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ー未知ー97

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「いや……俺の方は、ゆっくりとやる方が気持ちええねんけどな……」

 そう笑顔で俺の事を見つめて来る雄介。 ホント、最近ではそんな雄介の笑顔に弱いのかもしれない。 そう自分の方も微笑んでしまうくらいなのだから。

「それに、望の体に負担かけたくないしなぁ……」

 そう言って俺の体をギュッと抱きしめて来る雄介。

 そうやって抱き締められたことで、俺のお腹に雄介の温かい息が当たるのだ。

 それだけでも俺の方は益々心臓の鼓動が早くなって来る。 そして皮膚に息が当たるだけで今の俺っていうのはピクと反応してしまうのは気のせいであろうか。

 しかも雄介の膝の上に座っている状態なのだから、この体位というのは相手との密着度みたいなのが半端ない。

 きっと雄介の耳には俺の心臓の鼓動が聞こえているだろう。

 それを聞かれるのもちょっと恥ずかしいところなのかもしれない。

 だってそれは雄介がいるから早くなっているのだから。

 それに気付かれたら雄介で鼓動が早くなっていることがバレてしまうことが恥ずかしいことなのかもしれない。

 だからなのか無意識のうちに、俺の方は雄介の顔から自分の体を引き離して行く。

 それを始めて暫く経った頃だろうか、雄介の腕に力が入り、再び雄介の方へと近寄らされていたのだから。

「逃げんなや……」
「……」

 その雄介の言葉に無言になってしまう俺。

「もう、俺は望んこと分かっておるから……」
「え? あ、ぅん……」

 何でかよく分からないのだけど、俺の方は軽い感じで返事をしてしまっていた。

 そして益々俺の鼓動は早くなって行く。

 だけど本当に雄介っていう奴は全くもって俺が嫌だと思うことに関しては一切触れて来ない。

 そこまで考えてしまっていた自分がバカらしくなってくる。

「ほな、動くな……」

 そう言って、やっとゆっくりと腰を動かし始める雄介。

 本当に雄介の場合のは自分を犠牲にしてしまう。 きっともう雄介の中では腰を動かしかったらしいのだけど、今まで全くもって動くことはなかったのだから。

 きっと俺の方が落ち着くまで待っていてくれたのかもしれない。

 ゆっくり動き始めたのだから、全く俺の方は痛みとかは感じないようだ。

 先ずは横にスライドする感じで動いて来ていた。

「ぁ……ん……ぁん!」

 だから俺の方はそのリズムに合わせて、優しい感じで声が出るのだ。

 その俺の優しく気持ち良さそうな声に雄介は満足したのか、今度は腰を縦に動かし始める。

 これは奥へと雄介のモノを感じることが出来る動きだ。

「ぁあ……はぁん! んん!」

 それでもまだまだ優しい気持ち良さのような気がする。
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