縁の鎖

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それぞれの真実

プルメリアの真意

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「ベン様、私からも言わせてください。」

プルメリア王妃が、過去の話しを語る。


「私とサフィー様は同じ歳の、乳姉妹でした。私の母シトリン・デュック・アルマンディンはオブシディアン王国王妃ユークレース様の従姉妹であり、アベンチュリン皇帝陛下が御生まれになった時に、乳母見習いとして王宮に上がったのです。」

シトリンは結婚後、夫婦仲が良かったにも関わらず、中々子宝に恵まれなかった。
婚家からは、離縁も言われ始めていた。
そこで乳母見習いとしてユークレース王妃が、夫と共に王宮に呼び寄せられたのだ。

「母は王妃様と同時期に私を生みました。ベン様は6歳でした。私とサフィー様は本当の姉妹の様に過ごし、ベン様にはよく面倒を見ていただきました。」
「そうだったな。お漏らししたプリアを庇った事も有ったな。」
「/////ベン様!それは言わない約束ですわ!!」

王妃は顔を茹で蛸のように、赤らめた。

「そんな幸せが続くと信じて疑わなかった時に、あの女カルミアがやって来たのです!国王様が外遊よりお戻りになられると、言動や行動がおかしくなっていたのです!公務を放り出し、王妃様をサフィー様の部屋へ追いやり、カルミアを王妃の間に住まわせ、一日中カルミアと過ごされるようになったのです!」

王妃は俯いたままの、フィサリスを睨みつける。

「ですが聖女と謳われる程の、奇跡魔法の使い手だった王妃様は直ぐに国王様のご様子がおかしい事に気づかれました。王妃の間に篭っていた国王様に奇跡魔法を使って、蠱惑の力を浄化されました。その後は皇帝陛下の言われた通り、カルミアは半地下の部屋に幽閉され、ダチュラを生みました。」


王妃は皇帝に向き合い、最上の礼をとる。

「皇帝陛下、私は最愛の姫様を守れませんでした。せめてジュエリアを守ろうといたしましたが、力及ばず辛い思いをさせてしまいました。どうか私を一国の王妃と思わず、断罪してくださいませ。そうで無ければ私は、姫様に合わせる顔がございません!」

王妃の声が震えている。
当たり前だ。
一国の王妃が、他国の王へ頭を下げると言うことは、自国に泥を塗るも同じこと。
王妃の気持ちが痛いほど、皇帝に伝わった。
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