縁の鎖

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それぞれの真実

ジュエリアの真の姿

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ジュエリアの奇跡魔法の暴走が治まり、辺りは静寂に包まれる。
フィサリスの方に刺さった刃を、深く差し込む人物がある。

「うっぎゃぁぁぁぁぁああああ!!」
「あ~煩いな~。ちょっと黙ろうか?」

パチンッ!
指を鳴らしフィサリスに沈黙術をかけたのは、隠密部隊体調エピドだ。

「この小娘か?あの毒花の娘は。」
「はい。皇帝陛下。」

エピドと共に現れたのは、サーペンとユーディアが留学していたスフェーン帝国の皇帝アベンチュリンだ。


「カルセドニー国王。久しぶりだな。」
「久しぶりだな。アベンチュリン皇帝。」
「ベン様!お久しぶりです!!」
「ははははは。プリアは相変わらずの様だな。」

皇帝がプルメリア王妃の言葉に、国王へ揶揄いの視線を送る。


「では挨拶も済ました所で、国と国の話をしようか。」
「皇帝本人が、わざわざ我が国まで非公式に訪れたんだ。何かしらのがある事は、察している。」

皇帝と国王は見つめ合い、お互いに引こうとしない。

「前置きはなしだ。本題に入ろう。ジュエリアを帝国に迎え入れる!今のジュエリアの置かれた状況を見れば、拒否権は無いと思うが?」
「確かに、我々に拒否権は無い。だがジュエリアの気持ちを確かめんことには…。」

皇帝は向き直すと、憔悴しているジュエリアに問い直す。

「ジュエリア。そなたを我が帝国のとして迎え入れたい。そなたの気持ちを聞かせて欲しい。」
「・・・。」
「そなたは我が帝国の、皇位継承権を持つ立派な皇女なのだ。」

突然の皇帝の告白に、ジュエリアだけでなくその場に居合わせた者達の殆どが、驚きを隠せなかった。
ただ国王、王妃、サーペント、ユーディア、ジェイドの一部の者は、知っていたようで驚かなかった。


「突然この様な事を言われ、戸惑うのは無理もない。そもそも我が帝国が建国されたのは、ほんの十年前だ。そんな帝国の皇位継承権が、エクスシーア王国生まれの自分にあるのかと疑問に思っている事だろう。まずは、そなたの出自と身分をはっきりさせよう。」
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