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第8章 変わってしまう日常編
【雇用№134】魔族襲撃 後始末編7
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家に着くと、ウェルザさんが夕食を準備して待っていてくれた。セバリンさんとその奥さんも一緒に夕飯の準備をしてくれていた様だ。
「リュウさん、チルさんお帰りなさい。ガンツさんは大丈夫でしたか?」
「ええ、危ない所でしたがなんとか一命を取り留めました。」
「大変だったんですよ。片腕は無くなってるし、ガンツさんの周りは血溜まりになってるし、戻った時は血の気が冷める感じでしたよ。」
「でも、チルが早めに呼びに来てくれたのと、包帯を手に入れる事が出来たので、なんとかギリギリ間に合った形です。おかげで僕が倉庫から持ち出したポーション類は全滅ですわ。」
「さっさっリュウさん。お話しはひとまず横に置いておいて、折角の温かい料理を美味しく頂こうではありませんか」
「セバリンさん。その通りですね。では、頂きます」
「「「頂きます」」」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「ふーっ、食べた食べた。ご馳走様でした。今日のはいつもと変わった味付けと料理でしたね。」
「ほっほっほっ。その料理は私と家内で作ったものですな。お口には合いましたかな?」
「ええ、とても美味しかったですよ。家庭の味ですね。家によって味付けが違っていい感じです。」
「うん、美味しかったよー」
「さて、みんなごめんね。仕事は終わってるんだけど、もう少し今後のことについてお話しさせて下さいね。」
「「「ええ、勿論ですとも。」」」
「うーん、モニカ眠い。」
「モニカちゃん。ごめんね。もう少しお母さん借りるね。僕の部屋でよかったらベッド使って寝てていいよ。」
「うん、リュウお兄ちゃんそうする。おやすみなさい。」
モニカちゃんは、コトコトとふらつきながら、僕の部屋に向かっていった。はーほんっとごめんね。今日は色々と大変だったからモニカちゃんも、色々と、お手伝いしてくれたし、小さい身体だから余計に疲れただろう。もう少しだけ、我慢してね。
「それで、今後の話しになるんですけど、その前に状況確認からですね。先程もお話しした通り、ティタニアがいないなり、代わりにこのノエルが新しく僕たちの仲間となりました。本来、魔族襲撃は、精霊樹を植えたことで一ヶ月のタイムサイクルよりもまあ少し後になる予定でした。本来なら慣習ではなく来週が襲撃予定だったんです。」
「うんうん、ホントそうだよ。それで色々準備の予定が狂ったし、武器なしで街の外に行ってたんだから。」
「その原因に関しては、ティタニアに聞いてみましたが、原因不明ということです。次回の魔族襲撃は、今の間隔を考慮すると3~5週間後ということになります。その間に僕としては、魔霊樹の討伐をなんとか1本行いたいと思ってます」
「それで現状の確認ということですな。うちのポーション在庫はゼロ。街も瓦礫だらけで、まともに家に住めない人も多い。ガンツさんが片腕を無くしたということで、街の戦力の低下が起きてます。死者も前回とは比べものにならないくらいに多く、重傷者も多いです。」
「リュウさん。役所のエルザさんとお話ししてたのですが、役所もあれだけあったポーションの在庫は、今回の騒動で全て吐き出したのでゼロだそうです。ガンツさんの所にもお願いする様ですが、先月以上の量を用意して欲しいとお願いされました。うちもファームが被害に遭って、薬草自体が半数はダメになってますから、また、増やす所から始める必要があるため、今回は承諾しておりません。先月分と同様の納品自体が出来るかどうかが既に怪しいのです。」
「なるほどうちだけではなかったんですね。ガンツさんの雑賀屋さんの在庫も無くなったというお話ですので、街としてポーションが全くないという状況です。
「「「「・・・・・・」」」」
分かっていたことではあるが状況は思ったよりも深刻だ。戦力の低下、回復薬の備蓄不足、街の復興、農園の復興、魔霊樹の伐採、やる事がてんこ盛りだ。そもそも僕たちは街の一般ビーポーなのでこんなことは、お役所の仕事で僕らの考えることではない。
「あーのー、リュウ兄ちゃん。もう一つ報告したいことがあるんだけど。」
「なんだいチル?言って見て」
「警備隊の人と話したんだけど、グラマン隊長が今回の襲撃で戦死。部隊の人も半数が亡くなって、残った人も重傷者多数でまともに動ける人が2~3人なんだって。」
「「「「・・・・・・」」」」
「ええと、チルさんやそれはマジモンの情報かね?」
「リュウ兄ちゃんマジよマジ。もう警備隊の人の治療手伝った時に聞いたからマジモンの話よ。もうみんな疲れ果てて泣きそうな顔してたわ。」
いやー、現状把握だけで頭が痛くなってくる。まさかガンツさんに引き続き、警備隊の隊長まで戦線離脱とは……。あの人には色々とお世話してもらったし、後で手を合わせに行っとかないと。それにしても警備隊がほぼ全滅という報告は痛い所の話じゃないな。後は、防衛にあたっている冒険者の戦力がどれだけ残っているかか。。。
どちらにしても今回の魔族襲撃で昨日とざっくりひかくしても半減したと考えていいだろう。同じ規模の襲撃が次回来たらとてもじゃないが防ぎ切れないぞ。
「うーーん。参った参ったよ。戦力半減は大いに参った。」
「リュウさん。ひとまず戦力に関しては横に置いておきましょう。我我の手におえるものではありません。私達に出来ることで全力を尽くしましょう。」
「リュウさん、チルさんお帰りなさい。ガンツさんは大丈夫でしたか?」
「ええ、危ない所でしたがなんとか一命を取り留めました。」
「大変だったんですよ。片腕は無くなってるし、ガンツさんの周りは血溜まりになってるし、戻った時は血の気が冷める感じでしたよ。」
「でも、チルが早めに呼びに来てくれたのと、包帯を手に入れる事が出来たので、なんとかギリギリ間に合った形です。おかげで僕が倉庫から持ち出したポーション類は全滅ですわ。」
「さっさっリュウさん。お話しはひとまず横に置いておいて、折角の温かい料理を美味しく頂こうではありませんか」
「セバリンさん。その通りですね。では、頂きます」
「「「頂きます」」」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「ふーっ、食べた食べた。ご馳走様でした。今日のはいつもと変わった味付けと料理でしたね。」
「ほっほっほっ。その料理は私と家内で作ったものですな。お口には合いましたかな?」
「ええ、とても美味しかったですよ。家庭の味ですね。家によって味付けが違っていい感じです。」
「うん、美味しかったよー」
「さて、みんなごめんね。仕事は終わってるんだけど、もう少し今後のことについてお話しさせて下さいね。」
「「「ええ、勿論ですとも。」」」
「うーん、モニカ眠い。」
「モニカちゃん。ごめんね。もう少しお母さん借りるね。僕の部屋でよかったらベッド使って寝てていいよ。」
「うん、リュウお兄ちゃんそうする。おやすみなさい。」
モニカちゃんは、コトコトとふらつきながら、僕の部屋に向かっていった。はーほんっとごめんね。今日は色々と大変だったからモニカちゃんも、色々と、お手伝いしてくれたし、小さい身体だから余計に疲れただろう。もう少しだけ、我慢してね。
「それで、今後の話しになるんですけど、その前に状況確認からですね。先程もお話しした通り、ティタニアがいないなり、代わりにこのノエルが新しく僕たちの仲間となりました。本来、魔族襲撃は、精霊樹を植えたことで一ヶ月のタイムサイクルよりもまあ少し後になる予定でした。本来なら慣習ではなく来週が襲撃予定だったんです。」
「うんうん、ホントそうだよ。それで色々準備の予定が狂ったし、武器なしで街の外に行ってたんだから。」
「その原因に関しては、ティタニアに聞いてみましたが、原因不明ということです。次回の魔族襲撃は、今の間隔を考慮すると3~5週間後ということになります。その間に僕としては、魔霊樹の討伐をなんとか1本行いたいと思ってます」
「それで現状の確認ということですな。うちのポーション在庫はゼロ。街も瓦礫だらけで、まともに家に住めない人も多い。ガンツさんが片腕を無くしたということで、街の戦力の低下が起きてます。死者も前回とは比べものにならないくらいに多く、重傷者も多いです。」
「リュウさん。役所のエルザさんとお話ししてたのですが、役所もあれだけあったポーションの在庫は、今回の騒動で全て吐き出したのでゼロだそうです。ガンツさんの所にもお願いする様ですが、先月以上の量を用意して欲しいとお願いされました。うちもファームが被害に遭って、薬草自体が半数はダメになってますから、また、増やす所から始める必要があるため、今回は承諾しておりません。先月分と同様の納品自体が出来るかどうかが既に怪しいのです。」
「なるほどうちだけではなかったんですね。ガンツさんの雑賀屋さんの在庫も無くなったというお話ですので、街としてポーションが全くないという状況です。
「「「「・・・・・・」」」」
分かっていたことではあるが状況は思ったよりも深刻だ。戦力の低下、回復薬の備蓄不足、街の復興、農園の復興、魔霊樹の伐採、やる事がてんこ盛りだ。そもそも僕たちは街の一般ビーポーなのでこんなことは、お役所の仕事で僕らの考えることではない。
「あーのー、リュウ兄ちゃん。もう一つ報告したいことがあるんだけど。」
「なんだいチル?言って見て」
「警備隊の人と話したんだけど、グラマン隊長が今回の襲撃で戦死。部隊の人も半数が亡くなって、残った人も重傷者多数でまともに動ける人が2~3人なんだって。」
「「「「・・・・・・」」」」
「ええと、チルさんやそれはマジモンの情報かね?」
「リュウ兄ちゃんマジよマジ。もう警備隊の人の治療手伝った時に聞いたからマジモンの話よ。もうみんな疲れ果てて泣きそうな顔してたわ。」
いやー、現状把握だけで頭が痛くなってくる。まさかガンツさんに引き続き、警備隊の隊長まで戦線離脱とは……。あの人には色々とお世話してもらったし、後で手を合わせに行っとかないと。それにしても警備隊がほぼ全滅という報告は痛い所の話じゃないな。後は、防衛にあたっている冒険者の戦力がどれだけ残っているかか。。。
どちらにしても今回の魔族襲撃で昨日とざっくりひかくしても半減したと考えていいだろう。同じ規模の襲撃が次回来たらとてもじゃないが防ぎ切れないぞ。
「うーーん。参った参ったよ。戦力半減は大いに参った。」
「リュウさん。ひとまず戦力に関しては横に置いておきましょう。我我の手におえるものではありません。私達に出来ることで全力を尽くしましょう。」
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