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第 10話 農業はじめました4
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流石は森の護り手のメンバー達だ、器用な者、頭の切れる者、それぞれに自分の得意分野でテキパキと動いてくれる。
さっそく櫓の図面を引いて来てテーブルの上に広げると、それを見た他のメンバーが改良点を指摘する。
その図面を元に材料を調達する者、櫓を立てる場所を整地する者、誰が指示するまでもなく各々が動いている。
上位の冒険者パーティーというものはこう言った者達か、俺も冒険者だった記憶が残っているが、その時はほぼ1人で動いていた。
俺はこの国の自警団レベルの冒険者ギルドのレベルを上げる為にほとんどの時間を使ってしまった、依頼も受けずに各地のギルドを回る収入の無い俺についてくる仲間はなく、俺は冒険者時代にパーティーを組んだことが無い。
騎士団長時代も部隊は団長の俺の指示で動いていた為、誰からも指示されずにテキパキ動くこの男達を見ているとなんだか新鮮な想いだ。
「ザイン!貴方が1番動かなくっちゃダメでしょ!」
俺が呆けていると、いきなり背中から声が聞こえる。
振り向くとリフリーが腕を組んで仁王立ちしている、なんとも可愛い仁王様だが、俺は謝って作業にかかる。
俺だって知識はある、もともと俺がやる作業、皆に負けてはいられない。
もともと俺の頭の中にあった完成想像図と図面はほぼ合っている、櫓については彼等に任せておいても大丈夫。
俺は水槽を運んでこよう、作ろうではなく、運んでこようと言ったのは水槽は直ぐ近くにあるからだ。
そう、お風呂の浴槽だ、旧リズモンド家には貴族の屋敷に相応しい大人が3人入っても余裕なそれは立派な浴槽があった。
あの浴槽は金属製ではあるがその金属はパイプに使用している金属とは異なり半永久的な耐久性が有り、光沢も宝石のような輝きを放っている。
この浴槽を売ればかなりの収入になると思われるが世の中そんなに甘くはない、このような高価な品物はほとんどオーダーメイドで製作される。
そして、オーダーメイドで製作させた品物に貴族は家紋を必ずと言っていいほど刻むのだ。
その家紋が刻んであるヤバイ品物を買い取る商人は国中探しても多くはないだろうし、しかも現在の宰相リズモンド家所縁の品とならば尚更買い取る商人はいない。
家紋を削って売り捌く事も出来るが浴槽の形状などから必ず暗部が嗅ぎつける、暗部はリズモンド家に関する情報はどんなに小さな情報でも見逃さずロフトに報告する。
いままでは管理する者のいなかった旧リズモンド家の屋敷だが、そこから盗まれた品とあっては普通より重い罪が下されるかもしれないのだ。
では何故、リズモンド家は領地替えの時にこの浴槽をはじめさまざまな高価な家具をそのままにして行ったのか?
それはこの異世界の文化が関係して、モンスターに脅かされていた時代、人々は安住の地を求めて次々に移動を繰り返す生活を送っていた。
人々は次の地に移動する際に、次にこの地を訪れる人の為に生活用具の一部を残しておく文化があった。
その文化は貴族、庶民を問わず今でも残っている、リズモンド家もその文化に従って残していったのだ。
今のこの地の持ち主は俺達家族だ、ありがたく利用させてもらおう。
俺達は男6人がかりで浴槽を櫓設置予定地まで運んだ、後は櫓が完成したら滑車を使って櫓の上まで持ち上げれば完成だ。
ここまでくれば時間の問題、作業は完成したも同然で後は街までパイプや資材を買いに行ったメンバーを待つだけだ。
大量の資材を持って帰るのだ、帰りは馬車で帰ってくる、馬では往復5日の道のりでも買い付け時間も含めると約10日の工程だ。
その間にも俺にはやる事がまだまだある、枠組みの製作に土の運び上げ、とても10日では足りない、俺はさっそく作業にかかった。
皆の手伝いのお陰で作業は順調に進んでいく、櫓と支柱の設置場所の整地が終わり、少し遅れて枠組みが完成して土を入れた。
パイプと資材の到着で作業は佳境を迎える、櫓を組む者と支柱を設置する者に分かれて作業は進んでいく、流石にあっという間とは行かなかったが大きなトラブルも無く作業は1か月程で完了した。
森の護り手のメンバーは作業が完成すると街に一旦帰るからと言って帰って行った、その際、ほぼ全員が俺の側に来ると俺だけに聞こえる声で早くリフリーを冒険者に戻せと、いろいろな皮肉を込めて挨拶していったのだ。
リフリーを早く開放させたいからと作業を手伝う事についてはタダでいいと言っていた森の護り手のメンバーだったが、この男達の1か月あまりの食費は馬鹿にならず、パイプと資材の代金と合わせるといままでに稼いだ俺達の貯金の大半を使い果たしてしまった。
今から野菜を栽培しても収入になるまでには数ヶ月から1年はかかるだろうが俺は諦めない、ロフトに押し付けられた土地だといっても俺達の立派な土地なのだ。
俺達は明日にでも栽培する野菜の苗を家族全員で村に買いに行ってみる、俺達がいた村は他の村と比べても農業は盛んな方で農地は村の所有といってもさまざまな野菜が栽培されていた。
この季節に適している野菜の苗も手に入るだろう、明日が楽しみだキャロもひさびさに村の友達に会えると、先ほどまで大はしゃぎしてたが疲れて寝てしまった。
これから始まる俺達の農業生活が意外な方向に進んでいくとは、今はまだ知る由もなかった。
さっそく櫓の図面を引いて来てテーブルの上に広げると、それを見た他のメンバーが改良点を指摘する。
その図面を元に材料を調達する者、櫓を立てる場所を整地する者、誰が指示するまでもなく各々が動いている。
上位の冒険者パーティーというものはこう言った者達か、俺も冒険者だった記憶が残っているが、その時はほぼ1人で動いていた。
俺はこの国の自警団レベルの冒険者ギルドのレベルを上げる為にほとんどの時間を使ってしまった、依頼も受けずに各地のギルドを回る収入の無い俺についてくる仲間はなく、俺は冒険者時代にパーティーを組んだことが無い。
騎士団長時代も部隊は団長の俺の指示で動いていた為、誰からも指示されずにテキパキ動くこの男達を見ているとなんだか新鮮な想いだ。
「ザイン!貴方が1番動かなくっちゃダメでしょ!」
俺が呆けていると、いきなり背中から声が聞こえる。
振り向くとリフリーが腕を組んで仁王立ちしている、なんとも可愛い仁王様だが、俺は謝って作業にかかる。
俺だって知識はある、もともと俺がやる作業、皆に負けてはいられない。
もともと俺の頭の中にあった完成想像図と図面はほぼ合っている、櫓については彼等に任せておいても大丈夫。
俺は水槽を運んでこよう、作ろうではなく、運んでこようと言ったのは水槽は直ぐ近くにあるからだ。
そう、お風呂の浴槽だ、旧リズモンド家には貴族の屋敷に相応しい大人が3人入っても余裕なそれは立派な浴槽があった。
あの浴槽は金属製ではあるがその金属はパイプに使用している金属とは異なり半永久的な耐久性が有り、光沢も宝石のような輝きを放っている。
この浴槽を売ればかなりの収入になると思われるが世の中そんなに甘くはない、このような高価な品物はほとんどオーダーメイドで製作される。
そして、オーダーメイドで製作させた品物に貴族は家紋を必ずと言っていいほど刻むのだ。
その家紋が刻んであるヤバイ品物を買い取る商人は国中探しても多くはないだろうし、しかも現在の宰相リズモンド家所縁の品とならば尚更買い取る商人はいない。
家紋を削って売り捌く事も出来るが浴槽の形状などから必ず暗部が嗅ぎつける、暗部はリズモンド家に関する情報はどんなに小さな情報でも見逃さずロフトに報告する。
いままでは管理する者のいなかった旧リズモンド家の屋敷だが、そこから盗まれた品とあっては普通より重い罪が下されるかもしれないのだ。
では何故、リズモンド家は領地替えの時にこの浴槽をはじめさまざまな高価な家具をそのままにして行ったのか?
それはこの異世界の文化が関係して、モンスターに脅かされていた時代、人々は安住の地を求めて次々に移動を繰り返す生活を送っていた。
人々は次の地に移動する際に、次にこの地を訪れる人の為に生活用具の一部を残しておく文化があった。
その文化は貴族、庶民を問わず今でも残っている、リズモンド家もその文化に従って残していったのだ。
今のこの地の持ち主は俺達家族だ、ありがたく利用させてもらおう。
俺達は男6人がかりで浴槽を櫓設置予定地まで運んだ、後は櫓が完成したら滑車を使って櫓の上まで持ち上げれば完成だ。
ここまでくれば時間の問題、作業は完成したも同然で後は街までパイプや資材を買いに行ったメンバーを待つだけだ。
大量の資材を持って帰るのだ、帰りは馬車で帰ってくる、馬では往復5日の道のりでも買い付け時間も含めると約10日の工程だ。
その間にも俺にはやる事がまだまだある、枠組みの製作に土の運び上げ、とても10日では足りない、俺はさっそく作業にかかった。
皆の手伝いのお陰で作業は順調に進んでいく、櫓と支柱の設置場所の整地が終わり、少し遅れて枠組みが完成して土を入れた。
パイプと資材の到着で作業は佳境を迎える、櫓を組む者と支柱を設置する者に分かれて作業は進んでいく、流石にあっという間とは行かなかったが大きなトラブルも無く作業は1か月程で完了した。
森の護り手のメンバーは作業が完成すると街に一旦帰るからと言って帰って行った、その際、ほぼ全員が俺の側に来ると俺だけに聞こえる声で早くリフリーを冒険者に戻せと、いろいろな皮肉を込めて挨拶していったのだ。
リフリーを早く開放させたいからと作業を手伝う事についてはタダでいいと言っていた森の護り手のメンバーだったが、この男達の1か月あまりの食費は馬鹿にならず、パイプと資材の代金と合わせるといままでに稼いだ俺達の貯金の大半を使い果たしてしまった。
今から野菜を栽培しても収入になるまでには数ヶ月から1年はかかるだろうが俺は諦めない、ロフトに押し付けられた土地だといっても俺達の立派な土地なのだ。
俺達は明日にでも栽培する野菜の苗を家族全員で村に買いに行ってみる、俺達がいた村は他の村と比べても農業は盛んな方で農地は村の所有といってもさまざまな野菜が栽培されていた。
この季節に適している野菜の苗も手に入るだろう、明日が楽しみだキャロもひさびさに村の友達に会えると、先ほどまで大はしゃぎしてたが疲れて寝てしまった。
これから始まる俺達の農業生活が意外な方向に進んでいくとは、今はまだ知る由もなかった。
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