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第二章
ただいま、僕のお嫁様。(13歳。)
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その日もルディリアナは、友人のレオンの膝の上でウトウトと眠気と闘っていた。
今日は庭園にシートを引いてその上で寝ている。
少し曇り空なお陰で、日も当たらないし、何よりレオンの膝の上はどんな枕よりも寝心地が良いのである。
いつのまにかレオンの膝の上で寝るのは当たり前になっていて、レオンは膝の上で眠るルディリアナの頭を静かに撫でた。
この頃にはルディリアナは、ほぼ完璧と言っていいほど、過去に出会った異質な少年の存在なんて全て忘れてしまっていた。
ゆったりとおくられる毎日を、マルフェスやリジィ、ロマやレオンと過ごしていたルディリアナの警戒心はもう鈍ってしまっていた。
「美味しいお菓子が出るらしいから、王宮にいくぞ、ルーナ。」
そうお父様に言われれば、お菓子!!?と脳内はなっており、王宮怖い!何て気持ちは既になかった。
ドレスに着替え父と共に馬車で王宮に向かった。
鼻歌を見る私を見て、父が少し悲しそうにしている気がしたが、気のせいだろうと気にする事もなく、私はお菓子が用意されている王宮にワクワクとしながら向かった。
王宮につけば、以前は他の家の馬車もあったのに、今日は私の家の馬車だけである。
不思議には思った。でも深く考えなかった。
だから、今、あの時深く考えなかったことを大変後悔しているのである。
「あぁああ。僕のルディリアナ。僕のルーナ。」
私の頬を手で覆い、うっとりとしている人を見て、私はやってしまった。と思ったときにはもう遅い。
私が入れられた部屋には鍵をかけられ、私の上には男が跨っていて、両手は頭の上で拘束されている。
「あっ、、あの。」
ルディリアナが問えば、ルディリアナを押し倒す男は「ん??なにルディリアナ。」と甘い声で答えた。
耳元で答えられたせいか、ゾクゾクと体が疼く。
「なんなんですか?この状況。」
そう聞けば「だって、逃げるから。」と当たり前の事を返された。
ルディリアナは、ずっと彼の存在を忘れていた。
いや、考えないように、自分から彼の記憶について鍵をかけていた。
思い出さないように記憶の奥深くにしまい鍵をかけたはずなのに、彼に出会った瞬間全ての記憶が蘇る。
「なっ、、なんで今頃。」
長い間来なかったはずなのに、、なんでこんなにも立って、私が安心して忘れた頃に来るのかと。
そういう意味で言ったのだが、男はその言葉をどう受け取ったのか、ルディリアナの唇に自分の唇を押し当てた。
チュッと触れるだけのキスをする。
ルディリアナは、その初めての感触と初めての行為に目を身開けると、男は嬉しそうに笑った。
「ごめんねぇ、ルディリアナ。ううん、僕の愛しいルーナ。僕ね、何か筋肉がつきにくい体みたいで、毎日毎日ルーナの好みになるために頑張ってたんだよ??ほら、触ってみて?」
そう言ってルディリアナの拘束していた片方の手を掴むと、自分の腹筋へとその手を動かした。
ルディリアナの右手が硬い腹筋に触れる。
綺麗に割れてるだろうその筋肉は服の上からでも、ルディリアナ好みだとわかった。
好みの筋肉を触ったルディリアナは、ゴクリと唾を飲む。
「ねっ?ルーナが筋肉が好きって言ってたから頑張ったんだよ??付きにくいからって毎日毎日筋肉のつきやすい食事に、トレーニング。でも、つきすぎてもルーナの好みから外れてしまうから頑張ったんだよ??」
そうなのだ。ルディリアナは筋肉がただ好きなわけではない。
普段は細身に見える男の人なのに、触るとしっかりとある筋肉が好きなのだ。
ルディリアナの好みになるようにトレーニングをしたというのは嘘ではないだろう。
目の前にいる男の体型は、ルディリアナの好みでしかなかったのだ。
今日は庭園にシートを引いてその上で寝ている。
少し曇り空なお陰で、日も当たらないし、何よりレオンの膝の上はどんな枕よりも寝心地が良いのである。
いつのまにかレオンの膝の上で寝るのは当たり前になっていて、レオンは膝の上で眠るルディリアナの頭を静かに撫でた。
この頃にはルディリアナは、ほぼ完璧と言っていいほど、過去に出会った異質な少年の存在なんて全て忘れてしまっていた。
ゆったりとおくられる毎日を、マルフェスやリジィ、ロマやレオンと過ごしていたルディリアナの警戒心はもう鈍ってしまっていた。
「美味しいお菓子が出るらしいから、王宮にいくぞ、ルーナ。」
そうお父様に言われれば、お菓子!!?と脳内はなっており、王宮怖い!何て気持ちは既になかった。
ドレスに着替え父と共に馬車で王宮に向かった。
鼻歌を見る私を見て、父が少し悲しそうにしている気がしたが、気のせいだろうと気にする事もなく、私はお菓子が用意されている王宮にワクワクとしながら向かった。
王宮につけば、以前は他の家の馬車もあったのに、今日は私の家の馬車だけである。
不思議には思った。でも深く考えなかった。
だから、今、あの時深く考えなかったことを大変後悔しているのである。
「あぁああ。僕のルディリアナ。僕のルーナ。」
私の頬を手で覆い、うっとりとしている人を見て、私はやってしまった。と思ったときにはもう遅い。
私が入れられた部屋には鍵をかけられ、私の上には男が跨っていて、両手は頭の上で拘束されている。
「あっ、、あの。」
ルディリアナが問えば、ルディリアナを押し倒す男は「ん??なにルディリアナ。」と甘い声で答えた。
耳元で答えられたせいか、ゾクゾクと体が疼く。
「なんなんですか?この状況。」
そう聞けば「だって、逃げるから。」と当たり前の事を返された。
ルディリアナは、ずっと彼の存在を忘れていた。
いや、考えないように、自分から彼の記憶について鍵をかけていた。
思い出さないように記憶の奥深くにしまい鍵をかけたはずなのに、彼に出会った瞬間全ての記憶が蘇る。
「なっ、、なんで今頃。」
長い間来なかったはずなのに、、なんでこんなにも立って、私が安心して忘れた頃に来るのかと。
そういう意味で言ったのだが、男はその言葉をどう受け取ったのか、ルディリアナの唇に自分の唇を押し当てた。
チュッと触れるだけのキスをする。
ルディリアナは、その初めての感触と初めての行為に目を身開けると、男は嬉しそうに笑った。
「ごめんねぇ、ルディリアナ。ううん、僕の愛しいルーナ。僕ね、何か筋肉がつきにくい体みたいで、毎日毎日ルーナの好みになるために頑張ってたんだよ??ほら、触ってみて?」
そう言ってルディリアナの拘束していた片方の手を掴むと、自分の腹筋へとその手を動かした。
ルディリアナの右手が硬い腹筋に触れる。
綺麗に割れてるだろうその筋肉は服の上からでも、ルディリアナ好みだとわかった。
好みの筋肉を触ったルディリアナは、ゴクリと唾を飲む。
「ねっ?ルーナが筋肉が好きって言ってたから頑張ったんだよ??付きにくいからって毎日毎日筋肉のつきやすい食事に、トレーニング。でも、つきすぎてもルーナの好みから外れてしまうから頑張ったんだよ??」
そうなのだ。ルディリアナは筋肉がただ好きなわけではない。
普段は細身に見える男の人なのに、触るとしっかりとある筋肉が好きなのだ。
ルディリアナの好みになるようにトレーニングをしたというのは嘘ではないだろう。
目の前にいる男の体型は、ルディリアナの好みでしかなかったのだ。
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