上 下
127 / 297
閑章2

第127話「香蓮の成長」

しおりを挟む
放課後



剣崎: 今日は一学期最後の委員会だからね。みんなそれぞれの教室に行くように。じゃあ、学級委員、号令!


川嶋: 起立!礼!


「ありがとうございました!」


剣崎: はい!じゃあ、頑張ってきてね~



ガラガラ



守里: よし…


美月: 守里、行こう~


守里: うん。


飛香: ほら、祐希起きて。


祐希: う~ん…もう食べられない…zz


飛香: …さっさと起きろ!!


祐希: っ!!!!は、はい!!


飛香: 図書室行くよ。


祐希: 了解です!!


川嶋: 春時君、行こうか。


春時: おう。


日向子: 生活委員会にレッツゴー!!


生活委員: GO!!



各々が委員会の場所に向かう。





風紀委員室


ガラガラ



守里 美月: 失礼します。


若月: 2人とも来たな。いつもの席に座ってくれ。


守里: はい。


美月: あ、香蓮がいる。


梅澤: 当たり前だろ笑、風紀委員なんだから。


美月: いやいや、今日は2年生のところにいるんだなって思って。


梅澤: いつまでも3年生のところにいたら、馴染めないだろって、愛衣さんに追い出されたんだよ。


守里: そういう事か笑



守里が、前に座る愛衣を見ると、葵波と一緒に手を振ってきた。



美月: 香蓮、可哀想笑


梅澤: 別にどっちにいても変わらねぇって。


美月: ほんとに~?笑。みんなと一緒に話せて楽しいんじゃないの?


梅澤: っ!バカ…んなわけ…


2組女子: あら、そうだったの?


3組女子: 悲しいな~笑


梅澤: い、いや…


美月: 嘘つきさんにはお仕置きだ!!


ペチ



美月が梅澤の額にデコピンをする。



梅澤: …やったな。美月。


バシンッ


美月: アタッ!!



デコピンとは思えないよな音を響かせながら、美月が仰け反る。



2組女子: 笑、梅ちゃん強すぎ。


3組女子: 美月ちゃん、大丈夫?笑


美月: もう~酷いよ~香蓮。


梅澤: 元を辿れば美月が悪い。



梅澤は、美月と仲良く話すようになったおかげで、イメージが変わったのか、風紀委員を中心に話しかける人が増え、友達と呼べるような人も増えた。


いや~よかった、よかった。

美月も香蓮も楽しそうで。



3組女子: あ、ねぇねぇ。今週末さ、2年風紀委員の女子で遊びに行かない?


美月: 良いね!行きたい。


3組女子: 梅ちゃんも来れる?


梅澤: お、おう…


2組女子: 笑、楽しみになってきた。


3組女子: よ~し、梅ちゃんの約束も取り付けたから、早く他の子も誘わないと!


2組女子: どこ行く?


3組女子: そうだな~美月ちゃんはどこ行きたい?


美月: え~っとね~



ガラガラ!!


美月が話そうとしたところで、教室の扉が勢いよく開かれる。


笑、いつも通りの展開だ。

もうちょっと早く来れたりはしないんだろうか。



珠美: ギリギリになりました!!失礼します!!


新里: ハァハァ…失礼します。


若月: 全く…廊下は走るなよ。


珠美: はい!!全速力で歩いてきました!


新里: 競歩です…ハァハァ


若月: 笑、そうか。もう委員会始めるから。座れ。


珠美: はい!


新里: はい。



毎度の如く、時間ギリギリに来た2人が、席に着いたところで…



若月: では、委員会を始める。まずは今月の活動報告だが、校内組も校外組も取り締まりはなかった。期末試験があったからかもしれないが、我々風紀委員の活動が良い影響を与えた結果だと、前向きに捉えていこう。



確かに今月は、先月に比べると、ものすごく平和だった。

外で見かけたのも、真面目に勉強してる人ばっかりだったし。



若月: それで、7月中に2回も委員会が開かれることにも関係しているし、みんなも待ち望んでいることと思うが、来週からは夏休みに入る。


美月: ウキウキ


珠美: ソワソワ


若月: そこでだ…笑


美月: ま、まさか…


珠美: 夏休みも…


若月: 夏休み中の見回りの日程を組む。


美月: ガーン


珠美: …ぴえん。


若月: 別に夏休み中だから、旅行に行ったり、遊びに行ったり、普段はできないようなことを楽しむのは問題ない。しかしだ。羽目を外しすぎるのも良くない。よって、学校の近くだけでも、風紀委員が取り締まりをしようという考えの元、毎年、夏休み中も土日とお盆を除き、校外の見回りを行っているんだ。



去年も風紀委員が暑い中、見回りをやっていて大変そうって思ってたんだよな。

ちなみに、僕があんまり風紀委員になりたくなかった理由も、これが大きい。



若月: けどまぁ、校内組は校外の見回りだから、新鮮味があるだろうが、校外組はいつも通りの仕事で、つまらないだろう。ということで、夏休み中の見回りは、少し範囲を広げる。


珠美: ?


美月: ……あ、そういうこと?


若月: 笑、校外組なら分かったやつもいると思うが。ま、それは自由だ。範囲が広い分、見回りにかかる時間は把握出来ないからな。でも遅くなりすぎるのはやめろよ笑




要するに、寄り道は好きなようにしていいってことか。

あとは、見回りの仕事をするのであれば、どんな形でも良いと。


人によっては嬉しいだろうな。



若月: じゃあ、こっちで組んでいた予定表を配るから、自分達の見回りを行う日付と、見回りをするエリアを確認してくれ。



若月が全員にプリントを配る。


なるほど、いつもの見回りと違って、ルートを固定するんじゃなく、見回り範囲を3つのエリアに分けた上で、そこを各ペアで自由に見回ってもらう形式を取っているのか。

あと、3年生も参加して、1ペアあたり3回。


僕達は、お盆前にC、Bエリアで、夏休みの終わりに、Aエリア…



美月: よかった、香蓮と一緒だ。


梅澤: 笑、夏休み中も美月と顔を合わせなきゃなのか。


美月: なに?嫌なの?


梅澤: 別に笑


美月: こんの~


若月: そこのお二人さん。仲が良いのは喜ばしいことだが、委員会中。


美月: すみません。


梅澤: すみません!!


愛衣: フ笑


葵波: プププ笑


若月: 基本、その計画通りにやっていくが、予定があって見回りができないと既に分かっている者は、この後言いに来い。あと、夏休みに入った後、予定が入ったり、体調不良で見回りが行えないとかなった場合は、すぐに連絡しろ。分かったな?


「はい!」


若月: よし、ここまでの内容で質問があるやつはいるか?………いないな。さっき言ったように、見回りが出来そうにない者は、この後、言いに来るように。それと、今日が見回り担当のペアは行ってこい。では、解散!


「ありがとうございました!!」



委員会が終わり、若月の元へ数人が集まるのを見つつ、守里達は席を立つ。



守里: 美月、日程は大丈夫だよね?


美月: うん。今のところ、なんの予定も入ってない。


守里: 香蓮は?


梅澤: 私も大丈夫だ。


守里: じゃあ、見回りに行こう。


美月: うん。


3組女子: あ、ちょっと待って、連絡先交換!


2組女子: そうそう。さすがに連絡取れないと不便だから。


美月: あ!そうだね。はい、QRコード。


3組女子: ありがとう~


梅澤: おい美月。どうすれば良いんだ?


美月: 笑、そっか。この前は私がやってたから。


2組女子: ちょっと貸してくれる?


梅澤: あ、あぁ。


2組女子: えーっと…はい。これでOK。


梅澤: ありがとな。


2組女子: 笑、どういたしまして。


3組女子: 私にも送って!


2組女子: 分かってるわよ。



そうして美月と梅澤は、連絡先を交換した。



2組男子: なんか仲良さげだな笑


守里: だね笑


2組男子: 俺らも負けないように仲良くしようぜ。


守里: どういうこと?笑


3組男子: あ、連絡先交換するなら僕も混ぜてよ。


4組男子: 俺もな~


守里: OK笑



この後、5組と6組の男子も加えて、2年風紀委員の男子達も連絡先を交換した。



3組女子: あとから、他の組の子の連絡先も送るからね~


2組女子: 別にグループ作るだけで良いんじゃない?


3組女子: あ、確かに。じゃあ、グループ作っとく!


2組女子: 見回り頑張って。


美月: バイバイ!


梅澤: …またな。


2組男子: 俺らももう行くわ。


3組男子: これからもよろしく。


守里: うん!じゃ。



こうして、他の組の風紀委員達は、教室を出て行った。



美月: 良かったね!香蓮。友達が増えて!


梅澤: お、おう…


守里: とか言いつつ、美月も連絡先交換してる人は少なかっただろ笑


美月: もう、守里!それは言わない約束!


守里: 香蓮。ちゃんと返信しなよ笑


梅澤: 分かってるって…笑



香蓮、嬉しそうだな。

普段は結構ツンツンしてるけど、ちゃんと女子高生なんだから笑



守里: 笑


美月: あ!守里、今、美月可愛い!って思ってたでしょ。


守里: は?


美月: 絶対、そう思ってた。


守里: いやいや、全然。


美月: 本当?う~ん、おかしいな。この前、奈々未さんに習って…


守里: 別に、美月はいつも可愛いし。


ポン



美月の頭に手を乗せる。



守里: ほら、もう行くよ。若月さんもこっち見てるし。



手を降ろし、守里は扉の方へ。



梅澤: 笑、美月、可愛い。



そう美月に言って、梅澤も守里の後についていく。



若月: あらら笑


葵波: 美月、顔真っ赤笑


愛衣: 後からメールでいじるか笑


美月: /////////



意外と耐性のない美月だった。




to be continued


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜

mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!? ※スカトロ表現多数あり ※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります

家に帰ると夫が不倫していたので、両家の家族を呼んで大復讐をしたいと思います。

春木ハル
恋愛
私は夫と共働きで生活している人間なのですが、出張から帰ると夫が不倫の痕跡を残したまま寝ていました。 それに腹が立った私は法律で定められている罰なんかじゃ物足りず、自分自身でも復讐をすることにしました。その結果、思っていた通りの修羅場に…。その時のお話を聞いてください。 にちゃんねる風創作小説をお楽しみください。

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない

一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。 クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。 さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。 両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。 ……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。 それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。 皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。 ※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

処理中です...