53 / 131
パルメティの街
目が覚めました
しおりを挟む
次の目覚めは朝日の光をまぶたに感じたからでもあるが、水っぽい音が耳に届いたのも要因の一つだ。
「……ん?」
昨夜に続きまたも寝ぼけ気味に瞼を開けたホイムだったが、今朝もやはり体が動かない。
今度はルカがお腹に乗っている感じ……ではなく、睡眠を経たのに体がダルい。
理由はすぐに分かった。
「ルカ……ちょっと……」
昨夜と同じくルカはホイムと一緒にベッドにいる。
しかし狼形態ではなく、人の姿をしてホイムの上にいる。
水音の正体は、ルカが下着まで脱がせたホイムの股に顔を埋めて一心不乱に吸い付いていたからだ。
「もご? むぐぐっ!」
ホイムの起床を確認したルカは元気いっぱいに返事をしているようであったが、口いっぱいに元気いっぱいのを頬張っているせいで何を言ってるのか全く伝わらなかった。
「ちょっと……あ、ダメだよこれ本当マジでそんなん!」
意識がはっきりと覚醒してくると同時に、下半身が痺れるように熱く……寧ろ痛くなっていることを自覚していく。
もがくホイムがルカの寝起き奉仕から逃れる前に限界がきた。
ルカの中でぴくぴくと暴れているのは間違いなく、その間彼女も一切口を離そうとしないので起きて早々頭の芯が蕩けそうになるのだが、全くもって精を吐きだしている感覚がない。
「ルカあのね……ごめんちょっと止めて!」
「んん?」
言うことを聞いて動きは止まるが口を離しはしていない。そうやって眠りこけているホイムにずっと引っ付いていたに違いない。
「あのね……僕何回イってる?」
「むむ……もっもっ!」
「口離して答えてね!」
そのままずっと含まれていたらまた元気になるのは明白だったが、もう朝イチから限界待ったなしの状態であるのはホイム自身がよく分かっていた。
「んぱっ……六回!」
起きてから……正確には起きる前からルカに付き合わされていたのだが、既にそれだけの回数を迎えていれば、出すものもすっからかんになって当然であった。
「……朝からどうして?」
理由を訊ねると、昨日と打って変わって元気なルカは笑顔でホイムに答える。
「昨日何もできなかった! だから今日いっぱいする!」
一日が過ぎて寂しさに丸くなる期間は終わったのだろうし、彼女が元気になることはホイムとしても嬉しいことではあるが、それはそれとして今日はもう朝から限界である。
「キュアを……いや意味がない」
女神のもとで学んだ回復魔法の使い方を実践すれば下半身の元気は戻るがしかし体力までは戻らない。
それではあまり意味がない。今はとにかく逃れなくては。
しかしホイムの思惑通りにいくわけもない。
下半身にしがみついていたルカが、今度はホイムの体に覆いかぶさってきたのだ。
「練習終わり! 今から本番!」
口の周りについていたモノを舌なめずりして拭い取ったルカが、ホイムの限界とは裏腹にまだイケますと張り切る下半身にゆっくりと跨ってくる。
ルカの方は受け入れる準備万端であり、ホイムの体も突撃する気があるようだ。
拒否したがっているのはホイムの意思だけである。
「こ……殺される」
短時間で幾度も絶頂を迎えたせいでの過労死。
ある意味羨ましい末路であるが彼はまだ死ぬには早いのだ。
こういう時、彼が頼るのは決まっている。
「助けてー、アカネさぁん!」
どうにか絞り出して彼女の名前を呼んだ瞬間、ホイムの体はルカの下から連れ出されていた。
代わりに彼女は干し肉をしゃぶらされていた。
「ムグムグ……。これ知ってる……変わり身の干し肉!」
干し肉を口にしたまま、ルカは驚きの声を上げる。
「おはようございますホイム様」
アカネの手によって救出されたホイムは、部屋の隅で彼女に抱きかかえられていた。
「おはようございます……」
それだけ答えてホイムの首がかくっと落ちた。起きて早々体力の限界を迎えたので、また眠りについたのだった。
ようやくホイムの調子が戻ってまともに動けそうになったのはお昼ごろであった。
その間、ルカはあまりにホイムを酷使させてしまった反省と称してアカネに散々お説教をされていた。
「うう……ルカも今後は自重する」
「その通りです! 私も三人旅ということで自身の分を弁え、節度のある関係を築いていこうと決めたのです。ルカもそうしてください」
(今日のルカと同じくらいの回数を二人旅最後の夜にヤっちゃってるんだけど……)
ホイムは少し苦笑いしてしまった。
「お説教もその辺りにして、そろそろ冒険者ギルドへ行きましょうか」
アカネはまだ物足りなかったようだが、ようやく解放されると悟ったルカは喜んでホイムのもとにすっ飛んでくる。
「ああもう……言ってる傍から」
「まあまあ」
アカネを宥め、ホイム達はパルメティに来て三日目にしてようやく三人揃って街を歩くことができたのだった。
「……ん?」
昨夜に続きまたも寝ぼけ気味に瞼を開けたホイムだったが、今朝もやはり体が動かない。
今度はルカがお腹に乗っている感じ……ではなく、睡眠を経たのに体がダルい。
理由はすぐに分かった。
「ルカ……ちょっと……」
昨夜と同じくルカはホイムと一緒にベッドにいる。
しかし狼形態ではなく、人の姿をしてホイムの上にいる。
水音の正体は、ルカが下着まで脱がせたホイムの股に顔を埋めて一心不乱に吸い付いていたからだ。
「もご? むぐぐっ!」
ホイムの起床を確認したルカは元気いっぱいに返事をしているようであったが、口いっぱいに元気いっぱいのを頬張っているせいで何を言ってるのか全く伝わらなかった。
「ちょっと……あ、ダメだよこれ本当マジでそんなん!」
意識がはっきりと覚醒してくると同時に、下半身が痺れるように熱く……寧ろ痛くなっていることを自覚していく。
もがくホイムがルカの寝起き奉仕から逃れる前に限界がきた。
ルカの中でぴくぴくと暴れているのは間違いなく、その間彼女も一切口を離そうとしないので起きて早々頭の芯が蕩けそうになるのだが、全くもって精を吐きだしている感覚がない。
「ルカあのね……ごめんちょっと止めて!」
「んん?」
言うことを聞いて動きは止まるが口を離しはしていない。そうやって眠りこけているホイムにずっと引っ付いていたに違いない。
「あのね……僕何回イってる?」
「むむ……もっもっ!」
「口離して答えてね!」
そのままずっと含まれていたらまた元気になるのは明白だったが、もう朝イチから限界待ったなしの状態であるのはホイム自身がよく分かっていた。
「んぱっ……六回!」
起きてから……正確には起きる前からルカに付き合わされていたのだが、既にそれだけの回数を迎えていれば、出すものもすっからかんになって当然であった。
「……朝からどうして?」
理由を訊ねると、昨日と打って変わって元気なルカは笑顔でホイムに答える。
「昨日何もできなかった! だから今日いっぱいする!」
一日が過ぎて寂しさに丸くなる期間は終わったのだろうし、彼女が元気になることはホイムとしても嬉しいことではあるが、それはそれとして今日はもう朝から限界である。
「キュアを……いや意味がない」
女神のもとで学んだ回復魔法の使い方を実践すれば下半身の元気は戻るがしかし体力までは戻らない。
それではあまり意味がない。今はとにかく逃れなくては。
しかしホイムの思惑通りにいくわけもない。
下半身にしがみついていたルカが、今度はホイムの体に覆いかぶさってきたのだ。
「練習終わり! 今から本番!」
口の周りについていたモノを舌なめずりして拭い取ったルカが、ホイムの限界とは裏腹にまだイケますと張り切る下半身にゆっくりと跨ってくる。
ルカの方は受け入れる準備万端であり、ホイムの体も突撃する気があるようだ。
拒否したがっているのはホイムの意思だけである。
「こ……殺される」
短時間で幾度も絶頂を迎えたせいでの過労死。
ある意味羨ましい末路であるが彼はまだ死ぬには早いのだ。
こういう時、彼が頼るのは決まっている。
「助けてー、アカネさぁん!」
どうにか絞り出して彼女の名前を呼んだ瞬間、ホイムの体はルカの下から連れ出されていた。
代わりに彼女は干し肉をしゃぶらされていた。
「ムグムグ……。これ知ってる……変わり身の干し肉!」
干し肉を口にしたまま、ルカは驚きの声を上げる。
「おはようございますホイム様」
アカネの手によって救出されたホイムは、部屋の隅で彼女に抱きかかえられていた。
「おはようございます……」
それだけ答えてホイムの首がかくっと落ちた。起きて早々体力の限界を迎えたので、また眠りについたのだった。
ようやくホイムの調子が戻ってまともに動けそうになったのはお昼ごろであった。
その間、ルカはあまりにホイムを酷使させてしまった反省と称してアカネに散々お説教をされていた。
「うう……ルカも今後は自重する」
「その通りです! 私も三人旅ということで自身の分を弁え、節度のある関係を築いていこうと決めたのです。ルカもそうしてください」
(今日のルカと同じくらいの回数を二人旅最後の夜にヤっちゃってるんだけど……)
ホイムは少し苦笑いしてしまった。
「お説教もその辺りにして、そろそろ冒険者ギルドへ行きましょうか」
アカネはまだ物足りなかったようだが、ようやく解放されると悟ったルカは喜んでホイムのもとにすっ飛んでくる。
「ああもう……言ってる傍から」
「まあまあ」
アカネを宥め、ホイム達はパルメティに来て三日目にしてようやく三人揃って街を歩くことができたのだった。
1
お気に入りに追加
2,315
あなたにおすすめの小説
異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!
アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。
->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました!
ーーーー
ヤンキーが勇者として召喚された。
社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。
巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。
そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。
ほのぼのライフを目指してます。
設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。
6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。
辺境で魔物から国を守っていたが、大丈夫になったので新婚旅行へ出掛けます!
naturalsoft
ファンタジー
王国の西の端にある魔物の森に隣接する領地で、日々魔物から国を守っているグリーンウッド辺境伯爵は、今日も魔物を狩っていた。王国が隣接する国から戦争になっても、王国が内乱になっても魔物を狩っていた。
うん?力を貸せ?無理だ!
ここの兵力を他に貸し出せば、あっという間に国中が魔物に蹂躙されるが良いのか?
いつもの常套句で、のらりくらりと相手の要求を避けるが、とある転機が訪れた。
えっ、ここを守らなくても大丈夫になった?よし、遅くなった新婚旅行でも行くか?はい♪あなた♪
ようやく、魔物退治以外にやる気になったグリーンウッド辺境伯の『家族』の下には、実は『英雄』と呼ばれる傑物達がゴロゴロと居たのだった。
この小説は、新婚旅行と称してあっちこっちを旅しながら、トラブルを解決して行き、大陸中で英雄と呼ばれる事になる一家のお話である!
(けっこうゆるゆる設定です)
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
あ、出ていって差し上げましょうか?許可してくださるなら喜んで出ていきますわ!
リーゼロッタ
ファンタジー
生まれてすぐ、国からの命令で神殿へ取られ十二年間。
聖女として真面目に働いてきたけれど、ある日婚約者でありこの国の王子は爆弾発言をする。
「お前は本当の聖女ではなかった!笑わないお前など、聖女足り得ない!本来の聖女は、このマルセリナだ。」
裏方の聖女としてそこから三年間働いたけれど、また王子はこう言う。
「この度の大火、それから天変地異は、お前がマルセリナの祈りを邪魔したせいだ!出ていけ!二度と帰ってくるな!」
あ、そうですか?許可が降りましたわ!やった!
、、、ただし責任は取っていただきますわよ?
◆◇◆◇◆◇
誤字・脱字等のご指摘・感想・お気に入り・しおり等をくださると、作者が喜びます。
100話以内で終わらせる予定ですが、分かりません。あくまで予定です。
更新は、夕方から夜、もしくは朝七時ごろが多いと思います。割と忙しいので。
また、更新は亀ではなくカタツムリレベルのトロさですので、ご承知おきください。
更新停止なども長期の期間に渡ってあることもありますが、お許しください。
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
異世界で農業をやろうとしたら雪山に放り出されました。
マーチ・メイ
ファンタジー
異世界召喚に巻き込まれたサラリーマンが異世界でスローライフ。
女神からアイテム貰って意気揚々と行った先はまさかの雪山でした。
※当分主人公以外人は出てきません。3か月は確実に出てきません。
修行パートや縛りゲーが好きな方向けです。湿度や温度管理、土のphや連作、肥料までは加味しません。
雪山設定なので害虫も病気もありません。遺伝子組み換えなんかも出てきません。完璧にご都合主義です。魔法チート有りで本格的な農業ではありません。
更新も不定期になります。
※小説家になろうと同じ内容を公開してます。
週末にまとめて更新致します。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
へぇ。美的感覚が違うんですか。なら私は結婚しなくてすみそうですね。え?求婚ですか?ご遠慮します
如月花恋
ファンタジー
この世界では女性はつり目などのキツい印象の方がいいらしい
全くもって分からない
転生した私にはその美的感覚が分からないよ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる