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第7章 アカネとフルーテスとのお茶会編

【男の娘067】アカネとフルーテス家の人々2

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「えーっと・・・」

フルーテスがどう呼ぼうか迷ってしまっている。アカネであることは、伝えてあるけど、長年ガーネットで読んで来た手前、慣れるまでに時間がかかるようで、でてこないみたい。

「アカネお姉様。まずは、私たち初めてになりますからご紹介したらどうでしょうか?」

流石、キャロットちゃん素晴らしい機転だわ。私の名前をそれとなくさらっと出し、なおかつ、これ以上のフルーテスの失態もないようにするなんて。

「あっ、それでしたら、少しお待ち頂いても宜しいですか?当主と家族ご一緒に参加しますわ。」

「コンッコンッ」

「入ってもよいですわ」

丁度よいタイミングで、全員揃ったようだ。全員が席に座り
お茶会が始まった。

「今日は、娘の開催するお茶会に参加してくれてありがとう。私はこの屋敷の当主のフルーテス・パパーヤだ。長旅でお疲れだろうから、今日はうちに泊まって行って行くといい。ジーヤ、部屋の準備を頼む」

「はっ、当主様なら、そういうかと思い既に準備は済ませております。」

「私はメリーの母親のフルーテス・ベリーナですわ。以後お見知り置きを。アカネ様には娘がお世話になっていたみたいですわ。」

「いえ、そんなメリーナさんには、私の方がご迷惑をおかけしていた次第で、こちらの方が多大にお世話になっておりましたの。ほほほっ」

口を手で隠して、笑って誤魔化す。
フルーテスったら、私のことご両親にどんな風に話しているんだろう?ガーネットとしては、秘密ってことでお願いしてあるんだけど。

「綺麗なお嬢さん達に会えて、今日は僕にとって最高な一日になったようだ。僕は、メリーナの兄のフルーテス・キウィーだ。皆さんに会えて、光栄だ。立ち位置としては、そちらのマッシュさんと同じく次期当主という位置付けになる。」

と言って、キウィーさんは、席を立ち上がり、私たちの所まで来て、わざわざ握手を各々にしていった。よく物語である、手を差し出してのキスもさらっと女性陣にしていった。

うん。カッコ良くはあるんだけど、気のない人にそういうことされても気持ち悪いだけなんだよ。と思いもしたが、ここは貴族の社交の場である。ガーネットの記憶を見ると、そんなことは、ザラにあった。うん、あった。

「最後は僕ですね。フルーテス・アボートです。現在、貴族院に就学中です。将来は、兄さんや姉さんのお仕事のお手伝いが出来たらと思ってます。」

可愛いらしい弟さんだ。キャロットちゃんと同じくらいの年頃だろうか。お姉さんとお兄さんの役に立ちたいって可愛い。でも、その点は、うちも負けてないよね。キャロットちゃんもマッシュ兄さんも同じようにしてくれるから。

「後は、私の上に姉がいますが、嫁いで行ったので今日は参加しませんわ」

フルーテス家の方は、全員の紹介が終わったようですね。では、こちらの番ということですマッシュ兄さんに目配せする。

「フルーテス家の皆様、ご紹介並びにお茶会へのご紹介ありがとうございます。私はベジタル家の当主代理で、来ております長男のベジタル・マッシュです。宜しくお願いします」

「次は私ですね。ベジタル家の養女兼長女ベジタル・アカネです。宜しくお願いしますわ。フルーテス家の皆様。皆様にうちの領の特産品を手土産としてお待ちしましたので、後程お渡し致しますわ。」

「私は、末妹のベジタル・キャロットですわ。アボートさんと同じように辺境の学校に就学しております。」

3人は終わった。そして後一匹一人?ティムが残っている。ここまで来る間に設定は考えて練習しておいたから大丈夫なはず。

「我は、養子並びに末弟のティムじゃ。宜しく頼む。」

無難に終わったようだ。ティムがドラゴンなのは、ベジタル家だけの秘密である。バレても信じてもらえないような気もするが、私の魔法と同様に秘匿事項となっている。

「アカネ様、せっかくですので、お茶の準備始めますね。」

と言って、フルーテスがパチンと指を鳴らし、メイドと執事にお茶の準備をさせる。メリーナったら、レディアント家では、メイドだったけど、うちに帰るとメイド達を使う立場なんだね。当たり前だけど、ちょっと新鮮かも。

「アカネさん。先程、手土産といいましたが、何をもってこられたのですか?ベジタルさんの特産品というと農作物かしら」

メリーナのお母様が興味深々で聞いてくる。

「ベリーナ様、そうですわ。うちの特産品の小麦粉を独自に改良したものですの。きっと気に入ってもらえると思いますわ。」

ちょっとがっかりしたようだ。そりゃそうだ。持って来たのが、小麦粉だなんて、お貴族様にはあまり関係ないよね。調理人の人なら喜ぶかもしれないけど。

「でしたら、、、」

あっ、興味をなくしたためか、ベリーナ様がお茶会から席を外そうとしている。急な訪問だから、予定があるのかもしれないけど、せっかくお茶会に参加してくれたんだもん。流すわけにはいかないわ。今後の取引や提案をする上でも女性人のハートは必ずゲットしておきたい。
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