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「……すき。
……幸人は、私の事すき?」
「…………………………え、あ、いや」
そう言われた瞬間、何かが冷めていく音がした。
・
・
・
私は中島まな。大学2年生。
さっきの男の子は成田幸人。
地毛の茶色いサラサラの髪の毛に茶色い目。
キメ細かい肌に整った顔立ち。
笑うとできるえくぼがかわいい人。
高校の同級生で、ずっと好きだった。
卒業して一人暮らしをはじめた家が近所で、そこから仲良くなって、お互いの家を行き来するようになった。
……そして3ヶ月前。
20歳になって初めて2人でお酒を飲んだ日、身体の関係を持ってしまった。
そこからも変わらず会っていたし幸人の態度が柔らかくなったのも感じていた。
『好き』とは言われていないけれど同じ気持ちだと思っていた。
……自惚れだったけど。
「よく考えたら幸人みたいなイケメンが私を好きになるわけないよなー」
自惚れてた自分への恥ずかしさとか、失恋の悲しさに涙が止まらない。
「…………っ……」
幸人が初恋だったから。
こんな気持ちになるのも初めてで。
苦しさを飲み込む方法もわからなかった。
……幸人は、私の事すき?」
「…………………………え、あ、いや」
そう言われた瞬間、何かが冷めていく音がした。
・
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私は中島まな。大学2年生。
さっきの男の子は成田幸人。
地毛の茶色いサラサラの髪の毛に茶色い目。
キメ細かい肌に整った顔立ち。
笑うとできるえくぼがかわいい人。
高校の同級生で、ずっと好きだった。
卒業して一人暮らしをはじめた家が近所で、そこから仲良くなって、お互いの家を行き来するようになった。
……そして3ヶ月前。
20歳になって初めて2人でお酒を飲んだ日、身体の関係を持ってしまった。
そこからも変わらず会っていたし幸人の態度が柔らかくなったのも感じていた。
『好き』とは言われていないけれど同じ気持ちだと思っていた。
……自惚れだったけど。
「よく考えたら幸人みたいなイケメンが私を好きになるわけないよなー」
自惚れてた自分への恥ずかしさとか、失恋の悲しさに涙が止まらない。
「…………っ……」
幸人が初恋だったから。
こんな気持ちになるのも初めてで。
苦しさを飲み込む方法もわからなかった。
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