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第 4 章 竜族の里 編
竜徒
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竜を信仰する教徒、略して『竜徒』。
彼等達も最初から竜教徒だったわけではない。
貴族じゃなかった、王都から遠い村で生まれた、ただそれだけのことで虐げられ迫害を受ける民。
安住の地を求めて彷徨い歩き行き着いた地、そこは人が暮らすには過酷な場所。
それでも彼等は頑張った、モンスターと戦い、森を切り開き、地を耕す。
それこそ毎日、傷だらけになりながら。
そしてやっと人らしき暮らしができると思った矢先に暴力の嵐が吹き荒れる。
彼等が開墾した地を狙って隣国の軍隊が攻める。
彼等は絶望し、一条の望みを神に求めた。
彼等が出会った神は竜信仰、家族を、大切な人を守るため彼等は人間を捨てた。
俺達は今、その『竜徒』達が住う地に向かっている。
リュカクが用意した舞台がある竜族の里は『竜徒』達が住う地の先にある。
幾度となく戦った『竜徒』達だが彼等のことを知れば知るほど俺の剣は鈍る。
しかし、素通りすることは許されない、いつ又『竜徒』が王都を襲うかわからない、多くの民衆が犠牲になってしまう。
俺の迷いを感じとったカイトが俺に言う。
「奴等に守るものがあるように、俺達にだって守るものがある。」
「お互い運が悪かっただけさ。」
『運』
運命、俺がこの異世界に転生してリュオと出会い魔剣を手に入れ、今、カイトやポーとパーティーを組んでいる。
その全てが運命だったと、
そしてこれから竜徒と戦うことも運命なのだと。
『竜徒』
俺達は『竜徒』達が住う地に足を踏み入れた。
怪物たちが住う地とは思えない穏やかな風が吹き草原にはさまざまな花々が咲き乱れる。
その中を遊ぶ子供達、人を捨ててまで勝ち取った平和、『竜徒』彼等の守るものの重さをあらためて俺は実感する。
殺し合い、お互いの命をかけての戦い、相手がモンスターだから逃げて当然、怪物だから勝てなくて当然、竜族だから当然。
そんな甘えが許されない殺し合い、しかも今回はこちらが侵略者。
どんなに不利な戦いになろうとも覚悟はできている、カイト、リュオ、ポーからも覚悟が伝わってくる。
無益ないつ終わるかもわからない戦いが続く、カイトの弓が竜徒を貫き、ポーの炎が竜徒とその周辺を焼く、辺りに焦げ臭い匂いが漂う中、俺の剣か竜徒を斬る。
それでも竜徒達は立ち上がり俺達の前に立ち塞がる。
竜族のリュオにも怯まない、彼等は退く様子もない、退く場所もない。
俺の剣も強くなった、今では竜徒達とも互角以上に戦える、目の前の竜徒3人と対しても恐怖は微塵もない。
俺は竜徒3人の間合いの中心に入る、俺の剣の届く範囲に陣取って竜徒と斬り結ぶ。
彼等の重い一撃を受け止め、あるいは受け流して斬り返す、俺の攻撃が一方的にあたるようになってきた。
それでも彼等は倒れない、最期の攻撃をしようと身構える。
その決意がひしひしと伝わってくる、彼等3人の同時攻撃がくる。
その時、この戦いの前に村の外に遊びに出かけていた竜徒の子供が戻ってきた。
この光景を目撃した子供は竜徒を守ろうと俺に挑みかかる。
3人の竜徒の中に、この子供のかつての両親だった者がいるのかも知れない。
子供は俺の足にしがみつき戦いを止めようとする。
竜徒の攻撃は既にモーションに入っている、このままでは子供にあたる。
俺は剣を捨て子供に覆い被さる。
「ライス~~~!」
「ライスーーー!」
「ポーーー!」
リュオ、カイト、ポーの声か遠くに聞こえる。
俺の頭の中で過去の記憶が走馬灯のように駆け巡る。
物心がついた少年の頃、棒切れ1本を持って野原を駆けた、本気でヒーローに憧れて自分は正義の味方になれるなんて信じてた。
小学生の時、子猫を助けようと川に飛び込んだ時だって、心の片隅でヒーローを気取っていたのかもしれない、その挙げ句に大怪我をしてどれだけ親や周りの人を心配させたことか。
高校生の時、立ち往生した車の運転手を助けた時だって、どれだけ大切な人を心配させたことか。
すこしでも強くなればと剣道を習い始め、全国制覇をしても、それでも強さとは何かわからなかった。
自分の限界を知って、虚しさを感じても何も変えることができない自分に苛立ち始めた時、女の子を助け。
異世界に転生して竜族の血と鍛錬で強くなっても本当の強さはわからないまま。
それでも俺といっしょに戦ってくれる仲間がいる、リュオ、カイト、ポー、大事な仲間を守らなければ。
・・・強さとは大切なものを守る力。
俺の中の魂が弾ける!
その瞬間、竜徒3人は弾き飛ばされる、俺は剣を持っていないのに。
奥義!その言葉が俺の頭に浮かぶ、少年が俺に見せた剣の壁。
剣の装備者が放つ気、その剣気による剣の壁、否、剣は関係ないのかもしれない。
気とは想いの強さ、子供を仲間を竜徒さえも守ろうとする俺の想いに剣が応えてくれた。
剣の壁は竜徒3人の攻撃を止めて弾き返す。
子供は無事。
子供はその場で泣き出す、それがこの無益な戦いの終了の合図となる。
皆、その場に武器を置く、誰もこの戦いの終わりに異議を唱える者はいない。
辺りはすっかり闇に包まれている。
闇の先には光が、明日は必ずやってくる。
俺達は光に向かって竜徒の里を後にした。
彼等達も最初から竜教徒だったわけではない。
貴族じゃなかった、王都から遠い村で生まれた、ただそれだけのことで虐げられ迫害を受ける民。
安住の地を求めて彷徨い歩き行き着いた地、そこは人が暮らすには過酷な場所。
それでも彼等は頑張った、モンスターと戦い、森を切り開き、地を耕す。
それこそ毎日、傷だらけになりながら。
そしてやっと人らしき暮らしができると思った矢先に暴力の嵐が吹き荒れる。
彼等が開墾した地を狙って隣国の軍隊が攻める。
彼等は絶望し、一条の望みを神に求めた。
彼等が出会った神は竜信仰、家族を、大切な人を守るため彼等は人間を捨てた。
俺達は今、その『竜徒』達が住う地に向かっている。
リュカクが用意した舞台がある竜族の里は『竜徒』達が住う地の先にある。
幾度となく戦った『竜徒』達だが彼等のことを知れば知るほど俺の剣は鈍る。
しかし、素通りすることは許されない、いつ又『竜徒』が王都を襲うかわからない、多くの民衆が犠牲になってしまう。
俺の迷いを感じとったカイトが俺に言う。
「奴等に守るものがあるように、俺達にだって守るものがある。」
「お互い運が悪かっただけさ。」
『運』
運命、俺がこの異世界に転生してリュオと出会い魔剣を手に入れ、今、カイトやポーとパーティーを組んでいる。
その全てが運命だったと、
そしてこれから竜徒と戦うことも運命なのだと。
『竜徒』
俺達は『竜徒』達が住う地に足を踏み入れた。
怪物たちが住う地とは思えない穏やかな風が吹き草原にはさまざまな花々が咲き乱れる。
その中を遊ぶ子供達、人を捨ててまで勝ち取った平和、『竜徒』彼等の守るものの重さをあらためて俺は実感する。
殺し合い、お互いの命をかけての戦い、相手がモンスターだから逃げて当然、怪物だから勝てなくて当然、竜族だから当然。
そんな甘えが許されない殺し合い、しかも今回はこちらが侵略者。
どんなに不利な戦いになろうとも覚悟はできている、カイト、リュオ、ポーからも覚悟が伝わってくる。
無益ないつ終わるかもわからない戦いが続く、カイトの弓が竜徒を貫き、ポーの炎が竜徒とその周辺を焼く、辺りに焦げ臭い匂いが漂う中、俺の剣か竜徒を斬る。
それでも竜徒達は立ち上がり俺達の前に立ち塞がる。
竜族のリュオにも怯まない、彼等は退く様子もない、退く場所もない。
俺の剣も強くなった、今では竜徒達とも互角以上に戦える、目の前の竜徒3人と対しても恐怖は微塵もない。
俺は竜徒3人の間合いの中心に入る、俺の剣の届く範囲に陣取って竜徒と斬り結ぶ。
彼等の重い一撃を受け止め、あるいは受け流して斬り返す、俺の攻撃が一方的にあたるようになってきた。
それでも彼等は倒れない、最期の攻撃をしようと身構える。
その決意がひしひしと伝わってくる、彼等3人の同時攻撃がくる。
その時、この戦いの前に村の外に遊びに出かけていた竜徒の子供が戻ってきた。
この光景を目撃した子供は竜徒を守ろうと俺に挑みかかる。
3人の竜徒の中に、この子供のかつての両親だった者がいるのかも知れない。
子供は俺の足にしがみつき戦いを止めようとする。
竜徒の攻撃は既にモーションに入っている、このままでは子供にあたる。
俺は剣を捨て子供に覆い被さる。
「ライス~~~!」
「ライスーーー!」
「ポーーー!」
リュオ、カイト、ポーの声か遠くに聞こえる。
俺の頭の中で過去の記憶が走馬灯のように駆け巡る。
物心がついた少年の頃、棒切れ1本を持って野原を駆けた、本気でヒーローに憧れて自分は正義の味方になれるなんて信じてた。
小学生の時、子猫を助けようと川に飛び込んだ時だって、心の片隅でヒーローを気取っていたのかもしれない、その挙げ句に大怪我をしてどれだけ親や周りの人を心配させたことか。
高校生の時、立ち往生した車の運転手を助けた時だって、どれだけ大切な人を心配させたことか。
すこしでも強くなればと剣道を習い始め、全国制覇をしても、それでも強さとは何かわからなかった。
自分の限界を知って、虚しさを感じても何も変えることができない自分に苛立ち始めた時、女の子を助け。
異世界に転生して竜族の血と鍛錬で強くなっても本当の強さはわからないまま。
それでも俺といっしょに戦ってくれる仲間がいる、リュオ、カイト、ポー、大事な仲間を守らなければ。
・・・強さとは大切なものを守る力。
俺の中の魂が弾ける!
その瞬間、竜徒3人は弾き飛ばされる、俺は剣を持っていないのに。
奥義!その言葉が俺の頭に浮かぶ、少年が俺に見せた剣の壁。
剣の装備者が放つ気、その剣気による剣の壁、否、剣は関係ないのかもしれない。
気とは想いの強さ、子供を仲間を竜徒さえも守ろうとする俺の想いに剣が応えてくれた。
剣の壁は竜徒3人の攻撃を止めて弾き返す。
子供は無事。
子供はその場で泣き出す、それがこの無益な戦いの終了の合図となる。
皆、その場に武器を置く、誰もこの戦いの終わりに異議を唱える者はいない。
辺りはすっかり闇に包まれている。
闇の先には光が、明日は必ずやってくる。
俺達は光に向かって竜徒の里を後にした。
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