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第三十一話 カタリナのスタイル
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「ご主人様。おはようございます」
僕はレオナの優しい声で目を覚ました。瞳を開けると当然そこにはレオナの姿があった。昨日と同じ光景だ。
「ん、んー。おはよう、レオナ」
一つ伸びをしてから僕もレオナに目覚めの挨拶を返す。
「これじゃ一緒に住んでるのと変わらないじゃない? 鍵まで渡して起こしてもらうんじゃ。まだ早いって言ってたのはどの口かしら」
「ん? 何か言った? リア?」
「なんでもないデース」
「私が無理を言ったんです。ご主人様を責めないで下さい」
「はいはい。そりゃずっと一緒にいるならレオナが鍵持ってても一緒だもんね」
僕はリアの言葉に苦笑いを浮かべた。レオナは強情な所があるから、一度言ったら聞かない部分がある。僕にもメリットあるし、鍵を渡して朝は起こしてもらうことにした。
前は早起きだったのに、前世の記憶が戻ってからは朝に弱くなったみたい。前は夜型人間だったからかな? 早起きのレオナに起こして貰うのは正直助かる。
「リア、それくらいにしましょう。朝は時間が無いのですから。ご主人様、早速、食堂に向かいましょう。朝食のお時間ですから」
「だね、あまりからかってると置いてくよ? リア」
「あー、そんなー。嘘、うそだから置いてかないでぇ」
食堂で朝食を取り、教室は向かうとそこには既に何人かの生徒たちがいくつかの纏まりを作っていた。
「もう何人か、来てるみたいだね」
「ええ、班ごとに纏まってるみたいです」
「仲がいい人たちで作ったから、そうなるよね?」
僕とレオナがそんなような会話をしていると、背後から少しだけ聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「皆様、おはようですわ!」
その挨拶に振り返ると、そこには眼鏡をかけた金髪のグラマラスな身体を持った美女が立っていた。明らかに制服のサイズが合ってないほど、胸ははち切れんばかり。逆にお腹周りはぶかぶかだった。
こんな美女に知り合いはいないと一瞬思ったけど、眼鏡だけは覚えがあった。僕自身で創ったモノだったから。
「え? カ、カタリナ?」
「何を仰ってるのかしら。勿論そうですわ」
レオナにチラリと視線を送ると、自分の胸とカタリナの胸をチラチラと見比べている。いやいや、レオナだって結構発育いいからね? 大丈夫、気にしなくて! リアは自分の姿が見えないのを良いことに、明らかに敵意が剥き出しな表情だった。
ま、まあリアは絶壁だから、それは仕方の無いことかもしれない……大丈夫、胸はサイズじゃないよ!
なーんて言えるはずもない僕は、とりあえずカタリナとの会話を続けた。
「あ、い、いや。制服着てる姿は初めてだったから……」
「あの時は部屋着でしたものね! ただ、この制服、一番大きいサイズをお願いしたんですけど、胸周りがキツくて……逆にお腹周りはブカブカで困りますわ! 改めて仕立てるらしくて、出来上がるまではこれで我慢するしかないんですの」
胸元をちょっと開けながらカタリナはそう言った。あの、谷間見えてるんですけど……
「そ、そっかー。それは大変だねー」
これ以上見てられないと僕はカタリナから視線を外した。
「カタリナちゃん。おはようございます」
「ええ、レオナちゃん。おはようございます」
レオナのオーラが凄い……笑顔の裏側で何かの思いを秘めているようだった。それにまるで気づいていない様子のカタリナ。リア? 怖くて見れないよ。
その時だった。アマンダ先生が教室へ入ってきたのは。
「はいはい! 皆、席に着いてー。授業を始めるわよ」
声につられて蜘蛛の子を散らすように、皆は自分の席に向かった。で、僕は席に着く時にレオナに耳元で聞いてみる。
「レ、レオナ! し、知ってたの? カタリナがこんなにスタイル良いなんて!」
「わ、私も初めてです……孤児院ではダボッとした部屋着しか見たこと無かったですから……」
あー確かにそうだったかも……
皆が席に座ったことを確認したアマンダ先生が教壇の上でこう話し出した。
「じゃ、今からは総合授業のお時間よ。基本的なお勉強をしていくわ。はい、これが教科書よ。前から順番に回して行ってね。一年間使うんだからタダだからって言って雑に扱わないこと!」
授業は大きく分けて総合授業と魔法授業、戦闘授業があるらしい。
総合授業は前の世界で言う、国語算数理科社会みたいなものを全て引っ括めたものみたい。
魔法授業は基本的に魔法向けの職位と技能の説明や実演、戦闘授業は、近接戦闘向けの職位と技能の説明や実演だと聞いている。
実際は、この三組には戦闘向けの職位を持っている者はいないから、魔法だったり戦闘の技能は使えるものはほとんどいないけど、これも知識としてやるみたい。だから、この三組は総合授業の時間が主だ。だからといって、三組が劣っている訳では無い。総合授業だってとても重要な勉強だ。街を動かすのは冒険者ではないのだから、戦うよりも勉強が大事な人たちだっていっぱいいる。アマンダ先生がそう言ってたし、その話を聞いて僕もそう思った。
「これが教科書かぁ……ってちょっと待って? おかしくない? これ」
僕はとあることに気がついて、ついそう呟いてしまった。
僕はレオナの優しい声で目を覚ました。瞳を開けると当然そこにはレオナの姿があった。昨日と同じ光景だ。
「ん、んー。おはよう、レオナ」
一つ伸びをしてから僕もレオナに目覚めの挨拶を返す。
「これじゃ一緒に住んでるのと変わらないじゃない? 鍵まで渡して起こしてもらうんじゃ。まだ早いって言ってたのはどの口かしら」
「ん? 何か言った? リア?」
「なんでもないデース」
「私が無理を言ったんです。ご主人様を責めないで下さい」
「はいはい。そりゃずっと一緒にいるならレオナが鍵持ってても一緒だもんね」
僕はリアの言葉に苦笑いを浮かべた。レオナは強情な所があるから、一度言ったら聞かない部分がある。僕にもメリットあるし、鍵を渡して朝は起こしてもらうことにした。
前は早起きだったのに、前世の記憶が戻ってからは朝に弱くなったみたい。前は夜型人間だったからかな? 早起きのレオナに起こして貰うのは正直助かる。
「リア、それくらいにしましょう。朝は時間が無いのですから。ご主人様、早速、食堂に向かいましょう。朝食のお時間ですから」
「だね、あまりからかってると置いてくよ? リア」
「あー、そんなー。嘘、うそだから置いてかないでぇ」
食堂で朝食を取り、教室は向かうとそこには既に何人かの生徒たちがいくつかの纏まりを作っていた。
「もう何人か、来てるみたいだね」
「ええ、班ごとに纏まってるみたいです」
「仲がいい人たちで作ったから、そうなるよね?」
僕とレオナがそんなような会話をしていると、背後から少しだけ聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「皆様、おはようですわ!」
その挨拶に振り返ると、そこには眼鏡をかけた金髪のグラマラスな身体を持った美女が立っていた。明らかに制服のサイズが合ってないほど、胸ははち切れんばかり。逆にお腹周りはぶかぶかだった。
こんな美女に知り合いはいないと一瞬思ったけど、眼鏡だけは覚えがあった。僕自身で創ったモノだったから。
「え? カ、カタリナ?」
「何を仰ってるのかしら。勿論そうですわ」
レオナにチラリと視線を送ると、自分の胸とカタリナの胸をチラチラと見比べている。いやいや、レオナだって結構発育いいからね? 大丈夫、気にしなくて! リアは自分の姿が見えないのを良いことに、明らかに敵意が剥き出しな表情だった。
ま、まあリアは絶壁だから、それは仕方の無いことかもしれない……大丈夫、胸はサイズじゃないよ!
なーんて言えるはずもない僕は、とりあえずカタリナとの会話を続けた。
「あ、い、いや。制服着てる姿は初めてだったから……」
「あの時は部屋着でしたものね! ただ、この制服、一番大きいサイズをお願いしたんですけど、胸周りがキツくて……逆にお腹周りはブカブカで困りますわ! 改めて仕立てるらしくて、出来上がるまではこれで我慢するしかないんですの」
胸元をちょっと開けながらカタリナはそう言った。あの、谷間見えてるんですけど……
「そ、そっかー。それは大変だねー」
これ以上見てられないと僕はカタリナから視線を外した。
「カタリナちゃん。おはようございます」
「ええ、レオナちゃん。おはようございます」
レオナのオーラが凄い……笑顔の裏側で何かの思いを秘めているようだった。それにまるで気づいていない様子のカタリナ。リア? 怖くて見れないよ。
その時だった。アマンダ先生が教室へ入ってきたのは。
「はいはい! 皆、席に着いてー。授業を始めるわよ」
声につられて蜘蛛の子を散らすように、皆は自分の席に向かった。で、僕は席に着く時にレオナに耳元で聞いてみる。
「レ、レオナ! し、知ってたの? カタリナがこんなにスタイル良いなんて!」
「わ、私も初めてです……孤児院ではダボッとした部屋着しか見たこと無かったですから……」
あー確かにそうだったかも……
皆が席に座ったことを確認したアマンダ先生が教壇の上でこう話し出した。
「じゃ、今からは総合授業のお時間よ。基本的なお勉強をしていくわ。はい、これが教科書よ。前から順番に回して行ってね。一年間使うんだからタダだからって言って雑に扱わないこと!」
授業は大きく分けて総合授業と魔法授業、戦闘授業があるらしい。
総合授業は前の世界で言う、国語算数理科社会みたいなものを全て引っ括めたものみたい。
魔法授業は基本的に魔法向けの職位と技能の説明や実演、戦闘授業は、近接戦闘向けの職位と技能の説明や実演だと聞いている。
実際は、この三組には戦闘向けの職位を持っている者はいないから、魔法だったり戦闘の技能は使えるものはほとんどいないけど、これも知識としてやるみたい。だから、この三組は総合授業の時間が主だ。だからといって、三組が劣っている訳では無い。総合授業だってとても重要な勉強だ。街を動かすのは冒険者ではないのだから、戦うよりも勉強が大事な人たちだっていっぱいいる。アマンダ先生がそう言ってたし、その話を聞いて僕もそう思った。
「これが教科書かぁ……ってちょっと待って? おかしくない? これ」
僕はとあることに気がついて、ついそう呟いてしまった。
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