537 / 788
ー未知ー31
しおりを挟む
「は? え?」
そして俺は俺の背後に居る雄介の事を見上げる。
「あー、そういう事なぁ……」
と雄介は独り言のように言うと、
「ほな、早く、風呂入ろっ!」
「え? あ、ああ……?」
とは答えるものの、俺の方は急にいつもに雄介に戻ってしまった雄介にハテナマーク状態だったのかもしれない。 だって首を傾げてしまっていたのだから。
雄介に背中を押されながらもお風呂場へと向かう俺。
そして脱衣所で下着だけを脱いで、お風呂場へと向かうのだ。
そしていつものようにシャワーを浴び始める俺達。
しかし本当に雄介っていうのは優しい。 自分よりも俺の方をシャワーの下へと向かわせ、体が冷えないようにしてくれているのだから。
泡を流す時だけ雄介はシャワーの元へと来て、泡を洗い流すだけだった。
体にシャワーの熱が当たってないからなのか、気持ち的に鳥肌が立ってしまっているように見えるのは気のせいであろうか。
「なぁ、もう少し、シャワーでお湯浴びたらどうだ?」
と俺は声を掛けるものの、
「へ? こんなん大丈夫やって……だってな、後で望と体重ね始めたら、熱くて熱くてしゃーなくなくなるしな……」
一瞬その言葉に俺の方は顔を真っ赤にしたものの、そこで軽く息を吐き、
「それは、あくまで後での話だろ? んじゃ、今はどうすんだよー。 ホント、雄介は俺に優しいのは嬉しいんだけどな。 自分の身を犠牲にしてまで優しくはして欲しくはねぇんだよ。 寧ろ、俺に優しくし過ぎて、早死にしてしまう方が、俺からしてみたら嫌なんだけどな」
そこは何でかいつもに増して真剣に雄介にと伝える俺。
だってそこは本気だからだ。 それにそういうのはちゃんと雄介に伝わって欲しいと思ったからなのかもしれない。
雄介は暫く考えた後、
「……そやな。 確かに、望の言う通りやわぁ……。 これからは、望の言う通り、自分を犠牲にしてまで人に優しくするのは止める事にするな……」
俺のその言葉で雄介がそれについて反省してくれたのなら、いいのかもしれない。 俺の方は雄介に向かい微笑むと、
「じゃあ、雄介は少しお湯で温まってからお風呂から出て来る事っ!」
と少し強く念を押し、俺の方はお風呂場を後にするのだ。 そして脱衣所に置いてあるバスローブを身に纏う俺。
しかし俺の方はまだバスローブっていうのに慣れてないような気がする。 下着を身に付けてないと下からスースーとしたような風が入って来ているように思えるのは気のせいであろうか。 寧ろ、風は中に入って来てないのかもしれないのだけど、空気がそうさせているのかもしれない。
雄介が出て来るまで俺の方はベッドの端に腰掛けて、テレビを見上げる。
確かにこういう所のテレビなのだから、そういったチャンネルが多いのだが、もう今日はそういった気分で来ているのだから、俺はボーと見る事にしたのだ。
そして俺は俺の背後に居る雄介の事を見上げる。
「あー、そういう事なぁ……」
と雄介は独り言のように言うと、
「ほな、早く、風呂入ろっ!」
「え? あ、ああ……?」
とは答えるものの、俺の方は急にいつもに雄介に戻ってしまった雄介にハテナマーク状態だったのかもしれない。 だって首を傾げてしまっていたのだから。
雄介に背中を押されながらもお風呂場へと向かう俺。
そして脱衣所で下着だけを脱いで、お風呂場へと向かうのだ。
そしていつものようにシャワーを浴び始める俺達。
しかし本当に雄介っていうのは優しい。 自分よりも俺の方をシャワーの下へと向かわせ、体が冷えないようにしてくれているのだから。
泡を流す時だけ雄介はシャワーの元へと来て、泡を洗い流すだけだった。
体にシャワーの熱が当たってないからなのか、気持ち的に鳥肌が立ってしまっているように見えるのは気のせいであろうか。
「なぁ、もう少し、シャワーでお湯浴びたらどうだ?」
と俺は声を掛けるものの、
「へ? こんなん大丈夫やって……だってな、後で望と体重ね始めたら、熱くて熱くてしゃーなくなくなるしな……」
一瞬その言葉に俺の方は顔を真っ赤にしたものの、そこで軽く息を吐き、
「それは、あくまで後での話だろ? んじゃ、今はどうすんだよー。 ホント、雄介は俺に優しいのは嬉しいんだけどな。 自分の身を犠牲にしてまで優しくはして欲しくはねぇんだよ。 寧ろ、俺に優しくし過ぎて、早死にしてしまう方が、俺からしてみたら嫌なんだけどな」
そこは何でかいつもに増して真剣に雄介にと伝える俺。
だってそこは本気だからだ。 それにそういうのはちゃんと雄介に伝わって欲しいと思ったからなのかもしれない。
雄介は暫く考えた後、
「……そやな。 確かに、望の言う通りやわぁ……。 これからは、望の言う通り、自分を犠牲にしてまで人に優しくするのは止める事にするな……」
俺のその言葉で雄介がそれについて反省してくれたのなら、いいのかもしれない。 俺の方は雄介に向かい微笑むと、
「じゃあ、雄介は少しお湯で温まってからお風呂から出て来る事っ!」
と少し強く念を押し、俺の方はお風呂場を後にするのだ。 そして脱衣所に置いてあるバスローブを身に纏う俺。
しかし俺の方はまだバスローブっていうのに慣れてないような気がする。 下着を身に付けてないと下からスースーとしたような風が入って来ているように思えるのは気のせいであろうか。 寧ろ、風は中に入って来てないのかもしれないのだけど、空気がそうさせているのかもしれない。
雄介が出て来るまで俺の方はベッドの端に腰掛けて、テレビを見上げる。
確かにこういう所のテレビなのだから、そういったチャンネルが多いのだが、もう今日はそういった気分で来ているのだから、俺はボーと見る事にしたのだ。
0
お気に入りに追加
62
あなたにおすすめの小説
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
ついで姫の本気
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
国の間で二組の婚約が結ばれた。
一方は王太子と王女の婚約。
もう一方は王太子の親友の高位貴族と王女と仲の良い下位貴族の娘のもので……。
綺麗な話を書いていた反動でできたお話なので救いなし。
ハッピーな終わり方ではありません(多分)。
※4/7 完結しました。
ざまぁのみの暗い話の予定でしたが、読者様に励まされ闇精神が復活。
救いのあるラストになっております。
短いです。全三話くらいの予定です。
↑3/31 見通しが甘くてすみません。ちょっとだけのびます。
4/6 9話目 わかりにくいと思われる部分に少し文を加えました。
よくある婚約破棄なので
おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
【完結】美貌のオメガは正体を隠す
竜鳴躍
BL
蜂谷蜜璃は奨学金で有名国立大学の法学部に通う3年生で地味子である。
ガンガン高級高品質の抑制剤を飲みまくりベータのふりをしているが、本当はハニーという名の売れっ子風俗嬢(処女)だった。
秘密にしていた2重生活が同級生にバレてしまい………。
実家にざまああります。
※司法試験合格~のスケジュールを間違えていたので、各話修正しました。
【R18】両想いでいつもいちゃいちゃしてる幼馴染の勇者と魔王が性魔法の自習をする話
みやび
恋愛
タイトル通りのエロ小説です。
「両想いでいつもいちゃいちゃしてる幼馴染の勇者と魔王が初めてのエッチをする話」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/902071521/575414884/episode/3378453
の続きです。
ほかのエロ小説は「タイトル通りのエロ小説シリーズ」まで
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる