縁の鎖

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孤立と孤独

教授

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隠密部隊の暗殺部員を務める、ルチルは王室から派遣された教員だ。
フィサリス学園に編入するに当たって、国王が監視のために派遣した。
万が一カーネリアンやサーペント、ジュエリアに害を成すことがあれば、病死に見せかけて暗殺するように命令が出ている。


「先生。お義姉様の成績が落ちたとは本当ですか?」
「フィサリス嬢。聞いたのか?今回のジュエリア様の成績は、目も当てられない。サーペント殿下やユーディアが留学した途端、成績が落ちた。まさかと思うが、不正を疑ってしまうほどだ。」
「お義姉様に限って、そんなこと…。」
「フィサリス嬢は、義姉想いだ。王太子殿下が、お心を寄せるのも納得だ。」
「そ、そんな事///。義妹としてお心を砕いてくださっているだけです/////。」
「あぁ~その赤くなっている君も、可愛いな~。」

愛おしそうに、フィサリスを抱きしめる。
ルチルは、任務など忘れてしまったように、フィサリスに夢中になっていた。


ジュエリアの悪評が出回った時、王の勅命を受け暗殺を決行した。
病死に見せかけるため、毒殺を目論んだ。
しかしフィサリスは

「私をお母様の元に、いざなってくださるのですね。ありがとうございます。」

と微笑むと、毒の盛られたジュースを飲み干そうとした。
しかしルチルは、毒のジュースをはたき落としてしまう。

「なぜ…なぜ毒と分かった!?」
「私、香りに敏感なのです。ジュースにほろ苦い香りがしたんです。」
「なぜ!毒と知りながら、飲もうとした!?」
「お義姉様の噂の根源は私です。先生がお義姉様の事でお呼びになったのですから、これを飲めばお義姉様のためになると思いました。」
「私は君を殺そうとしたんだ。なぜ、文句の一つも言わない。」
「それはでは無いからです。を汲んで殺そうとなさった人を、咎めるなんてできません。」
「だったら、ここで君を刺し殺してもいいんだな?」
「嫌です!そんな事させません!先生の手が汚れてしまいます!それなら、自分で胸を一突きにします!」

ルチルは無意識だった。
涙が頬を伝っていた。
涙を流したことなど、記憶に無い。
ルチルは聖女の様なフィサリスの慈悲深さに、今までの積もり積もった心の汚れを洗われた気持ちになった。
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