縁の鎖

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王城の暮らし

王城

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「ソーディア公爵令嬢。城に着きました。」

御者ぎょしゃは王城に到着した事を告げる。
馬車の扉を侯爵領から護衛をしてくれていた、近衛兵のハライトが開けてくれる。


「3日間の長旅、お疲れ様。」

そう言ってカーネリアンが出迎えてくれた。

「王太子殿下!?わざわざお出迎えいただき、恐悦至極に存じます。」

ジュエリアはカーネリアンが出迎えると思っていなかったので驚いた。

「ははははは。そんなに、かしこまらないでよ。今日から、ここが君の住まいになるんだから。それに本当の家族になるんだよ。遠慮なんていらないよ。」
「…はい。」
「直ぐには無理でも、そのうち慣れるよ。」


カーネリアンに優しくされるほど、ジュエリアの緊張が高まる。

『優しさに溺れれば、失う悲しみが大きくなるだけ。甘えてはいけない。期待してはいけない。幸せは一瞬のできごと。』

胸の内を知っているアルミナは、ジュエリアを悲しそうに見つめる。



「中に入って、お茶にでもしよう。長旅で疲れただろうから、ゆっくりして欲しい。」

カーネリアンがエスコートしようと差し出した手に、ジュエリアは怯える態度を取ってしまう。
カーネリアンは軽率だったと、苦笑いを浮かべ手を引っ込める。
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