60 / 123
第六十話 旅行好きの友達
しおりを挟む
その日の昼食どき、私はいつもとは違って友達二人と一緒にご飯を食べることにしたのですわ。
「カタリナちゃん、珍しいね。あちきたちと一緒にご飯食べるなんて」
とは赤い髪の女の子の名前はジェティビちゃん。
「そうそう、カタリナちゃんはいっつもレオナちゃんやアインス君と一緒だもんね。ウチらとご飯なんて初めて? じゃないかしら」
とは青い髪の女の子ヒスちゃんですわ。この二人はとても仲が良いですの。そして、共通の趣味で有名ですわ。それは、旅行。私は良い旅先の情報収集をお二人から出来ないか、と思って昼食を一緒に食べることにしたんですわ。
「で、話って何かしら?」
早速、ジェティビちゃんが私に尋ねてきましたわ。
「実は今度の月末に、旅行へ行こうという話になったのですわ。それで旅に詳しいあなた方から何か聞けないか、と思いましたのですわ」
「なるほど。ってことはそんなに遠くに行けないわね」
「ってことは今回はあちきの出番ね。ヒスは国外の旅に詳しいから」
ジェティビちゃんは自分の出番だとおっしゃいます。ヒスちゃんを見ると、少し悔しそうな表情をしながら頷いていたのですわ。
「仕方ないわ。今回は譲るわ。国内の旅はジェティビに負けるしね。国外も行けないことはないけど、ここからじゃプルミエールのキリィが関の山ってところ。別に面白くもない普通の街だしね」
「はい! ということで今回はあちき、ジェティビの出番なのだー。で、カタリナちゃんは何か要望あるかしらん?」
とりあえず私は簡単に要望をジェティビちゃんにお伝えしましたですの。
「そうね。片道二日以内で御主神様も私たちも楽しめるところがいいわ。何処か無いかしら」
「んー。そうするとあそことかどうかな? ラムネスは?」
「良いわね! さすがジェティビ!」
ジェティビちゃんの提案にヒスちゃんが褒めていますわ。でも私はラムネスという場所? 知らないのです。
「ラムネス? 何処かしら、そこは」
するとジェティビちゃんはどこからとも無く地図をばさりと広げて、その地図に指をさしながら教えてくれたのですわ。
「ラムネスの街はね……コレ見て? ソフィアから南にまっすぐ行くとブランシュ山があるでしょ? そこの麓にある村で一泊、ここまで大体丸一日。その後ぐるっとブランシュ山を回って反対側の麓の街へ。ここも丸一日かかるのよ。これで片道二日、ちなみにそこが目的地のラムネスよ。着いた初日はもう夜だし泊まるだけ。次の日とその次の日はまるまる遊べるわ。で、その次の日の朝発って反対側の麓の村で一泊。次の日の夜になる頃に帰って来れるわ」
「確かに場所はちょうど良いですわね。で、そこに何があるのかしら?」
「行ってのお楽しみー! と言いたい所だけど、それじゃ決められないだろうしね。温泉があるのよ。この国唯一のお♪ん♪せ♪ん♪」
聞き覚えの無い言葉に私首を傾げましたのですわ。
「温泉? 何かしら、それは」
「温泉はね、簡単に言うと地面からお湯がいっぱい、いーーっぱい出てるの。でね、でね! そのお湯は普通のお湯とはちょーっと違うのよ。それに浸かるの。水浴びと違って暖かくて癒されるわよー。この辺じゃシャワーを浴びる習慣はあるけど、お風呂に入る習慣ないしね」
するとヒスちゃんが感慨深く頷きましたわ。
「そうそう、お風呂は東方の国の習慣だからね。ホントはウチは毎日でも入りたいけど。家には浴槽も無いし……お湯もいっぱい使うから大変だしね。この辺じゃ、ラークアしかないくらいだし」
「あら、孤児院にも一応ありましてよ? 使ってはないけれども……まとめて子どもたちを入れるにはちょうど良かったみたい。でもお金がかかりますからね」
「えー、うそ! いいなぁ! 今度使わせてよ!」
ヒスちゃんが、浴槽を使いたいと私にお願いして来ましたんですの。
「ええ、シスターに頼んでも宜しくてよ。でも、お湯まで用意は難しいんじゃ無いかしら」
するとジェティビちゃんが話に入ってきましたわ。
「だよねー、普通はそうよ。で♪も、この街にはいっぱい温泉が湧くから入れるのよん♪ だから宿もいっぱいあるしね!」
「なるほど……でも、温泉ってのに入るだけで楽しいの?」
「ふっふっふっ……このジェイティビ様を舐めないで欲しいわん! 普通、シャワーとかお風呂は普通は男女別だけど、ななななーんと! ラムネスには男女一緒に入れる施設があるのよ!」
その言葉に、さすがの私も動揺してしまいますわ。
「えっ? い、一緒に? さ、さすがに恥ずかしいですわ……」
すると、ジェティビは身を乗り出して続けましたわ。
「大丈夫、それは安心して。水浴びの時に使う水着……皆、着て入るから」
「な、なるほど……み、水着ですわね。な、名前は聞いたことありますわ」
「そ♪れ♪に、カタリナちゃん、すんごい体してるから、水着でアインス君のこと、悩殺出来るわよ。のーさつ♪ お気に入りなんでしょ? アインス君のことが?」
ジェイティビがウィンクして私の胸をつんつんと指したですわ。
「の、悩殺なんて……そんな……」
私は顔に手を当てて恥ずかしがってしまいまのですわ。すると、ジェティビちゃんは席を立ちこう告げたのですわ。
「あ、そろそろ行かなきゃ! 授業の準備しなきゃいけないしね! じゃあね!」
「え、ええ! ありがとうですわ」
「待って! ウチも行くわ! あ、カタリナちゃん! 水着持ってくの忘れないでね! あと、結果教えてね!」
と、私は慌ただしく去っていお二人の背を見送ったのですわ。
「カタリナちゃん、珍しいね。あちきたちと一緒にご飯食べるなんて」
とは赤い髪の女の子の名前はジェティビちゃん。
「そうそう、カタリナちゃんはいっつもレオナちゃんやアインス君と一緒だもんね。ウチらとご飯なんて初めて? じゃないかしら」
とは青い髪の女の子ヒスちゃんですわ。この二人はとても仲が良いですの。そして、共通の趣味で有名ですわ。それは、旅行。私は良い旅先の情報収集をお二人から出来ないか、と思って昼食を一緒に食べることにしたんですわ。
「で、話って何かしら?」
早速、ジェティビちゃんが私に尋ねてきましたわ。
「実は今度の月末に、旅行へ行こうという話になったのですわ。それで旅に詳しいあなた方から何か聞けないか、と思いましたのですわ」
「なるほど。ってことはそんなに遠くに行けないわね」
「ってことは今回はあちきの出番ね。ヒスは国外の旅に詳しいから」
ジェティビちゃんは自分の出番だとおっしゃいます。ヒスちゃんを見ると、少し悔しそうな表情をしながら頷いていたのですわ。
「仕方ないわ。今回は譲るわ。国内の旅はジェティビに負けるしね。国外も行けないことはないけど、ここからじゃプルミエールのキリィが関の山ってところ。別に面白くもない普通の街だしね」
「はい! ということで今回はあちき、ジェティビの出番なのだー。で、カタリナちゃんは何か要望あるかしらん?」
とりあえず私は簡単に要望をジェティビちゃんにお伝えしましたですの。
「そうね。片道二日以内で御主神様も私たちも楽しめるところがいいわ。何処か無いかしら」
「んー。そうするとあそことかどうかな? ラムネスは?」
「良いわね! さすがジェティビ!」
ジェティビちゃんの提案にヒスちゃんが褒めていますわ。でも私はラムネスという場所? 知らないのです。
「ラムネス? 何処かしら、そこは」
するとジェティビちゃんはどこからとも無く地図をばさりと広げて、その地図に指をさしながら教えてくれたのですわ。
「ラムネスの街はね……コレ見て? ソフィアから南にまっすぐ行くとブランシュ山があるでしょ? そこの麓にある村で一泊、ここまで大体丸一日。その後ぐるっとブランシュ山を回って反対側の麓の街へ。ここも丸一日かかるのよ。これで片道二日、ちなみにそこが目的地のラムネスよ。着いた初日はもう夜だし泊まるだけ。次の日とその次の日はまるまる遊べるわ。で、その次の日の朝発って反対側の麓の村で一泊。次の日の夜になる頃に帰って来れるわ」
「確かに場所はちょうど良いですわね。で、そこに何があるのかしら?」
「行ってのお楽しみー! と言いたい所だけど、それじゃ決められないだろうしね。温泉があるのよ。この国唯一のお♪ん♪せ♪ん♪」
聞き覚えの無い言葉に私首を傾げましたのですわ。
「温泉? 何かしら、それは」
「温泉はね、簡単に言うと地面からお湯がいっぱい、いーーっぱい出てるの。でね、でね! そのお湯は普通のお湯とはちょーっと違うのよ。それに浸かるの。水浴びと違って暖かくて癒されるわよー。この辺じゃシャワーを浴びる習慣はあるけど、お風呂に入る習慣ないしね」
するとヒスちゃんが感慨深く頷きましたわ。
「そうそう、お風呂は東方の国の習慣だからね。ホントはウチは毎日でも入りたいけど。家には浴槽も無いし……お湯もいっぱい使うから大変だしね。この辺じゃ、ラークアしかないくらいだし」
「あら、孤児院にも一応ありましてよ? 使ってはないけれども……まとめて子どもたちを入れるにはちょうど良かったみたい。でもお金がかかりますからね」
「えー、うそ! いいなぁ! 今度使わせてよ!」
ヒスちゃんが、浴槽を使いたいと私にお願いして来ましたんですの。
「ええ、シスターに頼んでも宜しくてよ。でも、お湯まで用意は難しいんじゃ無いかしら」
するとジェティビちゃんが話に入ってきましたわ。
「だよねー、普通はそうよ。で♪も、この街にはいっぱい温泉が湧くから入れるのよん♪ だから宿もいっぱいあるしね!」
「なるほど……でも、温泉ってのに入るだけで楽しいの?」
「ふっふっふっ……このジェイティビ様を舐めないで欲しいわん! 普通、シャワーとかお風呂は普通は男女別だけど、ななななーんと! ラムネスには男女一緒に入れる施設があるのよ!」
その言葉に、さすがの私も動揺してしまいますわ。
「えっ? い、一緒に? さ、さすがに恥ずかしいですわ……」
すると、ジェティビは身を乗り出して続けましたわ。
「大丈夫、それは安心して。水浴びの時に使う水着……皆、着て入るから」
「な、なるほど……み、水着ですわね。な、名前は聞いたことありますわ」
「そ♪れ♪に、カタリナちゃん、すんごい体してるから、水着でアインス君のこと、悩殺出来るわよ。のーさつ♪ お気に入りなんでしょ? アインス君のことが?」
ジェイティビがウィンクして私の胸をつんつんと指したですわ。
「の、悩殺なんて……そんな……」
私は顔に手を当てて恥ずかしがってしまいまのですわ。すると、ジェティビちゃんは席を立ちこう告げたのですわ。
「あ、そろそろ行かなきゃ! 授業の準備しなきゃいけないしね! じゃあね!」
「え、ええ! ありがとうですわ」
「待って! ウチも行くわ! あ、カタリナちゃん! 水着持ってくの忘れないでね! あと、結果教えてね!」
と、私は慌ただしく去っていお二人の背を見送ったのですわ。
0
お気に入りに追加
1,368
あなたにおすすめの小説
拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。
ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった
16歳の少年【カン】
しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ
これで魔導まで極めているのだが
王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ
渋々それに付き合っていた…
だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう
この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである
※タイトルは思い付かなかったので適当です
※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました
以降はあとがきに変更になります
※現在執筆に集中させて頂くべく
必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします
※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください
残滓と呼ばれたウィザード、絶望の底で大覚醒! 僕を虐げてくれたみんなのおかげだよ(ニヤリ)
SHO
ファンタジー
15歳になり、女神からの神託の儀で魔法使い(ウィザード)のジョブを授かった少年ショーンは、幼馴染で剣闘士(ソードファイター)のジョブを授かったデライラと共に、冒険者になるべく街に出た。
しかし、着々と実績を上げていくデライラとは正反対に、ショーンはまともに魔法を発動する事すら出来ない。
相棒のデライラからは愛想を尽かされ、他の冒険者たちからも孤立していくショーンのたった一つの心の拠り所は、森で助けた黒ウサギのノワールだった。
そんなある日、ショーンに悲劇が襲い掛かる。しかしその悲劇が、彼の人生を一変させた。
無双あり、ザマァあり、復讐あり、もふもふありの大冒険、いざ開幕!
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
異世界でのんきに冒険始めました!
おむす微
ファンタジー
色々とこじらせた、平凡な三十路を過ぎたオッサンの主人公が(専門知識とか無いです)異世界のお転婆?女神様に拉致されてしまい……勘違いしたあげく何とか頼み込んで異世界に…?。
基本お気楽で、欲望全快?でお届けする。異世界でお気楽ライフ始めるコメディー風のお話しを書いてみます(あくまで、"風"なので期待しないで気軽に読んでネ!)一応15R にしときます。誤字多々ありますが初めてで、学も無いためご勘弁下さい。
ただその場の勢いで妄想を書き込めるだけ詰め込みますので完全にご都合主義でつじつまがとか気にしたら敗けです。チートはあるけど、主人公は一般人になりすましている(つもり)なので、人前で殆んど無双とかしません!思慮が足りないと言うか色々と垂れ流して、バレバレですが気にしません。徐々にハーレムを増やしつつお気楽な冒険を楽しんで行くゆる~い話です。それでも宜しければ暇潰しにどうぞ。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~
こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。
それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。
かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。
果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!?
※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる