上 下
604 / 834

ー未知ー98

しおりを挟む
そんな俺を見て、雄介の方は気付いたのか、気持ち的に微笑んだように思った瞬間、先程よりも腰が動かされ縦横無尽に今度は動き始めるのだ。

「やぁあん! はぁん! ん、んん!」

 俺の方は顔だけを天井へと向けながら、声を上げる。

 本当に雄介の動きというのは優しさが籠っていて気持ちがいい。

 確かに人間なのだから、こういう行為に関して気持ちいいのは体で分かっているのだけど、俺の方はもう長年雄介とは恋人としてやって来たのだから、余計になのかもしれない。

 本当に雄介の場合には優しく丁寧で、きっと普段の生活というのが、こういう行為にも現れるのであろう。

 確かに雄介の場合はプライベートだと、ふざけているイメージしかないものの、仕事となると、優しくて丁寧な所があるのだから。

 そしてもっと言うと、我慢出来るところが雄介のいい所なのかもしれない。

 本当に俺の事しか考えてくれていないような動きに、俺の方は安心出来るのだから。

「やぁん! ぁあん! ソコっ!」

 どうやら俺の方は中にある気持ちいいポイントに当たったようで、先程よりも高い声が上がる。 そして思わず雄介の肩に置いておいた手に力が入ってしまったようだ。

「……っ!」

 力が入ってしまったからなのか、雄介の顔が一瞬歪んでしまったようにも思える。

「あ、ゴメン……」

 俺にしては珍しく、雄介に向かった素直に謝ったようにも思えるのだ。

「あ、ああ……大丈夫やって……ちょっとは痛かったけど……望にくらべたらなぁ……」
「……へ?」

 その雄介の言葉に思わず小さな声だったのだけど、裏声を上げてしまっていた俺。

 そうそう、今の雄介の言葉は「どういう意味で?!」と聞きたかったかのように言ってしまっていたのだから。

「あ、そうな……あー、スマン……相変わらず、言葉足らずな俺でスマンな……」

 そこで一旦言葉を止めると雄介の方は、

「ほらな、こういう行為って、望の方が痛いやろ? だって、望の場合、未だに挿れる時とか痛そうな顔するやんか……」
「あ……」

 その雄介の言葉にこっちの方が顔が真っ赤になりそうだ。

 今まで俺が顔を真っ赤にしたのは、本当に色々な意味が込められている。

 当然恥ずかしかったっていうのが一番上に来ているのだけど、雄介がそこまで思っていたということか、そこまで考えていなかった俺とか、色々な意味で本当に俺は雄介には勝てないような気もして来る。

 一瞬項垂れた俺だったのだけど、だけど雄介っていう人物像は俺からしてみたら、仕事上でのパートナーでもあるし、恋人同士でのパートナーでもあるし、本当に俺が勝てなくてもいいのかもしれない。 それと同時に頼り甲斐のあるパートナーにもなったのだから。

 そう思ったら、体から力が抜けたような気がするのは気のせいであろうか。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

ずっと女の子になりたかった 男の娘の私

ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。 ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。 そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。

校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話

赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)

くまさんのマッサージ♡

はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。 2024.03.06 閲覧、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。 2024.03.10 完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m 今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。 2024.03.19 https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy イベントページになります。 25日0時より開始です! ※補足 サークルスペースが確定いたしました。 一次創作2: え5 にて出展させていただいてます! 2024.10.28 11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。 2024.11.01 https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2 本日22時より、イベントが開催されます。 よろしければ遊びに来てください。

男子中学生から女子校生になった僕

大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。 普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。 強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!

孤独な戦い(1)

Phlogiston
BL
おしっこを我慢する遊びに耽る少年のお話。

処理中です...