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全ての原点にして元凶

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趣味のゲームもやれて、成績もいい方ではないけど悪くもなく、家族とも上手くやれている。

他の人から見たら、そこそこ幸せな人生に見えてるはず。

確かに他の人と比べたらそうかもしれない、だけど幸せをそんなに感じていなかった。



いつもと、変わらない高校への道をいつもと、同じ時間に歩いていた。

高校に入学してから、1年間ただただ歩いていた。

同じ道を歩き始めて、今日でちょうど1年、去年の今頃は高校に通うだけで、楽しかった気がする。

自分が何か、行動をしない限り、何も変わらないのかもしれない。

わかっていても、変えることができない。

そこそこ幸せな、人生を変えるのが怖い。

もっと幸せに、なればいいがもっと、不幸になるかもしれない。

そう思うと、このままでいいやと、思ってしまう。

「誰か俺を変えてくれよ!」

気がついたら、人目を気にせずに、俺は叫んでいた。



そんなに言うならお望みを、叶えてあげよう。

「面白くなりそうだ」

そう聞こえた気がすると思ったら、明るい光が目の前に広がった。







「おーい聞こえてる?」

聞いたことのないような、聞いたことがあるような、不思議な声が聞こえてきた。

多分聞いたこと、ない。

なのに、聞いたことが、ある。

そう思わせる声だった。

「よっかた生きてるみたいだね」

生きているみたい?

死んでるわけがないだろ。

生きてると思っている、その時点で生きている。

「助けてあげたんだから、感謝の言葉の一つでも言ったら?そんなんもないとは、呆れたもんだよ」

聞いてもいないのに、一方的にべらべらと、話かけてくる。

めんどくさいからとりあえず。

「ありがとうございます」

と、当たり前の言葉を言った。

ありがとうございますという、言葉は、俺にとってはもはや挨拶と変わらない、感情もこもっていない。

そんな程度の言葉だった。



「助けてやったんだよもっと感謝してよ」

助けてやった?

お前が勝手に、助けたんだろ。

別に俺は、助けてと、頼んだ覚えはない。

なのに感謝を求めてくるのは、当たり屋と変わらない。



「自己紹介が遅れたね僕は、君たちの住む世界を管理しているものだよ」

こいつは何を言っているんだ、世界を管理?

見た目は30歳くらいのやせ形、黒髪。

そして何より、常にニヤニヤ笑っている。

「つまり神ってことですか?」

そう聞くと

「君たちにはそう言われているね」

と答えた。

神と言われても何が神なのか、よくわからなかった。

そもそもどの宗教にも入っていない。

しかも神の存在をみたこともなかった。

神が絶対にいないと、神の存在を否定をしたり。

神をバカに、したりはしない。

信じてはいないけど、ばちに当たりたくもない。

そのくせに神社に行き、少ないお賽銭で、願いを叶えて貰おうとしていた。

もちろん、クリスマスもケーキを食べていた。

宗派も関係なしに、良いとこどりをしていた。

そんな日本人も多いはず。

そんなことを考えていたら。

「その様子は僕が、本当に神なのか疑っているね」

と、自称神が言った

そんなに疑っていない。

そもそも神でなければこの空間に連れてくることは出来ないだろう。

周り一面を見渡しても、窓も見渡らない。

それどころか、ドアも出口もない。

ただただ、暗いけど明るい、空間が広がっていた。

例えるなら、夜空にいるような感覚だった。



「ポン」

と、音が聞こえたと、思ったら。

目の前に見たことのないほど大量の、札束が積まれていた。

「僕と勝負をしよう」

神はそんなことを、言い出した。

「ちなみに勝負を受けるか、受けないかは君次第だよ」

うーん

目の前に大金があったら、断るわけがない。

だが、今回は内容が分からない。

内容が分からないのなら、考えるまでもなく。

答えは【ノー】やらない、一択しかない。

「もしかして内容が分からないから、やらないとか思ってない?」

自称神は心を見通しているのか、俺の考えていることを当ててきた。

目の前に大金が有って、内容も聞かずに断るのは、もったいない。

一応内容を、聞くことにした。

「ルールは簡単、3つの箱の中の内2つが当たり、1つが外れ、当たれば1000億、外れたら100億円。」

これは普通にやるしかない。

だが、あまりにもこっちが有利で向こう側が不利すぎる。

明らかにおかしい。

「でやるの?やらないの?早く決めてよ」

悩んでも仕方がない。

「やります」

ついに言ってしまった。

だが、確率は3分の2は当たり。

外れる、確率はたったの3分の1。

だからこそ、何かあるに違いないと俺は疑っていた。



「さぁ、早速始めよう」

そう神が言うと、急にテーブルと横にならんだ3つの箱が現れた。

手のひらに、乗るくらいの箱で、それぞれの見た目は全く変わらない。

おそらく、完全に運任せだろう。

「もう箱は選んだかい?」

じっと、見ていても何も変わらない。

ここは、覚悟を決めよう。

「1番右の箱で」

やばい、超怖い。

ミスったら、借金地獄。

こんなの、ミスれる分けがない。

「じゃあ一番右の箱を開けるよ」

今までにないくらい、胸がドキドキしていた。

多分、いみがないと思うけど両手を合わせ、神に祈っていた。

神がもしかしたら、二人とかもあり得る、かもしれない。

「残念、外れでした」

嘘だ、そんなはずがない。

もともと、運がいい方ではなっかたが、ここぞというところでは外したことがなかった。

今回も、少し不安ではあったけど、まさか外すとは……

しばらくの、あいだ何も考えられずに立ちすくんでいた。

「じゃあ借金生活楽しんでね」

神がとどめを刺すかのように、またニヤニヤしながら言ってきた。

何か言い返してやろう。

そう思い、口を開こうとした瞬間。

「いってらっしゃーい」

神が何か言ったと思ったらまた、明るい光が目の前に広がった。
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