに行くのか、このまま街で魔族の襲撃に備えて、今後その根本的な問題をどう解決していくか……。」

「ほっほっほっ。リュウさんでしか出来ないことですな。我々にお手伝い出来ることが有れば遠慮なくお申し付け下さい」

 その言葉、ウェルザさん、チル、メイディンさんの3人が頷く。

「その時は頼りにさせて頂きますね。では、今日はかなり遅いのでここでお開くとしましょう。」

 モニカちゃんが寝室で寝ているので、ウェルザさんはお泊まりしていくことになった。

 僕とノエルは、誰もいなくなった寝室に戻った。

「パパお疲れ様でした。」

「ノエルもお疲れ様。産まれたばかりなのに慌ただしい日になってごめんね。」

「パパ気にしないで下さい。パパ、それよりも魔霊樹の伐採は、なるべく早く進めた方が良いと思います。」

「えっ、なんで?」

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

番だからと攫っておいて、番だと認めないと言われても。

七辻ゆゆ
ファンタジー
特に同情できないので、ルナは手段を選ばず帰国をめざすことにした。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?

つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。 平民の我が家でいいのですか? 疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。 義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。 学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。 必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。 勉強嫌いの義妹。 この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。 両親に駄々をこねているようです。 私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。 しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。 なろう、カクヨム、にも公開中。

性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜

mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!? ※スカトロ表現多数あり ※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります

屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。

彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。 父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。 わー、凄いテンプレ展開ですね! ふふふ、私はこの時を待っていた! いざ行かん、正義の旅へ! え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。 でも……美味しいは正義、ですよね? 2021/02/19 第一部完結 2021/02/21 第二部連載開始 2021/05/05 第二部完結

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

(完結)足手まといだと言われパーティーをクビになった補助魔法師だけど、足手まといになった覚えは無い!

ちゃむふー
ファンタジー
今までこのパーティーで上手くやってきたと思っていた。 なのに突然のパーティークビ宣言!! 確かに俺は直接の攻撃タイプでは無い。 補助魔法師だ。 俺のお陰で皆の攻撃力防御力回復力は約3倍にはなっていた筈だ。 足手まといだから今日でパーティーはクビ?? そんな理由認められない!!! 俺がいなくなったら攻撃力も防御力も回復力も3分の1になるからな?? 分かってるのか? 俺を追い出した事、絶対後悔するからな!!! ファンタジー初心者です。 温かい目で見てください(*'▽'*) 一万文字以下の短編の予定です!

処理中です...