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第一章。
王太子の側近。ホルンの気持ち。
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ホルン・ディビロは男爵家の次男として産まれた。
男爵家を継ぐ事はないため、勉学も兄のように必死に学ばないといけないわけではない。
背はまだ低いが、あと5年もすれば父のように身長だって高くなるに決まっている。
顔はどちらかといえば母譲りのため、幼く可愛らしい顔をしてしまっているが、これも数年経てばとても整った美丈夫になっていると信じて疑った事はない。
ホルンの父と母は優しく、ホルンを少し甘やかして育ててしまった。
それは、次男という事もあるがホルンは間違いなく男ではあるが、その顔はとても可愛らしい女の子のようだったからだ。
ホルンが大きくなるまでは、母は何度かこっそりと女の子物のドレスを着させたりもした。
目に入れても痛くはないとはこういうことか!と2人が思う程、ホルンは可愛く産まれたので、これでもか!というほど2人はホルンを甘やかした。
そのせいでなのか、ホルンは少しばかり、我儘な性格になってしまっていた。
人の物でも欲しい!気に入らなければうざい!とホルンはすぐに言い、その為なら人を傷つけても良いと思っていた。
だが、それは王太子リヴェルとの出会いにより変わった。
余りにも我儘な息子に悩んだホルンの父が、友人のリヴェルの父に相談したのである。
ホルンの父もリヴェルの父も黒い髪をしており、2人ともまた魔法が使えた為、学園に通う頃からの友人である。
リヴェルの父は悩むホルンの父に、よき友人を作ることを薦めた。
そして、その相手に自分の息子をと2人の遊ぶ時間を設けてくれた。
リヴェルとホルンは2人の父により週に数回引き合わされるが、勉学をまともにしていないホルンにはリヴェルのする国の行く末についてや、魔法についての話などさっぱり面白くなければ、王太子という存在がどれだけ尊い存在なのかもよくわかっていない。
その為、王太子相手に「お前のケーキをよこせ!」と言ってみたり、「退屈だ!」と言ってみたり、失礼な事を何度も言ったが、リヴェルは決まってニコリと微笑むだけなのだ。
同じ子供のくせに、人形みたいで面白くないとホルンは思うのだ。
その日もホルンはリヴェルの住む王宮にやってきていた。きたくもないのに、きてやってるんだから感謝しろ!とふんぞり帰りながら王宮の広い廊下を歩いてやる。
ホルンの父とリヴェルの父は2人で話をするから1人でリヴェルの元へ行けと言われたが、ホルンは少しばかり迷子になっていた。
なんと言っても王宮は広すぎる。
どこを歩いてもだだっ広い廊下がどこまでもどこまでも続いているのだ。
最初こそふんぞりがえって歩いていたホルンだが、段々ともう帰れないのでは、、、という思いで不安になり、次第に早足になる。
少し目には涙だって浮かんでいたかもしれない。
「はぁっ、はあっ。」と王宮内を駆け回るうちに、息苦しくなってきた。
次第に足がもつれ、転ける!とと思った瞬間に、ホルンは勢いよく何かにぶつかった。
「いってぇ、、。なんだよ!って、ホルンかよ」
声を荒げ怒るのはリヴェルの元に遊びに行った際に時々いる友人に近い存在である。
ホルンは人に会えた安心感から、ホッと胸を撫で下ろしたのも、一瞬。
男はホルンの胸ぐらを掴み、「あっ?お前は相変わらず女みてーな顔してるなぁ。」そう言って、ゲラゲラと品のない笑い方をするのだ。
ホルンはプライドの少し高い男の子である。
そう言われ、涙目で男を睨むが、男は余計にゲラゲラと笑うだけだった。
「おい、何してんだ?」と男の友人、敷いてはリヴェルの元にやってくる男がもう1人やってきたかと思えば、男に事の次第を聞くと、やってきた男も腹を抱えゲラゲラと笑うのだ。
「うるさい!!!黙れカスども!」
男達よりも小さなホルンがそう言っても、それは男たち2人のネタの一つになるだけである。
リヴェルと共にいた時は、2人からホルンを馬鹿にしてくる事はなかった。
友人だとはまだ思っていなかったが、それでも気の強いホルンに何かしてくる事もなく、何度か遊んだ事もある。
そんな2人がホルンを揶揄うことに、いつも自分が何も言われないのはリヴェルがいたからなんだと気づいた。
ホルンはギュウッと手を握り締め、屈辱からまた涙をこぼした時だった。
「ホルン、探したぞ。」と、リヴェルがやってきたのは。
リヴェルを見た瞬間、男2人は顔を青くさせた。
そして、ホルンを掴んでいた胸ぐらを離すとホルンはその場にドサッと落とされる。
「あっ、、リヴェル様!!お探ししてました!」
男2人は直ぐにリヴェルに取り入ろうと、リヴェルの元へと駆けて行く。
この時、ホルンはリヴェルと自分とは住む世界が違うお人なのだと思った。
自分は父のお陰で、リヴェルというとても高貴な存在の方と、仲良くさせてもらえてたのだ。
そう思うと、自分がしてきた行いがとても恥ずかしいものだったと感じ、また涙がこぼれた。
「お前達、今ホルンに何をしていた?」
「ホルンがまた我儘をいうので、、少し叱っていただけです。」
「私も、ホルンに酷いことを言われ困っておりました。」と嘘の言葉をツラツラと並べている2人に、ホルンは何もいう気になれなかった。
どうせ、リヴェルも彼ら2人の味方になるのだろう。
「ホルン行くぞ。」
そう思ったのに、リヴェルはホルンの肩をポンと叩いた。そして、何も言わず歩き出したのだ。
「待ってください!リヴェル様!!私達は友達ではありませんか!」
男がそう叫んだ。
「そいつはいつもリヴェル様に失礼な態度を取ります!だから、排除しようと!」
また、もう1人が叫んだ。
そうだ、自分はリヴェルに対し失礼な態度をいくつもとった。だから、彼らが自分にした事はきっと間違っていない。
そう思うのに、リヴェルは足を止め「私の友はホルンだけだ。」そう言って微笑んだ。
何故、身分の違う自分に優しくするのか、身分の違う自分を友達だと言ってくれるのかホルンにはわからない。
王の命令なのか?仲良くするのが。
そうでないと、理由がないはずだ。
「リヴェル様。」
ホルンは立ち上がりリヴェルの後を歩いた。
もう、リヴェルと呼び捨てで呼ぶ事はできない。
「ホルン、何故呼び捨てで呼ばない?」
「、、私は、男爵家の次男です。リヴェル様を呼び捨てできる存在ではありません。」
ホルンが俯いたままそういえば、リヴェルは「お前だけは私をリヴェルとして扱った。私はそれが嬉しかったんだよ。ホルン。」
「ですが、、ですが俺は、、私はリヴェル様にひどい事を、、。」涙を目に浮かべリヴェルにそう告げるホルンに対しリヴェルは「友達だろう?」と言って悪戯な笑みをホルンに向けるのだ。
たった一言、ホルンはそう言われただけなのに、その言葉は今まで聞いたどんな言葉より、ホルンを変えるきっかけとなった。
王の命令でもなんでも良い。
彼の側にいて、彼を守ろう。
そんな決意で、ホルンは勉学を学び、守れるように武術も学んだ。
ホルンの幸せはリヴェルを守ること、リヴェルを幸せにすること。
そのため、「この学校では、平民も貴族も誰だって平等よ!しかも偉いのは貴方達のお父様やお母様よ?貴方達ではないわ。」
そう、リヴェルとホルンに対し、言い放った少女を見た時から、リヴェルが少女に恋におちたことをわかっている。
リヴェルの幸せを守ること。それがホルンの使命。その為には、ちょっといけすかない女ではあるが、リヴェルの好きな女性を守る義務を感じている。
「おい、クソ女。」
そう呼べば「べぇ!」と舌をだしてくる女に今日も腹が立つが、案外そんな女の子ともホルンは大事に思っているのだった。
男爵家を継ぐ事はないため、勉学も兄のように必死に学ばないといけないわけではない。
背はまだ低いが、あと5年もすれば父のように身長だって高くなるに決まっている。
顔はどちらかといえば母譲りのため、幼く可愛らしい顔をしてしまっているが、これも数年経てばとても整った美丈夫になっていると信じて疑った事はない。
ホルンの父と母は優しく、ホルンを少し甘やかして育ててしまった。
それは、次男という事もあるがホルンは間違いなく男ではあるが、その顔はとても可愛らしい女の子のようだったからだ。
ホルンが大きくなるまでは、母は何度かこっそりと女の子物のドレスを着させたりもした。
目に入れても痛くはないとはこういうことか!と2人が思う程、ホルンは可愛く産まれたので、これでもか!というほど2人はホルンを甘やかした。
そのせいでなのか、ホルンは少しばかり、我儘な性格になってしまっていた。
人の物でも欲しい!気に入らなければうざい!とホルンはすぐに言い、その為なら人を傷つけても良いと思っていた。
だが、それは王太子リヴェルとの出会いにより変わった。
余りにも我儘な息子に悩んだホルンの父が、友人のリヴェルの父に相談したのである。
ホルンの父もリヴェルの父も黒い髪をしており、2人ともまた魔法が使えた為、学園に通う頃からの友人である。
リヴェルの父は悩むホルンの父に、よき友人を作ることを薦めた。
そして、その相手に自分の息子をと2人の遊ぶ時間を設けてくれた。
リヴェルとホルンは2人の父により週に数回引き合わされるが、勉学をまともにしていないホルンにはリヴェルのする国の行く末についてや、魔法についての話などさっぱり面白くなければ、王太子という存在がどれだけ尊い存在なのかもよくわかっていない。
その為、王太子相手に「お前のケーキをよこせ!」と言ってみたり、「退屈だ!」と言ってみたり、失礼な事を何度も言ったが、リヴェルは決まってニコリと微笑むだけなのだ。
同じ子供のくせに、人形みたいで面白くないとホルンは思うのだ。
その日もホルンはリヴェルの住む王宮にやってきていた。きたくもないのに、きてやってるんだから感謝しろ!とふんぞり帰りながら王宮の広い廊下を歩いてやる。
ホルンの父とリヴェルの父は2人で話をするから1人でリヴェルの元へ行けと言われたが、ホルンは少しばかり迷子になっていた。
なんと言っても王宮は広すぎる。
どこを歩いてもだだっ広い廊下がどこまでもどこまでも続いているのだ。
最初こそふんぞりがえって歩いていたホルンだが、段々ともう帰れないのでは、、、という思いで不安になり、次第に早足になる。
少し目には涙だって浮かんでいたかもしれない。
「はぁっ、はあっ。」と王宮内を駆け回るうちに、息苦しくなってきた。
次第に足がもつれ、転ける!とと思った瞬間に、ホルンは勢いよく何かにぶつかった。
「いってぇ、、。なんだよ!って、ホルンかよ」
声を荒げ怒るのはリヴェルの元に遊びに行った際に時々いる友人に近い存在である。
ホルンは人に会えた安心感から、ホッと胸を撫で下ろしたのも、一瞬。
男はホルンの胸ぐらを掴み、「あっ?お前は相変わらず女みてーな顔してるなぁ。」そう言って、ゲラゲラと品のない笑い方をするのだ。
ホルンはプライドの少し高い男の子である。
そう言われ、涙目で男を睨むが、男は余計にゲラゲラと笑うだけだった。
「おい、何してんだ?」と男の友人、敷いてはリヴェルの元にやってくる男がもう1人やってきたかと思えば、男に事の次第を聞くと、やってきた男も腹を抱えゲラゲラと笑うのだ。
「うるさい!!!黙れカスども!」
男達よりも小さなホルンがそう言っても、それは男たち2人のネタの一つになるだけである。
リヴェルと共にいた時は、2人からホルンを馬鹿にしてくる事はなかった。
友人だとはまだ思っていなかったが、それでも気の強いホルンに何かしてくる事もなく、何度か遊んだ事もある。
そんな2人がホルンを揶揄うことに、いつも自分が何も言われないのはリヴェルがいたからなんだと気づいた。
ホルンはギュウッと手を握り締め、屈辱からまた涙をこぼした時だった。
「ホルン、探したぞ。」と、リヴェルがやってきたのは。
リヴェルを見た瞬間、男2人は顔を青くさせた。
そして、ホルンを掴んでいた胸ぐらを離すとホルンはその場にドサッと落とされる。
「あっ、、リヴェル様!!お探ししてました!」
男2人は直ぐにリヴェルに取り入ろうと、リヴェルの元へと駆けて行く。
この時、ホルンはリヴェルと自分とは住む世界が違うお人なのだと思った。
自分は父のお陰で、リヴェルというとても高貴な存在の方と、仲良くさせてもらえてたのだ。
そう思うと、自分がしてきた行いがとても恥ずかしいものだったと感じ、また涙がこぼれた。
「お前達、今ホルンに何をしていた?」
「ホルンがまた我儘をいうので、、少し叱っていただけです。」
「私も、ホルンに酷いことを言われ困っておりました。」と嘘の言葉をツラツラと並べている2人に、ホルンは何もいう気になれなかった。
どうせ、リヴェルも彼ら2人の味方になるのだろう。
「ホルン行くぞ。」
そう思ったのに、リヴェルはホルンの肩をポンと叩いた。そして、何も言わず歩き出したのだ。
「待ってください!リヴェル様!!私達は友達ではありませんか!」
男がそう叫んだ。
「そいつはいつもリヴェル様に失礼な態度を取ります!だから、排除しようと!」
また、もう1人が叫んだ。
そうだ、自分はリヴェルに対し失礼な態度をいくつもとった。だから、彼らが自分にした事はきっと間違っていない。
そう思うのに、リヴェルは足を止め「私の友はホルンだけだ。」そう言って微笑んだ。
何故、身分の違う自分に優しくするのか、身分の違う自分を友達だと言ってくれるのかホルンにはわからない。
王の命令なのか?仲良くするのが。
そうでないと、理由がないはずだ。
「リヴェル様。」
ホルンは立ち上がりリヴェルの後を歩いた。
もう、リヴェルと呼び捨てで呼ぶ事はできない。
「ホルン、何故呼び捨てで呼ばない?」
「、、私は、男爵家の次男です。リヴェル様を呼び捨てできる存在ではありません。」
ホルンが俯いたままそういえば、リヴェルは「お前だけは私をリヴェルとして扱った。私はそれが嬉しかったんだよ。ホルン。」
「ですが、、ですが俺は、、私はリヴェル様にひどい事を、、。」涙を目に浮かべリヴェルにそう告げるホルンに対しリヴェルは「友達だろう?」と言って悪戯な笑みをホルンに向けるのだ。
たった一言、ホルンはそう言われただけなのに、その言葉は今まで聞いたどんな言葉より、ホルンを変えるきっかけとなった。
王の命令でもなんでも良い。
彼の側にいて、彼を守ろう。
そんな決意で、ホルンは勉学を学び、守れるように武術も学んだ。
ホルンの幸せはリヴェルを守ること、リヴェルを幸せにすること。
そのため、「この学校では、平民も貴族も誰だって平等よ!しかも偉いのは貴方達のお父様やお母様よ?貴方達ではないわ。」
そう、リヴェルとホルンに対し、言い放った少女を見た時から、リヴェルが少女に恋におちたことをわかっている。
リヴェルの幸せを守ること。それがホルンの使命。その為には、ちょっといけすかない女ではあるが、リヴェルの好きな女性を守る義務を感じている。
「おい、クソ女。」
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