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第3章 雇われ勇者は、雇い主編

【雇用№025】雇われ勇者 家族じゃないけど、大勢の食事は楽しい

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「リュウさん、チルさんお帰りなさい。ちょうど良いタイミングですよ。今出来上がったばっかりですので、熱々です。ふふふっ。」

「モニカもね。一杯お手伝いしたんだよ。チルお姉ちゃんの使ってるお花柄のお皿とか、コップとか雑貨屋さんで私が選んで、運んできたんだもん」

「うわ~~~っ、モニカちゃんありがとう。これすんごく可愛くて、食べるのがすごい楽しみになるよ。モニカちゃんセンスありますね。」

「えへへ~~。」
といって可愛らしく頭を搔くモニカちゃん。

「あ~~っ、そうだった。一人暮らししてたから、お昼お願いしてたのに人数分の食器用意するの失念してました。モニカちゃんありがとう」
「へへへ~~~どうもなのです。」

腰に手を当てて、胸をそらすモニカちゃん。可愛らしいしぐさにほっこりしてしまう。こういう小さい子は見てて飽きないな~~~。一人っ子だけど、こういう可愛らしい妹が欲しかったかも。

「はいはい、皆さん早く食べないとあったかいお昼が冷めちゃいますよ」
「「「いただきま~~~す」」」

「あっ、このスープ野菜の出汁が取れててすごい美味しい。このお肉も肉汁がジューシーで麦飯が進みます。ごほっ、ごほっ。」

「あらあら、ありがとうございます。まだまだたっぷり用意してありますから、慌てて食べなくても大丈夫ですよ~~」
「「「は~~~い」」」」



「あ~美味しかったご馳走様です。は~これから毎日こんなお昼が食べられるなんて幸せだな~。こうなると、夜の自分で食べる食事が寂しくなるな。ふわ~~~っ、お腹いっぱいになったら眠くなってきたな。」

「褒めて頂いて嬉しいですわ。よかったら、夜ご飯も一緒に作りましょうか?」
「えっ、いいんですかウェルザさん。お家でご家族の夕飯の準備とかもあるんじゃ?」

「ええ、お気遣いありがとうございます。旦那に先立たれまして、今はモニカと私の二人暮らしなんですよ。沢山で食事をした方が楽しいですし。

料理も二人分作るのも三人分作るのも 同じですよ。むしろ、料理は一人分作る方が大変なんですよ。」

「そうだったんですか、ありがとうございます。ではお言葉に甘えて、夜ごはんも今後お願いしますね」

わ~~~っ、嬉しいな~。
こんな綺麗な女性が昼と夜も僕のために作ってくれるなんて夢みたい。こんな幸せなことがあっていいんだろうか?でもこれって立ち位置的になんだろう?従業員と社長?
それとも、未亡人と独身男性だと押しかけ妻?経験が少ないからよくわからんね~~~

「ちょっと、リュウ兄ちゃんもウェルザさんも待って。待って。私も今日からここに泊まらせてもらいたいから、私も夕飯食べたいな~~~」

ウェルザさんは?ちょっと疑問に思って僕に顔を向けて視線を合わせてくる。
僕は、そんな話は聞いてないけど、夕飯食べる分には関係ないので、頷いて了承した。

「はい。チルさんも一緒に夕飯を食べましょう」
「おいおいチル。夕飯食べるのはいいとして、ここに泊まるってのは聞いてないぞ。宿屋の方で住み込みで仕事してたんじゃなかったのか?」

「それは、ちょっとお話するのが遅れただけだよ。リュウ兄ちゃん。昨日の話で、リュウ兄ちゃんのお手伝いすることになったから、おかみさんにその件を伝えたんだ。そしたら」

『宿屋のお仕事が手伝えないんじゃ、住まわせやることも、ご飯を食べさせることもできやしないよ』

だって、そんな~」って言ったら、
『お客として泊まるなら、問題ないよ。どうする』だってさ。」

「私はそんなにお金持ってないし。屋敷を借りるのも無理だし、リュウ兄ちゃんなら、優しいからちゃんとお話したら、泊めてくれるだろうな~~って思って荷物も持ってきたんだ」

「そうなのか。大変だったな。ま~おかみさんもただ飯食い置いとく訳にはいかないだろうし。。。いいよ。わかった今度からこの屋敷で寝泊まりしてもいいよ。

でもいいのか?お前は、可愛いし、適齢期ちょっと前の女性だし、知らん男のとこに住んでたりしたら、結婚から遠のいたり、いらん噂がたったりするぞ」

「そうですよ。チルさん。未成人の女性が独身の男の人のとこで寝泊まりするなんて。あら、リュウさんそんな残念そうな顔しないでください。

リュウさんが過ちを起こすと言っているわけではないんですよ。世間一般の見方でお話していますの。おほほほっ」

「リュウ兄ちゃんひどいよ。チルはちゃんと宿屋でお手伝いしてたもん。ただ、今日からお手伝いが出来なくなるってお話なだけで。

リュウ兄ちゃんはそんなこと絶対しないって信じてるし、大丈夫だよ。それに、私は好きな男性とかいないし、結婚する気も今のとこはないから」

「よし、わかった確認が取れたし、住んでいいよ。後で使ってない部屋に案内するし、荷物運んでくれ。布団やベッドなんかはないからな。
これを渡すから、準備しておいてくれ。今日寝る所がないと困るだろう?床に寝るわけにも、僕の隣で一緒に寝るわけにもいかないんだから。」

僕はチルに30万ループの入った袋を渡した。
「こんなに沢山使っていい?ありがとうリュウ兄ちゃん。」
「いや、全部使っていいわけではないからな。必要な分だけ買って後は返してくれよ」
「わかってるって。」

そういって、チルはお金の入った袋をもって、雑貨屋に走っていこうとした。

「あっ、ちょっと待って。チルさん」
「えっ、なにか呼びました。」

「うちに、客室にあるベッドと布団が余っているから、よかったら使って下さい。お客様用なんで、綺麗ですよ。シーツもまめに取り換えてますし。使ってないもので必要なものがあったら、調度品も持って行ってください。」

「てことだってさチル。そういうわけで、このお金は返してもらうな。」
「え~~っ、そんなリュウ兄ちゃん。でもウェルザさんありがとう。」

「てことで、はい、ウェルザさんにこのお金渡しときますね。このお金でこれからの食事代とここでの必要なものの準備にあてて下さい。足りなかったらまた用意しますので、遠慮なくいってくださいね。」

「そういうことでしたら、わかりました。大切に使わせて頂きます。」
「さて、話は決まったし。午後からの予定を変更して、これからチルのベッドと調度品を取りにウェルザさんとモニカちゃんのお屋敷に行こう!!」
「「「行こう」」」

こうして4人は、ウェルザ邸に向かうのであった。そのころのティタニアはというと・・・
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