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ー閃光ー88
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しかし、雄介は本当に黙ったままだ。いつもの雄介とは本当に正反対の性格なのかもしれない。
それでも、昼間は美里の言う通りなら、テレビを見て笑ったり、泣いたりという感情はあるのだろう。
だけど、現実で俺たちと話をしている時には、会話はおろか、感情も外に出していないように思える。今だって、黙々と料理を食べているのだから。
「分かりました。新城先生もこの会話に入っていらっしゃるのですね」
「ええ、そうさせていただきますよ」
これで、三人での会話になるだろう。だけど、このメンバーで俺がうまく会話に入りきれるのかっていうのは分からないところだ。
そう、新城に美里。なんだか、俺が完全に会話に入れないようなメンバーだからだ。
「そうだったんですね。桜井先生は、昼間はテレビを見て過ごされてるんですか……」
新城はそこまで言うと、今度は俺の方へと視線を向け、
「では、吉良先生にお伺いいたしますが、記憶喪失になる前の桜井先生って、どんな風に生活してたんですか?」
逆に新城にそう振られて、俺は眉間に皺を寄せた。
きっと、まさか新城が自分に話を振ってくるとは思っていなかったからだろう。
「あー、家事とか、美里さんの病院への送り迎えとか。美里さんの家での家事とか買い物とかですかね?」
俺は雄介が昼間どんなことをしているのか、実際に見たことがない。だから、はっきりとは分からない。だけど、家での家事と、美里さんを病院へ送り迎えしているのは見たことがある。
「なるほどー。ま、とりあえず、吉良先生の話だと、桜井先生が家の家事や美里さんの送り迎えをしているのは確実ってことですね?」
新城は最後の方、若干独り言のように言っていた。そして、今度は美里の方へ視線を向け、
「では、今度は美里さんに質問させていただきますね。今、吉良先生の話からすると、桜井先生は美里さんの家でも家事をしたり料理をしてくれているとのことですが、桜井先生は本当に美里さんの家でも家事をしていたんですか?」
「雄ちゃんは家事も料理もしてくれますよー。いやぁ、あんなに雄ちゃんがマメな性格だとは知りませんでしたね。だって、実家にいた頃の雄ちゃんは……あ、いや……本当に男の子っていう感じでしたからねぇ。やっぱり、望さんのおかげでマメな性格になったんじゃないですかね?」
その美里の言葉に、俺は目を丸くした。
まさか雄介が、俺と付き合ってから家事や料理ができるようになっていたなんて、思ってもみなかった。だけど、昔雄介は俺にこう言っていた気がする。
『料理は高校生くらいの時にしてたけど、東京に来て一人暮らしするようになってからは、栄養のこととかで覚えたんだ』って……。
それでも、昼間は美里の言う通りなら、テレビを見て笑ったり、泣いたりという感情はあるのだろう。
だけど、現実で俺たちと話をしている時には、会話はおろか、感情も外に出していないように思える。今だって、黙々と料理を食べているのだから。
「分かりました。新城先生もこの会話に入っていらっしゃるのですね」
「ええ、そうさせていただきますよ」
これで、三人での会話になるだろう。だけど、このメンバーで俺がうまく会話に入りきれるのかっていうのは分からないところだ。
そう、新城に美里。なんだか、俺が完全に会話に入れないようなメンバーだからだ。
「そうだったんですね。桜井先生は、昼間はテレビを見て過ごされてるんですか……」
新城はそこまで言うと、今度は俺の方へと視線を向け、
「では、吉良先生にお伺いいたしますが、記憶喪失になる前の桜井先生って、どんな風に生活してたんですか?」
逆に新城にそう振られて、俺は眉間に皺を寄せた。
きっと、まさか新城が自分に話を振ってくるとは思っていなかったからだろう。
「あー、家事とか、美里さんの病院への送り迎えとか。美里さんの家での家事とか買い物とかですかね?」
俺は雄介が昼間どんなことをしているのか、実際に見たことがない。だから、はっきりとは分からない。だけど、家での家事と、美里さんを病院へ送り迎えしているのは見たことがある。
「なるほどー。ま、とりあえず、吉良先生の話だと、桜井先生が家の家事や美里さんの送り迎えをしているのは確実ってことですね?」
新城は最後の方、若干独り言のように言っていた。そして、今度は美里の方へ視線を向け、
「では、今度は美里さんに質問させていただきますね。今、吉良先生の話からすると、桜井先生は美里さんの家でも家事をしたり料理をしてくれているとのことですが、桜井先生は本当に美里さんの家でも家事をしていたんですか?」
「雄ちゃんは家事も料理もしてくれますよー。いやぁ、あんなに雄ちゃんがマメな性格だとは知りませんでしたね。だって、実家にいた頃の雄ちゃんは……あ、いや……本当に男の子っていう感じでしたからねぇ。やっぱり、望さんのおかげでマメな性格になったんじゃないですかね?」
その美里の言葉に、俺は目を丸くした。
まさか雄介が、俺と付き合ってから家事や料理ができるようになっていたなんて、思ってもみなかった。だけど、昔雄介は俺にこう言っていた気がする。
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