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第2章 体育祭編

第35話「飛香の一歩」

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櫻宮から休憩を言い渡された守里は、競技の観戦をしようと、第4グラウンド周辺まで来た。



守里: 今、何やってるんだろう…



プログラム、生徒会室に置きっぱなしなんだよ
ね。

誰か競技やってるのかな?


と、守里がうろついていると…



??: あ!守里!!!良いところに!!


守里: ん?



いきなり手を握られる。



守里: あ、飛香じゃん。


飛香: ちょっとついてきて!!


守里: え、う、うん。



飛香が走り出し、それに守里もついて行く。


そして飛香は、守里と手を繋いだ状態で、グラウンド内に入っていく。



「山室さんがグラウンド内に戻ってきました!!」


守里: 競技?…あ、借り人競走か!


飛香: そうそう!私のお題にピッタリだからね!!


守里: で、そのお題ってのは?


飛香: ///ま、まぁいいから!! 


守里: うん…



飛香はゴールの手前にいる剣崎先生の元へ行く。



剣崎: 山室さん、お題は?


飛香: ゴニョゴニョです。


剣崎: 笑、あら、そうなの。


飛香: ///ゴールできますよね…


剣崎: もちろん!


守里: 剣崎先生が審査係だったんですか。


剣崎: そうよ。にしても森崎君、怪我が…


飛香: ん?そういえばそうね。守里、どうしたの?


守里: まぁ色々あったんですよ。僕は大丈夫ですから、気にしないでください。


剣崎: そう。でも保健室には行ってね。


守里: はい!


剣崎: 山室さんも頑張って笑


飛香: ///守里行くよ!!!


守里: お、おう。



飛香は強引に守里の手を引き、ゴールする。



剣崎: あらあら笑


「山室飛香さん、第2位でゴールです。」


飛香: 2位か…


守里: それで、お題はなんだったの?


飛香: 教えないよ。


守里: えー


飛香: あ、1位は4組の子みたい。


守里: うん。


飛香: 川嶋さんはまだゴールできてないのか。


守里: そっか、川嶋さんもこの競技に参加してたね。



と、守里と飛香が話していると…



「おーーーっと、ここで川嶋さんがグラウンドに戻ってきましたが…誰も一緒に来てはいません!どうしたのでしょうか!!」


守里: どうしたんだろ、川嶋さん。


飛香: お題の取り替えにでも来たのかな。


守里: え、そんなシステムあるの?


飛香: うん、お題に合う人を見つけるのが困難な場合は、取り替えができるんだよ。


守里: へぇ~


飛香: あれ、川嶋さん、なんかこっちに向かってきてない?


守里: ホントだ…


川嶋: 森崎くーーん!!!!


飛香: 守里を呼んでるね。


守里: うん。


川嶋: 森崎君!良いところに!!!私についてきて!!


守里: え、え、うん。 



そして、守里は再び剣崎先生の元へ。



剣崎: あら、森崎君、また来たの?


守里: は、はい。今度は川嶋さんと一緒に。


剣崎: 川嶋さん、お題は?


川嶋: はい。お題は、女ったらしです!


守里: え?


剣崎: 森崎君が?


飛香: 守里が女ったらし?


川嶋: だって、いつも女の子といるし、何より、さっきも眠ってる私の足を触ってたし笑…


剣崎: 確かに、そこだけを考えると、女ったらしってのも納得出来るかも。


守里: ちょちょちょっと、川嶋さん!!それに剣崎先生まで!!


飛香: …眠ってる川嶋さんの足を?…


剣崎: よし!ゴールへどうぞ!!


川嶋: ありがとうございます!!さぁ行くよ!!森崎君!!


守里: えーーー


「川嶋志帆さん、第3位でゴールです!」


川嶋: ありがとね、女ったらしの森崎君!


守里: ちょっと川嶋さんやめてよ!しかも、足を触ってたって…おんぶしてただけでしょ。


川嶋: フフ、良いじゃん笑、事実なんだし。寝てる私をおんぶして、私の足に触ってたでしょ笑


守里: そ、それは確かにそうだけど…


飛香: おい守里…



守里は真後ろから殺気を感じた。



川嶋: あと、今度から私のことは下の名前で呼んでね。私も守里君って呼ぶから。おんぶをした仲なんだから、苗字で呼び合うのも変でしょ笑


守里: え、それは…


川嶋: 良いよね。



川嶋さん思ったよりもグイグイ来る…



守里: でも…


川嶋: 良いよね!!(守里君と仲良くなっとけば、生徒会の方々とお近づきになれるかも…)



生徒会への極度の憧れが、川嶋の性格を変えていた。


最初の印象とは全然違う…


なんか怖い…



守里: …はい。


川嶋: じゃあ、これからよろしくね!守里君!!



そして川嶋はグラウンドから去っていった。



守里: はぁ…



そろそろ…



飛香: おいって言ってんだろ…守里。



こっちと向き合うか…



守里: な、何かな?飛香…



守里は意を決して振り向く。


そこにはドス黒いオーラを振りまきながら、睨みつけてくる飛香がいた。



守里: あ、飛香、怖いよ。


飛香: おんぶしたってどういうことなの?


守里: そ、それは…


飛香: 早く答えろ。


守里: はい!!



守里は謎解きでの、七星のドッキリのこと以外の話を、飛香に話した。



飛香: なるほど、そういう事…


守里: ふぅ…



飛香のオーラの放出が収まる。



守里: 納得してくれた?


飛香: まぁ、良いだろう。


守里: 良かった…


飛香: にしても、川嶋さんと随分仲良くなったね。


守里: うん。なんか意外な一面を見て、可愛いところもあるんだな~って、思ってさ。


飛香: か、可愛い……………わ、私は…


守里: え…


飛香: だから、私はどうなの?!!!


守里: え、ま、まぁ可愛いと思うよ…


飛香: ////


守里: なんなの飛香?急に。


飛香: もう良いから!!


守里: あ、そう…


飛香: 守里は今、休憩中なんだろ!!


守里: うん。


飛香: なら、これから私と一緒に観戦しろ!!


守里: え?


飛香: これから第2グラウンドで、日向子達の綱引きがあるから。


守里: わかった、一緒に見よ!!


飛香: うん!!



飛香は満面の笑みを浮かべた。


この笑顔が可愛いんだよな、飛香は笑


そうして2人は、第2グラウンドへと向かった。


◇◇◇


第2グラウンド



守里: 人がたくさん…


飛香: まぁ、2年の女子綱引きは、毎年注目されるから。


守里: あぁ…去年もそんな感じだったか。


飛香: うん、若月さん達が大人気だったもん。


守里: 特に、若月さんと葵波さんの男前コンビはね…


飛香: 女子たちの激しいぶつかり合いを、楽しみにしてる保護者の方も多いらしいし。


守里: へぇ~


飛香: ほら、あの人達みたいに…


守里: え…


結真: まだこの競技やってたんだね!!


奈々未: また、女子達の醜い争いが見れるとは…


結真: 楽しみ!!!


蓮花: 何言ってるの?


奈々未: まだ、蓮花には早いかな…よし一緒に応援しよう!!


結真: ワクワク!



飛香の目線の先にはサングラスをかけ、大いに盛り上がっている結真と奈々未、そして、それを不思議そうな目で見ている蓮花がいた。



守里: …飛香、行こ。


飛香: え…



守里は飛香の手を引っ張り、結真達のところから離れた。



飛香: いきなりどうしたの?


守里: ちょっとね…あ、空いてる席見っけ!



守里と飛香は最前列の席に座る。



「2年生女子の綱引きを開始します。」


飛香: 綱引きは、うちの組の優勝で間違いないね。


守里: まぁ日向子がいるからな笑


飛香: みんな入場してきたよ。


守里: あ、東野さんと秋吉さん見つけた。


飛香: 日向子はどこかな?


守里: ん?いないぞ。


飛香: あれ、おかしいな。いつもなら澪奈達と一緒にいるのに…


守里: うちの組の出番が始まるまでには来るだろ…


飛香: うん。



そうして競技は進み、とうとう1組の番になった。



飛香: まだ日向子来てないよ!!


守里: どうしたんだろう。


「次は、1組対5組です!!」



1組と5組の生徒が綱の周りに並ぶ。



守里: やばい、もう始まる。


飛香: 負けちゃうかも…


「それでは、勝負開始!!」



ブーーーー



「せーの!!」



二つの組が一斉に綱を引き始める。



「これは!5組の方が優勢か!!」


守里: やばいやばい!


飛香: 日向子どこいったの?!



さぁ、2年1組の女子綱引きの結果はどうなるのか?!!!




to be continued
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