縁の鎖

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変わりゆく日常

人の噂も七十五日

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瞬く間に広まった噂。

「フィサリス嬢がジュエリア様に、公爵家の確執の発端は自分にあると、謝罪したが許してもらえなかったようだ。」
「ジュエリア様は許すまで、フィサリス嬢に近づかないそうですわ。」
「近づかないと言うことは、社交界を締め出したも同然だ。」
「フィサリス嬢は寮に戻れば、部屋に閉じ籠って、学園ではジュエリア様に会わないよう休憩時間は学院との境にある庭園で過ごす事が多いようですわ。」
「公爵家の確執はフィサリス嬢ではなく、ジュエリア様が原因のようだ。」

悪い噂は流行病のように、広まり尾ひれはひれがつき始めた。


「ジュエリア、気を落とさないで。貴女は何も悪くないわ!」
「そうです!ジュエリア様は何もしていないのですから!」
から、誤解を招いたのよ。王太子殿下に、ご迷惑をかけてしまっているわ。どうしたらいいの。」

自分の行動一つでカーネリアンの顔の泥を塗ってしまうと、常に言動を気にしてきたジュエリアは今回の公爵家姉妹の確執騒動を酷く気にしていた。


「ジュリー義姉上、噂は七十五日だって言うじゃない。ほっとけばいいって。」
「ですがサーペント殿下、数日で噂に尾ひれはひれがついてます。真実が何かなんて、どうでもいい人達が面白おかしく喋るせいなんですが。」
「それもこれも、あの女のせいよ!“ジュエリアが許すまで二度と会わない”ってあの女が言ったからよ!」
「確かに、義姉上が会いに行かなければ、“顔を会わせないのは決定的な確執があり、許さない。”って言う意味にも取れるからな。」
「本当に悪質ですね!」

サーペント達は、日に日にジュエリアを貶める様な噂が多くなっている事に、頭を抱える。


「決めたわ!私、明日からフィサリスとランチを食べるわ!」
「「「えーーーー!?」」」
「そうすれば、噂も自然と消えると思うのよ!」
「義姉上、本気なの!?」
「ジュエリア、無理しちゃダメよ!」
「そうです!フィサリス嬢と食事なんて、トラウマ克服にしては荒療治過ぎますよ!」
「そんな事はないわ!いつかは克服しなければいけないの!もう逃げないわ!」


ジュエリアの決断を応援することにした3人。

「・・・だったら、俺達も同席させてもらうよ。」
「そうね!私達も一緒よ。」
「僕は命の恩人である、ジュエリア様の盾にも矛にも何でもなりますよ!」
「ありがとう。私、弱い自分を鍛え直すわ!」


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