縁の鎖

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変わりゆく日常

迷子

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『本当に広い学園ね。しかもカーネリアン様がいる最高学年が学院棟で、別のエリアなのね。登城を許されていないから、カーネリアン様に謝罪したくてもできないわね。』

移動教室へ向かいながらフィサリスは、カーネリアンへの謝罪を考えていた。


「あれ?移動教室はここだと聞いたのに、誰も居ないわ。間違えたのかしら?」

移動教室を探しているうちに、気づけば迷子になっていた。

「どうしましょう。きっと迷子になってしまったんだわ。どうやって戻ればいいのから?」


うろうろと彷徨さまよっていると、声をかけてきた人物がいた。

「君、さっきからここを何度も通っているようだけど、迷ったのか?」
「は、はい。お恥ずかしいですが、迷ってしまったようです。数日前に編入したばかりで、慣れていないので地図も持っていましたのに。」
「ここは最高学年の使用する、学院校舎だ。何処へ向かっていたのだ?」
「移動教室はここだと聞いておりますわ。」
「どれ。どこの教室か見せてみろ。」

フィサリスが声をかけて来た人物に近づき、地図を見せる。
ふわりと甘く包み込む様な香りが、鼻腔を刺激する。

「・・・君は、ジュエリア様の義妹のフィサリス嬢だね?」
「はい。フィサリスですわ。お義姉様とお知り合いですの?」
「ああ。私はレムリアン・シード・マディラ。私の父がジュエリア様の護衛をしている。」
「まぁ!そうでしたの!?私、お義姉様と、まだお会いできてませんの。お義姉様はお元気ですか?お義姉様のご様子を、教えていただけますか?」


レムリアンは近衛兵見習いとして、カーネリアンの側近として、常に緊張の面持ちで硬い表情を崩さない。
そのレムリアンが表情を和らげ、フィサリスにジュエリアの事を話す。
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