5 / 40
第一章
辞めてください。(6歳。)
しおりを挟む
あの日、王宮で変な男の子に追いかけ回され、恐怖で倒れてから、丸っと一年が経ちました。
その後あの男の子に会う事もなく、食べて寝て、時折マナーの勉強をさせられながら寝て、勉強をさせられながら寝て。
ロマに本を読んでもらいながら寝て、お父様とお母様とお出かけをして、寝てと順風満帆な生活を送っていた私の元に、また王宮からの招待状が来ました。
「ルーナ、王宮に行くぞ。」
とちょっと散歩行くぞくらいの勢いで言ってくるお父様を見て、私はブンブンと首を振った。
「いっ、嫌です!怖いです!」
丸っと一年たったとは言え、いまだにあの時の事を頭に浮かべると鳥肌が全身に立つレベルで怖いのは変わらない。
だから行きたくないのだと、懇願するとお父様はとても困った顔をした。
「、、でもこれは、王命なのだ。ルーナ。アスラン殿下がルーナに会いたいそうだ。」
アスラン殿下なんて会ったことないし、王命でもなんでも行きたくないものは行きたくない。
更に強く首をブンブンと振るが、流石のお父様もそればかりは引いてくれないらしい。
「ロマ、ルーナの着替えをさせてくれ。」
私の意見を無視して、ロマに命令をするお父様。
ドレスに着替えたら最後、、
絶対に連れてかれてしまう!
それだけは何とか阻止しなければ。
勉強等をサボりにサボってる私の頭で精一杯考えてでた答え。それわ
「逃げる!!!」
大きな声でそう叫ぶと私はスカートをたくしあげて走り出した。
淑女にありまじきこの行為は、先生に見られたら「なんて破廉恥な!淑女とはいつでもお淑やかになんちゃらこーちゃらとか絶対言われる。
けど、今はそんなこと言ってられない。
「ルディリアナ!!!」
私を怒るお父様の声が聞こえるけど、怒るならどうぞ後で存分に怒ってください!!
ロマが私の側に来る前に駆け出した私は部屋のドアに私を追いかけるお父様とロマよりも先に着いた。
ドアを開けてここからでてしまえば、私の勝ちだわ!!
そう思い勢いよくドアを開けようとした瞬間に、私がドアを開けるより先にドアが開いた。
そして、走ってた勢いで思い切り前にぶつかったかと思えば、何かにギュッと包まれた。
「あぁ!!!!ルディリアナ!!!!僕の嫁!自分から僕の胸に飛び込んでくるなんて、君は何て可愛いんだ!」
私を包んだのは何だ?と考えるよりも先に、そんな大きな声が部屋に響いた。
あまりの出来事に固まったままの私を、私を抱きしめるその人はベタベタと触ってくる。
「あぁ、一年も待ったよ一年も。一年も経つと君を愛する気持ちに変わりが出るかと実験してみたが、ただただ苦しかったよ。ルディリアナ?分かるかい?僕の苦しみが。」
いいえ、わかりません。
何なら、分かりたくもない。
驚きすぎて、もはや怖いと言う感情も消し飛んだ。
6歳の少女にしては冷静に見えるかもしれないが、今私はかなり驚いている。
私を抱きしめる男の子を私は知っている。
一年前、王宮で私にトラウマを残した男の子だ。
だが、何で彼がここにいる。
その答えが知りたくて、お父様を見るが、お父様はハンカチを目に当て泣いている。
まるで娘を嫁ぎに出す父のようだ。
そうじゃないのだお父様。
ハンカチで涙を拭く前に、この状況を教えてほしい。
だけど、私の願いは叶わずただただ、私を愛でる男の子の声が頭から降ってくる。
「あぁ、ルディリアナ君はどうしてこんなにも天使なんだい?」
私の頭に鼻をこすり寄せスーッと息を吸いながら、男の子は言った。
その行為があまりにも恐怖で私はとりあえず、何もかも忘れて寝ようと決めたのであった。
その後あの男の子に会う事もなく、食べて寝て、時折マナーの勉強をさせられながら寝て、勉強をさせられながら寝て。
ロマに本を読んでもらいながら寝て、お父様とお母様とお出かけをして、寝てと順風満帆な生活を送っていた私の元に、また王宮からの招待状が来ました。
「ルーナ、王宮に行くぞ。」
とちょっと散歩行くぞくらいの勢いで言ってくるお父様を見て、私はブンブンと首を振った。
「いっ、嫌です!怖いです!」
丸っと一年たったとは言え、いまだにあの時の事を頭に浮かべると鳥肌が全身に立つレベルで怖いのは変わらない。
だから行きたくないのだと、懇願するとお父様はとても困った顔をした。
「、、でもこれは、王命なのだ。ルーナ。アスラン殿下がルーナに会いたいそうだ。」
アスラン殿下なんて会ったことないし、王命でもなんでも行きたくないものは行きたくない。
更に強く首をブンブンと振るが、流石のお父様もそればかりは引いてくれないらしい。
「ロマ、ルーナの着替えをさせてくれ。」
私の意見を無視して、ロマに命令をするお父様。
ドレスに着替えたら最後、、
絶対に連れてかれてしまう!
それだけは何とか阻止しなければ。
勉強等をサボりにサボってる私の頭で精一杯考えてでた答え。それわ
「逃げる!!!」
大きな声でそう叫ぶと私はスカートをたくしあげて走り出した。
淑女にありまじきこの行為は、先生に見られたら「なんて破廉恥な!淑女とはいつでもお淑やかになんちゃらこーちゃらとか絶対言われる。
けど、今はそんなこと言ってられない。
「ルディリアナ!!!」
私を怒るお父様の声が聞こえるけど、怒るならどうぞ後で存分に怒ってください!!
ロマが私の側に来る前に駆け出した私は部屋のドアに私を追いかけるお父様とロマよりも先に着いた。
ドアを開けてここからでてしまえば、私の勝ちだわ!!
そう思い勢いよくドアを開けようとした瞬間に、私がドアを開けるより先にドアが開いた。
そして、走ってた勢いで思い切り前にぶつかったかと思えば、何かにギュッと包まれた。
「あぁ!!!!ルディリアナ!!!!僕の嫁!自分から僕の胸に飛び込んでくるなんて、君は何て可愛いんだ!」
私を包んだのは何だ?と考えるよりも先に、そんな大きな声が部屋に響いた。
あまりの出来事に固まったままの私を、私を抱きしめるその人はベタベタと触ってくる。
「あぁ、一年も待ったよ一年も。一年も経つと君を愛する気持ちに変わりが出るかと実験してみたが、ただただ苦しかったよ。ルディリアナ?分かるかい?僕の苦しみが。」
いいえ、わかりません。
何なら、分かりたくもない。
驚きすぎて、もはや怖いと言う感情も消し飛んだ。
6歳の少女にしては冷静に見えるかもしれないが、今私はかなり驚いている。
私を抱きしめる男の子を私は知っている。
一年前、王宮で私にトラウマを残した男の子だ。
だが、何で彼がここにいる。
その答えが知りたくて、お父様を見るが、お父様はハンカチを目に当て泣いている。
まるで娘を嫁ぎに出す父のようだ。
そうじゃないのだお父様。
ハンカチで涙を拭く前に、この状況を教えてほしい。
だけど、私の願いは叶わずただただ、私を愛でる男の子の声が頭から降ってくる。
「あぁ、ルディリアナ君はどうしてこんなにも天使なんだい?」
私の頭に鼻をこすり寄せスーッと息を吸いながら、男の子は言った。
その行為があまりにも恐怖で私はとりあえず、何もかも忘れて寝ようと決めたのであった。
0
お気に入りに追加
183
あなたにおすすめの小説
【完】愛人に王妃の座を奪い取られました。
112
恋愛
クインツ国の王妃アンは、王レイナルドの命を受け廃妃となった。
愛人であったリディア嬢が新しい王妃となり、アンはその日のうちに王宮を出ていく。
実家の伯爵家の屋敷へ帰るが、継母のダーナによって身を寄せることも敵わない。
アンは動じることなく、継母に一つの提案をする。
「私に娼館を紹介してください」
娼婦になると思った継母は喜んでアンを娼館へと送り出して──
【完】前世で子供が産めなくて悲惨な末路を送ったので、今世では婚約破棄しようとしたら何故か身ごもりました
112
恋愛
前世でマリアは、一人ひっそりと悲惨な最期を迎えた。
なので今度は生き延びるために、婚約破棄を突きつけた。しかし相手のカイルに猛反対され、無理やり床を共にすることに。
前世で子供が出来なかったから、今度も出来ないだろうと思っていたら何故か懐妊し─
記憶がないなら私は……
しがと
恋愛
ずっと好きでようやく付き合えた彼が記憶を無くしてしまった。しかも私のことだけ。そして彼は以前好きだった女性に私の目の前で抱きついてしまう。もう諦めなければいけない、と彼のことを忘れる決意をしたが……。 *全4話
あなたの事は記憶に御座いません
cyaru
恋愛
この婚約に意味ってあるんだろうか。
ロペ公爵家のグラシアナはいつも考えていた。
婚約者の王太子クリスティアンは幼馴染のオルタ侯爵家の令嬢イメルダを側に侍らせどちらが婚約者なのかよく判らない状況。
そんなある日、グラシアナはイメルダのちょっとした悪戯で負傷してしまう。
グラシアナは「このチャンス!貰った!」と・・・記憶喪失を装い逃げ切りを図る事にした。
のだが…王太子クリスティアンの様子がおかしい。
目覚め、記憶がないグラシアナに「こうなったのも全て私の責任だ。君の生涯、どんな時も私が隣で君を支え、いかなる声にも盾になると誓う」なんて言い出す。
そりゃ、元をただせば貴方がちゃんとしないからですけどね??
記憶喪失を貫き、距離を取って逃げ切りを図ろうとするのだが何故かクリスティアンが今までに見せた事のない態度で纏わりついてくるのだった・・・。
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★ニャンの日present♡ 5月18日投稿開始、完結は5月22日22時22分
★今回久しぶりの5日間という長丁場の為、ご理解お願いします(なんの?)
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
幸せなのでお構いなく!
棗
恋愛
侯爵令嬢ロリーナ=カラーには愛する婚約者グレン=シュタインがいる。だが、彼が愛しているのは天使と呼ばれる儚く美しい王女。
初対面の時からグレンに嫌われているロリーナは、このまま愛の無い結婚をして不幸な生活を送るよりも、最後に思い出を貰って婚約解消をすることにした。
※なろうさんにも公開中
婚約者が知らない女性とキスしてた~従順な婚約者はもう辞めます!~
ともどーも
恋愛
愛する人は、私ではない女性を抱きしめ、淫らな口づけをしていた……。
私はエスメローラ・マルマーダ(18)
マルマーダ伯爵家の娘だ。
オルトハット王国の貴族学院に通っている。
愛する婚約者・ブラント・エヴァンス公爵令息とは七歳の時に出会い、私は一目で恋に落ちた。
大好きだった……。
ブラントは成績優秀、文武両道、眉目秀麗とみんなの人気者で、たくさんの女の子と噂が絶えなかった。
『あなたを一番に愛しています』
その誓いを信じていたのに……。
もう……信じられない。
だから、もう辞めます!!
全34話です。
執筆は完了しているので、手直しが済み次第順次投稿していきます。
設定はゆるいです💦
楽しんで頂ければ幸いです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる