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第6章 精霊樹の苗木 準備編

【雇用№87】薬儒の森  精霊樹その1

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「ふぁ~~~良く寝た。」

結局昨日はアースクリエイトで、ベッドを二つ作って、その上に毛布でくるまって休んだ。
中々の快適な寝心地であった。チルはまだ寝ているわ。ティタニアもウリと一緒に小屋の中に入って休んでいた。

チルが起きる前にちょっと外で、果物でも取ってこようかなと長刀を持ってこっそりと外に出ると。。。。

 うん、目の前に大きな木が立っていた。あれ、これはいったい何なのだろうか。昨日は確かそこに精霊樹の苗木を植えたと思ったんだけど。。。もしかして、もしかしてもしかすると、精霊樹なんでしょうかね?

 そうとしか考えられないよね。精霊樹の苗木がなくなっているんだから。いやそれにしても育ちすぎじゃないですか。多分5~6mの高さはあるんじゃないかと思う。幹の太さも直径30cmほどだし。ティタニアはなんて言ってた?1ヶ月から1年ぐらいって言ってなかったか。ってことはティタニアの想定外のスピードで成長したってこと?嘘だろ。

 うん、この話はみんなが起きてからにしよう。そうしよう。気を取り直して、美味しい果物を採取しに行った。地面に近いやつはボス達が食べるだろうから、ちょっと手を伸ばしたら届きそうなものを選んでとってきた。あっつ、赤い花や青い花もあるね、ティタニアの朝食も確保していこう。

 そうして、腕一杯に抱えて小屋のとこに戻ってきた時は、チルもティタニアも起きて外で話していた。

「やぁ、二人ともおはよう」

「あっリュウ兄ちゃんおはよう。」

「リュウ、なに暢気に挨拶なんてしてるのよ。これを見て驚かないの?」

「いや、驚いたよ。驚いて、考えてたけどティタニアとチルが可愛く寝息をたてて寝てたから、起こすのも可哀想だったし、朝食をとりに行ってたんだよ。ほらっ、ティタニアの好きそうな花も持ってきたよ。」

「きゃあ、リュウ兄ちゃんに寝顔見られちゃった。それに可愛いだって。。。」
とチルが頬をほんのり赤く染め乍ら、小声で呟く。

「リュウそれは助かるわね。そうね、結局わからないし、せっかくリュウが獲って来てくれたんだもの朝食を食べながら話しましょう。ちょっとその前に、リュウ、あそこに、精霊樹の朝露があるわあれをポーションの瓶にでも入れて来てくれる。」

「ティタニアちゃん。それは私がやってくるよ。リュウ兄ちゃんとティタニアちゃんは小屋に入って先に食べててね。」

 とチルがリヤカーから、ポーションの空き瓶を数本取出して、朝露を入れにいった。

 僕とティタニアは、小屋に入って朝食をとることにした。テーブルは『アースクリエイト』で土のブロックを作成した。うん、魔法って最高に便利だね。

朝食を食べながらさっきの件について話した。

「ティタニアが驚いていたってことはやっぱりあれは異常な出来ごとだったんだよな。」

「ええ、少なくとも1ヶ月以上はかかるはずよ。なんでこんなに急成長したのかしら。」

「やっぱり灰と腐葉土を混ぜて、水をたっぷりあげたためかね?」

「いや、それはないことも・・・・ないか。それぐらいしか思い当たることがないのよね。あとはここが守護地だということくらいなんだもんね。」

「ま~うちの農園の薬草も倍以上のスピードで成長しているから、あながち間違いでもないと思うよ。」

「リュウ兄ちゃん。ティタニアちゃんお待たせ、朝露採れるだけ採って来たよ。」
と6本ほどの瓶を持ってきている。

「ティタニアさんや、魔霊樹の対策には朝露はこれくらいあれば大丈夫なのかい?」

「そうね。一回分くらいなら、これで大丈夫だと思うわ。後は葉っぱが20枚ほど欲しいわ。」

「うん、朝食が終わったら、採りにいこうか。はい、チル、大好きなナシンの実と、リゴンの実を、ウサギさんスタイルでカットしておいたよ。」

「リュウ兄ちゃんありがとう。わ~~可愛い。本当にウサギさんみたい。黄色いウサギと赤いウサギさんだ」

 と喜んでくれているみたいだ。女の子は見た目でも大事だって聞くし、ちょっと飾り付け頑張ってよかったよ。そこまで喜んでくれるとは思ってなかったけど、いや~よかったよかった。

「さて、僕は朝食は終わったから、葉っぱを採ってくるね。チルはお仕事頑張ったからゆっくり朝食食べててね。」

「リュウ。私も行くわ。葉が枝についているから、精霊樹にお願いして採らせてもらわないといけないからね」

「そうなのか。じゃ~ティタニアも一緒に行こうか。」

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

ティタニアが精霊樹の幹に手をあてて、お願いした。

「精霊樹さん。お願いです。魔霊樹を討伐するために、あなたの健康的な葉が必要なの。私に少しわけて頂戴ね。」
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