縁の鎖

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孤立と孤独

不調

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サーペントとユーディアが旅立って三ヶ月が過ぎた。

学園生活は様変わりした。
ジュエリアが開催していた放課後のお茶会は一人また一人と、参加者が減っていった。
カーネリアンとフィサリスが、お茶会を重ねてきたのだ。

「私のために、このような場を設けてくださり、ありがとうございます。ですが今後は私にも教えていただけますか?そうすれば、お茶会の日が被らずにすみますので。」
「ああ。今日は放課後のお茶会の日だったのか。それは、すまなかった。フィサリスと二人で考えたんだが、サプライズで喜ばせたかったんだ。」


またフィサリスの社交界デビューが、王城の舞踏会だったためカーネリアンがエスコートをした。

「王太子殿下は、婚約者の家にも気をかけるお優しい方ですわね。」
「未来の義妹とは言え、デビュタントのエスコートをされるとは。」
「ジュエリア様のデビュタントの時も絵になると思いましたが、フィサリス様ともお似合いですわ。」
「ジュエリア様とは浮世離れの雰囲気で圧倒されたが、フィサリス様とは現実味のある雰囲気で和むな。」


ジュエリアは日々、自分の立ち位置が分からなくなっていた。

『もっと頑張らなければ。もっと明るく振る舞わなければ。もっと柔軟にならなければ。もっと、もっと、もっと。』

これまで以上に王妃教育、学業、お茶会、夜会の社交活動に寝る間も惜しんで取り組んでいる。
カモミーラが心配して、アルミナに休ませるよ頼み込むほど無理を続けている。
王妃も見かねて、止めようとした。
だが国王から

「今後のジュエリアのためだ」

と言われ、泣く泣く黙認を続けている。


そんなジュエリアの努力が実る、学園の長期休暇前の実力試験が行われた。
だがジュエリアの努力は身を結ばなかた。
珍しく【優】を取れなかった。

冬季の長期休暇は建国記念の式典、国教の祝典、新年の祝賀会、国王の生誕祭などがあり王国中が浮き足立っている。
ジュエリアの誕生日も冬季休暇中にある。
ジュエリアは浮き足立っていたわけではない。
だが普段ならしないような、ケアレス・ミスをいくつもしていた。

「ジュエリア様。どうされたのです?珍しいミスが多かったですよ。冬季休暇は国中の祭事が続きますが、浮かれておいでだったのですか?フィサリス嬢は【秀】を、お取りになりましたよ。恥ずかしく無いのですか?」
「お言葉痛み入ります。今以上、精進いたします。ご指導ご鞭撻のほど、お願いいたします。」

教員のルチル教授に嫌味を言われても、謝罪と反省以外の言葉が見つからなかった。
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