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5 ユリウス殿下視点

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俺は王子として産まれた。

同じ年に公爵家に女の子が産まれて直ぐに自分の婚約者になった。

初めて顔を合わせをする日、俺は嫌だった。

だが、その日になる前に偶然公爵と一緒に登城していた彼女を見た。

その瞬間、彼女に心を奪われた。

「(俺の婚約者は彼女以外居ない!俺の運命の人だ。)」

俺は幼いながらアリーシアに恋をした。

だが、婚約してからもう五年は経つが、アリーシアは俺を避けて居るのか?余り笑顔を見せてはくれなかった。

それでも彼女を自分に惚れさせる為、勉強も王になる為の努力をして来た。

「なぁ、リゼルグ。俺ってアリーシアに嫌われてんのかなぁ?」

「さぁ、僕に言われても分かりませんよ。」

リゼルグ・キャンベル侯爵令息で俺の側近の一人だ。

「グイグイ行き過ぎなのでは。押して駄目なら引いてみると言う言葉があります。殿下は押しが強すぎる気がします。」

此奴はリゼルグの双子の弟、ゼルドラ・キャンベルだ。

ゼルドラも側近の一人だ。

「他に好きな奴を作ってしまうだろ、そんなのは嫌だ。俺はアリーシアが良いであって彼女以外は有り得ない!なのに、アリーシア~。」

「リゼルグ兄さん、殿下は手遅れです。」

「ゼルドラ、そんな事は無いよ。」

リゼルグはゼルドラに笑顔で答えた。


~~~~~~

王子としての仕事と生徒会の仕事でアリーシアとの時間は昼食を一緒に食べて居る時だけだ。

「アリーシア!今日も一緒に……」

『殿下、申し訳ありません。今日はクラリスとマリーと一緒に食事すると約束をしていますので、今日は申し訳ありませんが、明日なら大丈夫ですわ。』

「(アリーシアはやっぱり俺を避けて居る!?)」

俺は仕方が無く、リゼルグ達と食べた。

生徒会の仕事でダンスパーティーが開催される事を知った俺はアリーシアにドレスを送った。

色は俺の色であるイエローにしてお揃いにした。

パーティーまで俺はずっとソワソワしていた。

パーティー当日、アリーシアが俺の送った俺の色に包まれて居る姿を見て胸が熱くなった。

「アリーシア、とても綺麗だよ。」

『殿下、ありがとうございます。』

パーティーが進んで音楽が変わり、生徒会長とそのパートナーがダンスを踊り始めた。

二人に続く様に俺もアリーシアとダンスを踊った。

「アリーシアと踊るのは凄く楽しみだったんだ。君の父上からダンスが得意と聞きていたから。」

『ユリウス殿下のリードがあってこそですわ。』

「いい加減、俺の事ユリウスって呼んで。俺の可愛いアリーシア。」

ダンスが終わるタイミングで俺はアリーシアの手の甲にキスをした。

余りそう言う事に慣れていないアリーシアは顔を赤くしてしまった。

俺はアリーシアの手を引き会場から出た。

「アリーシア……君はまだ俺から逃げようと考えてる?」

『それは……』

「安心して。俺は君以外を好きには成らないし、愛さないよ。」

俺は膝を突いて真剣な顔でアリーシアに言った。



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