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家族の形
初めての外の世界
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公爵令嬢が屋敷から旅立つと言うのに、見送りは誰一人として居なかった。
御家を護るため王宮へ入る者へ、公爵家の出した答えが表れていた。
遠ざかる邸を見ながら、15年の記憶を辿る。
幸せだった母との10年間
辛く悲しい5年間。
15年の間に自分に残ったモノは、母の残したオルゴールのみ。
「お嬢様。もう公爵邸が見えなくなりましたね。」
「そうね。私にとっては冷たい牢獄のような邸だったけれど、こうして見ると小さい鳥籠だったように思えるわ。」
「ふふふふふ。鳥籠だったのかも知れませんね。全てに怖がり飛べないフリをした鳥だったのです。今日からは自由に羽ばたいてください。」
「それはアナにも言えるのよ?私に着いて来なくても良かったのよ。アナには帰る場所があったでしょ?」
「いいえ!私はサリーフィリア様が嫁ぐ時に、二度と祖国の地は踏まない覚悟をしてこの国に来ました。なのでお嬢様が帰る場所であり、終焉の地なのです。」
「ふふふふふ。大袈裟ね。でも嬉しいわ。ありがとう。」
5年ぶりの穏やかな時間。
初めての外の世界。
馬車の窓を開け外の空気と流れる雲に、胸一杯の開放感を感じる。
馬車はゆっくり、王都へ進路を取る。
御家を護るため王宮へ入る者へ、公爵家の出した答えが表れていた。
遠ざかる邸を見ながら、15年の記憶を辿る。
幸せだった母との10年間
辛く悲しい5年間。
15年の間に自分に残ったモノは、母の残したオルゴールのみ。
「お嬢様。もう公爵邸が見えなくなりましたね。」
「そうね。私にとっては冷たい牢獄のような邸だったけれど、こうして見ると小さい鳥籠だったように思えるわ。」
「ふふふふふ。鳥籠だったのかも知れませんね。全てに怖がり飛べないフリをした鳥だったのです。今日からは自由に羽ばたいてください。」
「それはアナにも言えるのよ?私に着いて来なくても良かったのよ。アナには帰る場所があったでしょ?」
「いいえ!私はサリーフィリア様が嫁ぐ時に、二度と祖国の地は踏まない覚悟をしてこの国に来ました。なのでお嬢様が帰る場所であり、終焉の地なのです。」
「ふふふふふ。大袈裟ね。でも嬉しいわ。ありがとう。」
5年ぶりの穏やかな時間。
初めての外の世界。
馬車の窓を開け外の空気と流れる雲に、胸一杯の開放感を感じる。
馬車はゆっくり、王都へ進路を取る。
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