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ー未知ー17

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 という事は、今の俺というのはどちらでもいいという事だろう。 それに雄介が決めてくれたのだから、それでいいんだと思う。

 そうと決めると、俺の方は親父に電話をするのだ。

「あ、もしもし? 俺達って、もう、春坂病院に籍があるようなもんなんだろ? ならさ、午後から働かせてくれねぇかな?」

 そう俺が言うと、親父の方は快く承諾してくれる。

『それなら、もう、大丈夫だよ』

 と、そこに俺の方は安心し、親父との通話を切ると、いい匂いがしてきたキッチンへと向かうのだ。

 そしてリビングテーブルへと着くと、

「親父に聞いたら、仕事していいってさ……」
「そっか……良かったなぁ……」

 そう言って雄介は優しく微笑んでくれる。

 ホント、今はそんな時間さえ微笑ましく幸せに思えるのは、今までが本当に大変だったからであろう。

「雄介も今日は救急に入るんだろ?」
「そりゃ、当たり前やんか……」
「小児救急メインで?」
「あ、まぁ……それにしたいんやけど、救急って言ったら、常に忙しい所なんやから、誰でもっていう感じになるのかな?」
「あ、まぁ……そういう事になるのかー。 ま、今時間そこにしか入れないっていうのもあるんだけどな。 他の診察とかは今日は今日で他の人が入れるようになってるしな」
「そういう事やんなぁ。 せやから、救急でもなんでも俺達っていうのは仕事するっていう事でええんやない?」
「そだな……」

 今は雄介とジャンルは違えど、同じ仕事をしているのだから、そこさえも今は話が合う俺達。

「しかし、今の季節になると、そろそろインフルエンザも入って来て、高熱を出した子供達が来る頃なんやなぁ……」
「そ、そうなのか? 確かに、大人達でもそういう季節ではあるんだけどさ……」
「でもな、高熱でも何でも、子供が危ないと気付くのは親やねんやろ? それで、慌てて救急車呼んで病院に来てくれるのは俺的にはいいと思うねんで……。 今はインフルエンザが流行って来ているから、インフルエンザだから大丈夫でしょう? と思い込んでもうて、もし、他の病気だった場合にはもしかしたら手遅れになる場合もあるしな。 熱が出るって事は、体中で見えないウイルスとかと戦っているっていう証拠。 ウイルス以外でも体に何か異物があるとなんらかで体中の細胞達が戦っているのだから、熱が上がってしまうんやからな。 それに、インフルエンザだってバカに出来んし……手遅れになってまったら……」
「ま、そういう事だもんな……」

 俺的にはそういう知識というのは大分疎かになって来ているのかもしれない。 ホント、雄介の方は小児科医で俺の方は外科医だ。 だから、本当にジャンルは違うだけで内容も違って来てしまうという事だ。 だからなのか俺の方は本当にそういう内科的な事を忘れて来ているのかもしれない。
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