縁の鎖

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孤立と孤独

兄妹の約束

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「兄上。俺が旅立つ前、言ったよね?約束忘れちゃったの?」
「・・・。」

サーペントが留学に出発する時、カーネリアンに耳打ちした約束がある。

《兄上、ジュエリー義姉上を傷つけるなよ。もし守れないなら婚約で縛りつけるな。自由にしてやれ。ま、気をつけて下さいね。国一つ簡単に滅ぼせる、俺が敵に回るんですよ。約束です。》

「忘れたとは言わせないよ。」
「い、今はお前との約束をどうこう言っている場ではない!殺人未遂の断罪を行なっているんだ!実の弟だろうと王位継承者の私の判決を、阻むのを見過ごす訳には行かん!」
「はぁ~目だけでなく、頭まで濁り始めちゃったか。」

サーペントが項垂れていると、耳元の魔法道具マジカルウイティから声が聞こえてきた。

「サーペント様、準備完了です。始めますか?」
「ああ!遠慮はいらない!盛大に、やってくれ!」

パキッン!ピキッ!バリッン!ザァーーーーー!!
室内だと言うのに、まるでスコールの様な水が降り出す。
サーペントはジュエリア、カルセドニー国王、プルメリア王妃、カモミーラ、マディラ伯爵夫人が濡れない様に、結界を張った。
一頻り水が降ると、パーティー会場に立ち込めていた甘い香りが消えた。
会場を覆っていた氷も溶けた。

「いや~めっちゃ興奮しましたよ!またやりたいですね!本当!新作の魔法道具マジカルウイティを使う時って、テンション上がりますよ!!」
「おいおい。そう何度も王城を水浸しにできる訳ないだろ。今回だけだ。今回だーけ!分かったな?ユーディア。」

ハイテンションで登場したのは、サーペントと一緒に留学していたユーディアだった。

「それで?サーペント殿下、効き目はどうですかね?ちゃんと効果発揮してますか?僕の作った、新薬全無効薬トゥーリヤンメディカは。」
「完璧だよ。この会場に充満していた誘引香ゆういんこうが消えた。後は、そこの毒婦に問いただすだけだ。」
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