814 / 881
ー閃光ー106
しおりを挟む
本当に今さっきのメールの相手に、今の俺は胸が高鳴っている。こんなことは本当にいつぶりなんだろうか。
いや、雄介といると、確かに胸が常に高鳴りっぱなしなのだが、それでも今の俺は、いつも以上に興奮状態だった。
もう少しで自分の家の近くに着く、と思ったところで渋滞にハマってしまった。
そこで大きなため息を吐いてしまうのは、当たり前だろう。
確かにこの大きな交差点では、毎回渋滞にハマってしまうのだが、目の前にいいことが待っている時というのは、本当に渋滞がイライラする。
渋滞で思い出すのは、昔はこうやって仕事の帰りに渋滞にハマると、雄介が休みの時には迎えに来てくれたものだ。だが、今はそれもない。
この交差点を曲がれば、今住んでいるマンションはすぐそこなのに、と思ってしまう。
やっと車が動き出した。だが、まだ数メートルしか進まない。
すると、もう一度メールの通知音が鳴る。
今は渋滞に引っかかっているから、スマホを取り出して、今来たメールを読み始める。
『まだ、なのか?』
と、たった一言だけのメール。
しかし、アイツにしては珍しく短文に思える。
いつもなら、物凄い長文でメールをしてくるのだから。
でも、この短文からすると、めちゃくちゃ俺の帰宅を待ち望んでいるのがわかる。
とりあえず、俺も返信する。
『あと少しなんだけど……渋滞に引っかかってさぁ。マジ、もうちょい待ってくれねぇか?』
と送ると、すぐに返事が返ってくる。
『わかったよ』
その一言で、メールのやり取りは終わる。
本当に数メートルしか進まない。でも、確かに仕方がないのだろう。誰だって早く帰りたいのに、この交差点は帰宅する車で一番混む場所でもあるのだから。
数分経った頃だろうか、俺の車はやっと交差点を抜けることができた。
そこからはすんなりと進み始める。俺は今住んでいるマンションの地下駐車場へと車を止め、それから急いで自分の家へと向かう。
鍵を開けた向こう側には、昨日のように賑やかな雰囲気が広がっていた。
本当に、この家は俺と雄介だけが住んでいたはずなのに、ここ連日は、妙に賑やかな家になっているような気がする。
「ただいまぁー!」
そう、俺はいつもの癖なのか、それとも訪問者が嬉しくてそう言ってしまったのかはわからないが、思わず明るく言ってしまった。
すると、部屋の中からは雄介ではなく、
「おかえりー!」
という声が返ってくる。
それでも俺は、その声に明るい表情になって部屋へと入って行った。
いや、雄介といると、確かに胸が常に高鳴りっぱなしなのだが、それでも今の俺は、いつも以上に興奮状態だった。
もう少しで自分の家の近くに着く、と思ったところで渋滞にハマってしまった。
そこで大きなため息を吐いてしまうのは、当たり前だろう。
確かにこの大きな交差点では、毎回渋滞にハマってしまうのだが、目の前にいいことが待っている時というのは、本当に渋滞がイライラする。
渋滞で思い出すのは、昔はこうやって仕事の帰りに渋滞にハマると、雄介が休みの時には迎えに来てくれたものだ。だが、今はそれもない。
この交差点を曲がれば、今住んでいるマンションはすぐそこなのに、と思ってしまう。
やっと車が動き出した。だが、まだ数メートルしか進まない。
すると、もう一度メールの通知音が鳴る。
今は渋滞に引っかかっているから、スマホを取り出して、今来たメールを読み始める。
『まだ、なのか?』
と、たった一言だけのメール。
しかし、アイツにしては珍しく短文に思える。
いつもなら、物凄い長文でメールをしてくるのだから。
でも、この短文からすると、めちゃくちゃ俺の帰宅を待ち望んでいるのがわかる。
とりあえず、俺も返信する。
『あと少しなんだけど……渋滞に引っかかってさぁ。マジ、もうちょい待ってくれねぇか?』
と送ると、すぐに返事が返ってくる。
『わかったよ』
その一言で、メールのやり取りは終わる。
本当に数メートルしか進まない。でも、確かに仕方がないのだろう。誰だって早く帰りたいのに、この交差点は帰宅する車で一番混む場所でもあるのだから。
数分経った頃だろうか、俺の車はやっと交差点を抜けることができた。
そこからはすんなりと進み始める。俺は今住んでいるマンションの地下駐車場へと車を止め、それから急いで自分の家へと向かう。
鍵を開けた向こう側には、昨日のように賑やかな雰囲気が広がっていた。
本当に、この家は俺と雄介だけが住んでいたはずなのに、ここ連日は、妙に賑やかな家になっているような気がする。
「ただいまぁー!」
そう、俺はいつもの癖なのか、それとも訪問者が嬉しくてそう言ってしまったのかはわからないが、思わず明るく言ってしまった。
すると、部屋の中からは雄介ではなく、
「おかえりー!」
という声が返ってくる。
それでも俺は、その声に明るい表情になって部屋へと入って行った。
0
お気に入りに追加
72
あなたにおすすめの小説
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる