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第6章 精霊樹の苗木 準備編

【雇用№89】薬儒の森  精霊樹その3

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 しかたない、僕はここで一人で食べることにするか。少しドキドキするな。果たしてどんなことが起きるのだろうか?
 
 大きさはリンゴくらいだけど、黄色いし、さてどんな味がするのかな?

 「ガブッ」っと皮ごとそのままかぶりついた。うん、美味いででも皮は剥いた方が良かったな。と口から吐き出す。味はマンゴーっぽいかな。皮も柔らかくて剥きやすいし。

「おお~い、チルとティタニア、食べるんなら、皮を剥いた方が美味しいぞ。」

と大声で叫ぶ。小屋に近づくとやれ、エッチたらセクハラとか言われかねないので、こっちから大声で叫んだ。

「リュウ兄ちゃん。わかったよ。ありがと~~」

 とりわけ一口齧ったけども、さしたる変化は感じられない。それとももう髪の毛が艶々になっているのだろうか。まぁ~全部食べてみればわかるか。精霊樹様のことだし、そんな悪いものではないだろう。

 残りの果肉をそのままどんどん食べていく。果汁がたっぷりあるため、どんどん地面にたれていく。そして地面には先ほど剥いた皮もあり、それを食い意地のはったウリが一生懸命に食べている。

 どんどん手が果汁で濡れて、べとべとになっていく。そして、その下でおこぼれを預かるウリもまた頭の上がベトベトになっていく。うん、全部食べ終わった。こうピカ~~っと光るのだろうか?
しばらく経っても変化は訪れない。しかたないので、種と手を『ミネラルウォーター』の魔法であらった。ついでに、ウリの頭にも水をかけてあげたのに、濡れたのがいやなのか全身を震わせて、水を飛ばしてきやがった。おかげで、こっちは全身が少し濡れてますよ。

「チル、こっちは食べ終わったよ。そっちはどうだい?」

「こっちは終わったよ。でもリュウ兄ちゃんは来ちゃだめだよ。私が一旦そっちにいくね。」

 とチルがこっちに出てきた。心なしか、身長が伸びて、髪が長くなって大人っぽくなった気がする。

「あれっ、リュウ兄ちゃんは何も変化なかったの?」

「えっ、やっぱり僕は何も変化してないのか。じゃ~チルはやっぱり色々と成長したのか?」

 と上から下までじっくりと変化を探してみる。

「ちょっと、リュウ兄ちゃんそんなにジロジロ見ないでよ。乙女はみものじゃないんだよ。それで、どうかな?」

 と言って、くるっとターンした。いや見たらダメなの見てほしいのどっちなの?

「うん、とっても素敵な感じになっているよ。大人っぽく綺麗になったね」

「もうリュウ兄ちゃんたら。そんなに正直に言わなくても。。。。」
と頬を赤らめてそっぽ向いている。

「それでティタニアはどうしたんだい?あっちも変かはあったのか?」

「う~~ん、それがちょっと問題が発生してね。リュウ兄ちゃんはしばらくウリと果物でも拾いに行ってて。こっち来ちゃダメだよ。なにがあったかは見てのお楽しみなんだから。」

僕とウリは果物を拾いに二人で行った。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 以下チル視点 ◆ ◆ ◆ ◆ 

「確かこの辺にあると思ったんだけどな。」

 私は、ごそごそとリヤカーの中を漁って私の道具袋を探していた。少しだけ、簡単な服の着替えをもってきたんだよ。リュウ兄ちゃんは気にしてないみたいだけど、女の子はちょっと気にするんです。

 「あったあった。うんちゃんと替えの服はあるね。下着は流石に貸せないから。上下の服だけだね。でもこれだとかなりサイズが大きいから。紐紐と。。。。うん、これで大丈夫」

チルは、探した荷物を持って小屋まで戻っていった。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 

「リュウ兄ちゃ~~~ん。準備終わったからこっち来ていいよ。」

「おうわかった。さっ、ウリ戻るぞ。大分果物採れたな。」

「ぷぎゅ~~~」

小屋に戻るとチルだけが前に立って待っていた。

「あれ、準備できたんだろ?ティタニアは?」

「ティタニアちゃん。カモ~~~ン」

っと小屋から出てきたのは。ティタニアだったんだけど。。。


んん~~~ちょっとでかくなり過ぎじゃないのか。

 前までは手のひらサイズの可愛らしい感じだったのに。今は生後一か月ほどの赤ん坊の大きさである。服は、チルが前に来ていた服をかぶせて、大きい部分は所々紐で縛ってずり落ちないようにしている。
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