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狂った友人。2

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そして、どれくらい見つめ合っただろうか。
目を瞑るのも忘れていたもので、既に目は乾いてしまっており、数回パチパチと瞬きをすれば、レオンも目が乾いていたのだろう、同じ様にパチパチと瞬きをしており、瞬きをした後現れたレオンの瞳からは暗さが晴れ、幾分かマシになった気がした。

「あの、、大丈夫??レオン?」

やっぱり先程までのレオンは何処かおかしかったのだろう、未だエレナを見下ろすレオンの瞳は優しいものへと変わり、昔話をするように優しい声音で話し出すのだ。

「昔はさ、仲がよかったんだ、、。4人でいっつも一緒にいた。」

エレナはエレナの腹を撫でながら話すレオンの手が時より横っ腹に触れるので思わずくぐもった声を出してしまいそうになるのを堪えるのに必死になりながらも、話をきいている。

だって、状況はどうあれ、エレナにとってレオンが今話している話は何も知らないアランの事をしれるチャンスだとすら思ったのだ。

「元々は3人だったんだけど、俺に妹が出来て、セレシアは毎日毎日俺の後ろについてきてて、、血の繋がってない妹が可愛くて可愛くて、、。」

話しながらエレナの髪をレオンが一房取れば、スーッとエレナの髪が赤くウェーブをかいた髪へと上から下に変わっていく。

「セレシアの赤くて、、セレシアが動けば揺れる髪が好きで、、いつも目で追ってた。
目が合えば花が綻んだみたいにあいつが、、セレシアが笑うから。次はどうやって笑わせようって、毎日考えてた。」

レオンの口から放たれる言葉は、どれもセレシアを思っている事が凄くわかる。
血が繋がっていない妹だったとしても、レオンはセレシアの事を本当に心から好きで、きっと今でも好きな事が痛いくらいに伝わって来るのだ。

だからって、やり方を間違えている気がするし、それにエレナにはそこまで聞いても分からないことがあった。

「、、アランがレオンの妹を殺したって、、?」

ビクビクとしながらも問うエレナの質問を聞いたレオンからは、穏やかな表情は消え失せエレナを見る瞳は酷く冷たいものへと変わった。

エレナの赤くなった髪を離せば、赤い髪からプラチナブロンドの髪にスーッと戻っていく。

「セレシアに告白したんだ。妹とか関係なく、、愛してたから。」

「、、そう、、。」

「でも、セレシアには気持ちが悪いと言われた、、。私達兄妹よ?って。血は繋がってないのに、、あいつ、本当に嫌そうな顔して言うんだよ。」

レオンの声はワナワナと震えており、目には後悔の色が浮かんでいるが、そんなレオンに対してエレナは何も言ってやる事が出来ない。

ここで、血が繋がってないからいいのでは、、等言ってやるのは何だか偽善な気がしたのだ。

「アランとこの話は関係があるの?」

「告白した次の日、いつもなら一緒に王宮まで馬車で行くのにさ、セレシアの奴一人で馬車に乗っていったんだ。告白されたからか気恥ずかしくてか、気色悪くてなのか、どれか分かんねーけど。」

先程まで穏やかだったレオンの口調は少しずつ荒々しくなり、エレナの腹の上に乗っていた手がエレナの着ているドレスを強く握りしめた。

「そんで、後からついたらもう死んでた。
ローゼと行くなって言われた山に行って何があったかしんねーけど、着いた時には俺の好きだった赤い髪を風にユラユラ揺らして、眠ってるみたいに死んでた。」

「そんでローゼは生きてんのよ!!元気にアランに縋って私がこれからはセレシアの分も生きるから!とか私の願いはセレシアと同じとかよ、目に気持ちわりーくらい涙溜めて、何ほざいてんのこいつ?何でこいつ助けてセレシア助けてねーの?って思ったらさ、、。」

「でっ、、でも、アランはレオンの妹を殺したわけじゃ、、。」

言葉の続きはレオンに着ていたドレスのリボンを抜き取られたせいで言えなかった。

全て話終わったのか、はたまたエレナの言葉等求めてもいないのか、エレナが着ているドレスの下から手を這わせ太ももから順に、先程までのドレスの上から撫でていた腹を触りだすのだ。

「大丈夫大丈夫。直ぐにアランに見えてきて、嫌なんて思わなくなるから。気持ちいいって、っだただ思えるよーになるから!!」

冷たい手で腹を撫で回されたエレナが思わず「ひゃひ!」と声を漏らして仕舞えば、クスクスとエレナの反応を見て楽し気に笑うっている。

こんなの変に決まってる、、。
だって、今レオンから聞いた話だと、アランに悪い所等ないんだもの。
なのに、アランを傷つける為にエレナを傷つけようとするのは検討違いにも程がある。
好きで結婚したいと言われたり、好きだから関係を持ちたいと言われた方がまだマシである。

全く悪くないアランへの復讐の為に無理矢理される等、エレナは考えただけで吐き気がした。
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