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孤立と孤独
価値の無い婚約者
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アルミナが危惧していた事が起きた。
ジュエリアが倒れ、失声症を患ってから王城にフィサリスが頻繁に出入りする様になった。
冬の間は祭事が続き、王太子が同伴者無しで公務に当たるのは、ジュエリアとの不仲を言い出す者がいる。
そのための牽制でフィサリスを名大にしている。
だが頻繁に王城に出入りするフィサリスに、王城の者達の間で、ある噂が出始めた。
「ジュエリア様の体調不良が続く様だったら、王太子殿下の婚約者を変えるのではないか?」
「王太子殿下は、フィサリス様を頼りにしてらっしゃるご様子。」
「既にフィサリス様にお心が移られたのではないかと思うほど、仲睦まじいお姿を見る。」
カーネリアンがフィサリスに好意を寄せていると言う噂。
「ジュエリア様は優秀だが、病弱ではお世継ぎが心配になる。」
「王妃に向いていないのではないか。」
「無能な婚約者だ。」
「価値のない婚約者は、早々に破棄されるだろう。」
ジュエリアは頭脳明晰なだけで、女性としての価値が無く無能だと言う噂。
「そもそも国王は側室を持てるのだから、婚約破棄をしなくともフィサリス様を側室にすればいい。」
「今のままだと、ジュエリア様が側室になるだろう。」
「ジュエリア様を側室にすれば、今まで携わっていた公務も滞ることもない。」
ジュエリアを籠の鳥にする噂まで出始めた。
ジュエリアは離宮にいるため、知る由もなかった。
アルミナが心配しても、収まる気配のない噂。
ジュエリアが王城に戻れば、噂も収まるかもしれない。
だが今のジュエリアに噂を耳にし、耐えられるだけの精神力があるとは思えない。
アルミナは日々、やり場の無い憤りを感じている。
ジュエリアが倒れ、失声症を患ってから王城にフィサリスが頻繁に出入りする様になった。
冬の間は祭事が続き、王太子が同伴者無しで公務に当たるのは、ジュエリアとの不仲を言い出す者がいる。
そのための牽制でフィサリスを名大にしている。
だが頻繁に王城に出入りするフィサリスに、王城の者達の間で、ある噂が出始めた。
「ジュエリア様の体調不良が続く様だったら、王太子殿下の婚約者を変えるのではないか?」
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「そもそも国王は側室を持てるのだから、婚約破棄をしなくともフィサリス様を側室にすればいい。」
「今のままだと、ジュエリア様が側室になるだろう。」
「ジュエリア様を側室にすれば、今まで携わっていた公務も滞ることもない。」
ジュエリアを籠の鳥にする噂まで出始めた。
ジュエリアは離宮にいるため、知る由もなかった。
アルミナが心配しても、収まる気配のない噂。
ジュエリアが王城に戻れば、噂も収まるかもしれない。
だが今のジュエリアに噂を耳にし、耐えられるだけの精神力があるとは思えない。
アルミナは日々、やり場の無い憤りを感じている。
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