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ー閃光ー171

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 本当、人間というのは、生きていく中で悩み事が尽きないものだ。

 だけど、その悩み事もいずれは解決していく。

 だからこそ、悩みがあるときには誰かに相談したほうが、解決が早いのかもしれない。

 裕二が去った後、俺はもう一度、食堂の窓から中庭を見つめた。

 こうして一人、ゆっくりとした時間を過ごすのも悪くない。いや、俺の場合、むしろ落ち着ける時間なのかもしれない。

 昔は隣に和也がいて、いつもいろんな話をしていたものだ。だが今は、美潮があまりにも使えない人間で、仕事以外では一緒にいたくない人物だから、この時間は完全に俺一人の時間になりつつある。

 俺の性格的にも、わいわいがやがやとした時間より、一人の時間があるほうが性に合っている。

 午後からの仕事に気合いを入れるため、「よしっ!」と小さな声で言い、俺は立ち上がると、自分の部屋へと戻っていった。

 すると、そこには美潮ともう一人の姿があった。

 美潮はソファの窓際にいたので、すぐにその姿を捉えることができた。だが、もう一人の人物は部屋の入り口に背を向けて立っており、後ろ姿だけでは誰なのか分からなかった。

 美潮が部外者を部屋に連れてきたのだろうか?

 もしそうなら、何か一言言わないと気が済まない。そう思いつつ、俺は中へと歩みを進めた。

 すると、背中を向けていた人物が俺の気配に気付いたのか、こちらへ振り向きながら話しかけてきた。

「よっ!」
「……か、和也ぁ?! はぁ?! なんで、お前がここに来てんだよっ! しかも、美潮と……」

 和也に気付いた俺は、驚きのあまり目を見開いて声を張り上げた。だが、次第に和也の視線に引っ張られるようにソファに腰を下ろし、話を続けた。

 美潮の知り合いなら怒るつもりだったのに、自分の知り合いだと分かった途端、気まずさのせいか声が次第に小さくなっていった。

「え? ちょっとな……望の今の看護師さんのことが気になっちまったからさ。まぁ、雄介のことは裕実と美里さんが見てくれてるしな」
「だからって……ここまで来る必要あったのか?」
「だから、それは今言っただろ? お前の今の仕事でのパートナーが気になったからだって」

 和也の言葉に、一瞬、頭を悩ませた。その間にも、再び和也が話し掛けてくる。

「まぁまぁまぁ……とりあえず、今美潮と話してたところだからさ。それと、今日はせっかくここまで来たし、久しぶりに望と一緒にここで働いてみようかな?」
「……へ? あ、ああ……? って、別に、今ここで働く必要はないんじゃねぇのか?」
「んー、なんていうのかな? 俺って、こう、働いてたいんだよねぇ。家でじっとしてるのって耐えられないっていうの? ほら、働いてたほうが時間が過ぎるの早いだろ?」
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