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第7章 アカネとフルーテスとのお茶会編
【最終話105】フィナーレ3
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「お父様、お母様みんなこの2年間一緒に暮らしてくれてありがとう。みんなのお陰でなんとか目標を達成することが出来ました。」
ふーっ、緊張してきた。手のひらに汗が、滲んで来ている。マッシュ兄さんはこんな思いをあの時していたのか。
「私もこれから、ずーーーっとみんなと一緒にベジタル領で暮らして、この領地をもっともっと発展させて美味しい料理を沢山の人に食べてもらえる世の中にしたい。」
うんうん、と何名かが頷いてくれている。ティムとリリスちゃんは、美味しい料理と聞いた時点で口の端から涎らしきものか出ている。
「では、お姉様、この領地でこれからもずっと一緒に暮らして頂けるのですか?」
とキャロットちゃんが口を挟んできたが、お母様が口元に指を当てシーツとしてくれた。そのあと、私に先を促す様に掌を上に向けてくれた。
一つ大きな深呼吸をする。
一つ目のケジメはつけた。あと、もう一つのケジメもつけないと。
「マッシュ兄さん。いえ、ベジタルマッシュさん」
「はい」
マッシュ兄さんがこちらを向いて返事をしてくれる。私とマッシュ兄さんに一同の目が集まる。
「こないだは、マッシュさんが勇気を出して、告白してくれたのに断ってしまってごめんなさい。とても嬉しかったです。」
ふーっ、一つ大きな息を吐く。
「虫の良い話ではあるけれど、私もマッシュさんのことが好きです。良ければ結婚して、この領地を一緒に盛り上げていきたいと思ってます。マッシュさん、私と結婚して下さい。」
また目を瞑って、マッシュ兄さんに向けて、手を差し出す。
ちょっと返答が怖い。断られたらどうしよう?私が断った時のマッシュ兄さんの心境が今更ながらにわかってくる。本当にごめんなさい。マッシュ兄さん。こんな悲しい気持ちにさせてしまうなんて。
流石にあの告白を断って、いく日も経っているから、マッシュ兄さんだって他の人を好きになっている可能性だって十分にある。
だから返答自体は断られる可能性もあるし怖い。しかもこんな沢山のいる人の中でなんて本当はやりたくない………。でも、マッシュ兄さんがあの時、場所も時間も選ばずに大勢の前で勇気を振り絞ってやってくれたんだもん。私も同じ環境でもやらなきゃ。ここは一人の乙女として避けられないよ。
「アカネ、そんな泣きそうな顔するなよ。僕がアカネの想いを断る訳ないだろう。」
マッシュ兄さんはそう言って、私の差し出した手を握ってくれた。温かい…温もりのある手だった。綺麗な手かと言われれば違う。ゴツゴツした硬い手だ。でも、私はこんなマッシュ兄さんの手が好きだ。
「結婚しようアカネ。僕は、これからの一生をアカネと一緒に過ごしていきたい。二人がおじいちゃんになってもおばあちゃんになってもずっと一緒だ。」
「うん」
私はマッシュ兄さんに抱きついた。マッシュ兄さんは私を優しく抱いてくれた。
「マッシュ。よかったわね。長年の思いが届いて。」
「アカネ。改めてようこそ我が家へ。一番願っていた未来になってくれてよかった。」
お父様が涙を流して喜んでいる。嫁の来ない辺境の地の長男がやっと結婚できるんだもんね。喜びも一押しか。
「マッシュお兄様。よかったですね。アカネお姉様と両思いになって。振られた時はどう慰めてい良いか、分からなかったです。でも、今は、お兄様、お姉様結婚おめでとう。ずっと兄妹仲良く領地を発展していきましょう。」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
それから数ヶ月後、ベジタル領で、私とマッシュの結婚式が行われた。参加者は、ベジタル領のみんなに、フルーテス家の方々や協力会社たちにティムのドラゴンの家族一同。もちろん鳥人族や獣人族のみんなも参加している。
フルーテス家の人は、始めは辺境の地に来ることや亜人族に合うことに凄い抵抗を示していたけど、アボート君やキャロットちゃん私の説得もあってなんとか来てもらえた。
私はこの2年ベジタル領にこれて本当によかった。始めは嫌悪感をあらわにしてたけど、結婚式が終わる頃には、人間も亜人も関係なく和気藹々としていた。
~~~~~~~~~~~
お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、私は異世界で大好きな人達と幸せに暮らしてます。大変なことも色々とあるけど、お父さんやおじいちゃんみたいに頼りにかなる家族やステキな旦那様がいるので、私のことは心配しないで転生先で新たな人生を楽しんで下さい。
ガーネット、安らかに次の人生を歩んで下さいね。次はおいたしちゃだめだよ。
神様この地へ転生させてくれてありがとう。
「お母さん、父さんが向こうで蜂蜜取りに行くって、呼んでるよ。」
小さな男の子が私を呼びにくる。
「はい、分かったわ。今お弁当の準備終わった所だから一緒にお父さんの所にいきましょう。あなたの好きなドーナツも入ってるわよ。」 」
「やったー、お母さんだーい好き」
~~~~~~完~~~~~
ふーっ、緊張してきた。手のひらに汗が、滲んで来ている。マッシュ兄さんはこんな思いをあの時していたのか。
「私もこれから、ずーーーっとみんなと一緒にベジタル領で暮らして、この領地をもっともっと発展させて美味しい料理を沢山の人に食べてもらえる世の中にしたい。」
うんうん、と何名かが頷いてくれている。ティムとリリスちゃんは、美味しい料理と聞いた時点で口の端から涎らしきものか出ている。
「では、お姉様、この領地でこれからもずっと一緒に暮らして頂けるのですか?」
とキャロットちゃんが口を挟んできたが、お母様が口元に指を当てシーツとしてくれた。そのあと、私に先を促す様に掌を上に向けてくれた。
一つ大きな深呼吸をする。
一つ目のケジメはつけた。あと、もう一つのケジメもつけないと。
「マッシュ兄さん。いえ、ベジタルマッシュさん」
「はい」
マッシュ兄さんがこちらを向いて返事をしてくれる。私とマッシュ兄さんに一同の目が集まる。
「こないだは、マッシュさんが勇気を出して、告白してくれたのに断ってしまってごめんなさい。とても嬉しかったです。」
ふーっ、一つ大きな息を吐く。
「虫の良い話ではあるけれど、私もマッシュさんのことが好きです。良ければ結婚して、この領地を一緒に盛り上げていきたいと思ってます。マッシュさん、私と結婚して下さい。」
また目を瞑って、マッシュ兄さんに向けて、手を差し出す。
ちょっと返答が怖い。断られたらどうしよう?私が断った時のマッシュ兄さんの心境が今更ながらにわかってくる。本当にごめんなさい。マッシュ兄さん。こんな悲しい気持ちにさせてしまうなんて。
流石にあの告白を断って、いく日も経っているから、マッシュ兄さんだって他の人を好きになっている可能性だって十分にある。
だから返答自体は断られる可能性もあるし怖い。しかもこんな沢山のいる人の中でなんて本当はやりたくない………。でも、マッシュ兄さんがあの時、場所も時間も選ばずに大勢の前で勇気を振り絞ってやってくれたんだもん。私も同じ環境でもやらなきゃ。ここは一人の乙女として避けられないよ。
「アカネ、そんな泣きそうな顔するなよ。僕がアカネの想いを断る訳ないだろう。」
マッシュ兄さんはそう言って、私の差し出した手を握ってくれた。温かい…温もりのある手だった。綺麗な手かと言われれば違う。ゴツゴツした硬い手だ。でも、私はこんなマッシュ兄さんの手が好きだ。
「結婚しようアカネ。僕は、これからの一生をアカネと一緒に過ごしていきたい。二人がおじいちゃんになってもおばあちゃんになってもずっと一緒だ。」
「うん」
私はマッシュ兄さんに抱きついた。マッシュ兄さんは私を優しく抱いてくれた。
「マッシュ。よかったわね。長年の思いが届いて。」
「アカネ。改めてようこそ我が家へ。一番願っていた未来になってくれてよかった。」
お父様が涙を流して喜んでいる。嫁の来ない辺境の地の長男がやっと結婚できるんだもんね。喜びも一押しか。
「マッシュお兄様。よかったですね。アカネお姉様と両思いになって。振られた時はどう慰めてい良いか、分からなかったです。でも、今は、お兄様、お姉様結婚おめでとう。ずっと兄妹仲良く領地を発展していきましょう。」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
それから数ヶ月後、ベジタル領で、私とマッシュの結婚式が行われた。参加者は、ベジタル領のみんなに、フルーテス家の方々や協力会社たちにティムのドラゴンの家族一同。もちろん鳥人族や獣人族のみんなも参加している。
フルーテス家の人は、始めは辺境の地に来ることや亜人族に合うことに凄い抵抗を示していたけど、アボート君やキャロットちゃん私の説得もあってなんとか来てもらえた。
私はこの2年ベジタル領にこれて本当によかった。始めは嫌悪感をあらわにしてたけど、結婚式が終わる頃には、人間も亜人も関係なく和気藹々としていた。
~~~~~~~~~~~
お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、私は異世界で大好きな人達と幸せに暮らしてます。大変なことも色々とあるけど、お父さんやおじいちゃんみたいに頼りにかなる家族やステキな旦那様がいるので、私のことは心配しないで転生先で新たな人生を楽しんで下さい。
ガーネット、安らかに次の人生を歩んで下さいね。次はおいたしちゃだめだよ。
神様この地へ転生させてくれてありがとう。
「お母さん、父さんが向こうで蜂蜜取りに行くって、呼んでるよ。」
小さな男の子が私を呼びにくる。
「はい、分かったわ。今お弁当の準備終わった所だから一緒にお父さんの所にいきましょう。あなたの好きなドーナツも入ってるわよ。」 」
「やったー、お母さんだーい好き」
~~~~~~完~~~~~
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