460 / 834
ー至福ー179
しおりを挟む
俺達のこんな時が過去の俺にはあるとは思わないだろう。 そして自然と高鳴って来る鼓動。 これが本当に相手の事を好きだっていう気持ちだという事が分かったような気がする。
雄介だって俺がこういう風に自分から雄介にくっつくって事だって考えた事なんかなかったのかもしれない。 俺がこんな事、雄介に出来るようになったのはごく最近の出来事だ。 寧ろ、結婚の話を真剣に雄介と話するようになってからなのかもしれない。
だって雄介は俺と結婚する事について寧ろ本気だった。 本当に雄介の考え方っていうのは純粋で本気っていうのが分かったからなのかもしれない。 だから俺の方だって、その想いに本気で返したいと思ったからであろう。
本当に俺っていうのは、最初の頃、全くもって恋愛とか愛情とかっていうのを知らなかったのだけど、雄介の場合、本当に毎日のように俺に愛情をくれて来た。
人によって愛情表現っていうのは違うけど、雄介の場合には俺の事を常に想ってくれて、愛してくれて、本気で俺の事が好きだっていうのが分かったからこそ、今は俺の方だって雄介の事が本気で好きになれたのであろう。
今まで雄介が俺にして来てくれた愛情表現で、俺の方もどうにかして答えているという事だ。
寧ろ、そんな事を教えてくれたのは雄介なのだから。
だけどそういう時というのは本当に早く過ぎて行くもんだ。
そう今の俺達の生活っていうのは、二人だけではない。 和也と裕実いる団体での生活なのだから、ある程度時間が来ると、
「ほな、そろそろ下に行こうか?」
となってしまう。
そこは今の俺からしてみたら寂しい点でもある。
これがもし雄介と二人きりだったなら、もうちょっとこういう時間をゆっくり出来たのだが、今は無理という事だろう。 いやこれがもしまだ春坂に住んでいる俺達だったら、ゆっくり出来た時間だったのかもしれない。 春坂にいる時に、俺が雄介とのこの時間を大事にしていたなら良かったのかもしれない。 だがもう少し経てば、また雄介との二人だけの時間が訪れるのだから、それまではこういう時間というのはゆっくりとは取れないのかもしれないという事だ。
「そういやさ、雄介? 頭の方は大丈夫なのか?」
「え? あ、そういや……大丈夫なのかもしれへんなぁ。 だって、気になる程ではない訳なんやしな」
そう言われてみればそうだ。 もし未だに痛かったのなら、言葉に出さなくとも顔に出る物なのだから。
いつか雄介がまだ消防士だった頃、足を引きづりながら俺の所に来た事があったのだけど、その時だって雄介は痛みで顔を歪ませていたのだから。
そういう所は全くもって医者の俺達には誤魔化す事が出来ない点であろう。
雄介だって俺がこういう風に自分から雄介にくっつくって事だって考えた事なんかなかったのかもしれない。 俺がこんな事、雄介に出来るようになったのはごく最近の出来事だ。 寧ろ、結婚の話を真剣に雄介と話するようになってからなのかもしれない。
だって雄介は俺と結婚する事について寧ろ本気だった。 本当に雄介の考え方っていうのは純粋で本気っていうのが分かったからなのかもしれない。 だから俺の方だって、その想いに本気で返したいと思ったからであろう。
本当に俺っていうのは、最初の頃、全くもって恋愛とか愛情とかっていうのを知らなかったのだけど、雄介の場合、本当に毎日のように俺に愛情をくれて来た。
人によって愛情表現っていうのは違うけど、雄介の場合には俺の事を常に想ってくれて、愛してくれて、本気で俺の事が好きだっていうのが分かったからこそ、今は俺の方だって雄介の事が本気で好きになれたのであろう。
今まで雄介が俺にして来てくれた愛情表現で、俺の方もどうにかして答えているという事だ。
寧ろ、そんな事を教えてくれたのは雄介なのだから。
だけどそういう時というのは本当に早く過ぎて行くもんだ。
そう今の俺達の生活っていうのは、二人だけではない。 和也と裕実いる団体での生活なのだから、ある程度時間が来ると、
「ほな、そろそろ下に行こうか?」
となってしまう。
そこは今の俺からしてみたら寂しい点でもある。
これがもし雄介と二人きりだったなら、もうちょっとこういう時間をゆっくり出来たのだが、今は無理という事だろう。 いやこれがもしまだ春坂に住んでいる俺達だったら、ゆっくり出来た時間だったのかもしれない。 春坂にいる時に、俺が雄介とのこの時間を大事にしていたなら良かったのかもしれない。 だがもう少し経てば、また雄介との二人だけの時間が訪れるのだから、それまではこういう時間というのはゆっくりとは取れないのかもしれないという事だ。
「そういやさ、雄介? 頭の方は大丈夫なのか?」
「え? あ、そういや……大丈夫なのかもしれへんなぁ。 だって、気になる程ではない訳なんやしな」
そう言われてみればそうだ。 もし未だに痛かったのなら、言葉に出さなくとも顔に出る物なのだから。
いつか雄介がまだ消防士だった頃、足を引きづりながら俺の所に来た事があったのだけど、その時だって雄介は痛みで顔を歪ませていたのだから。
そういう所は全くもって医者の俺達には誤魔化す事が出来ない点であろう。
0
お気に入りに追加
65
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
くまさんのマッサージ♡
はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。
2024.03.06
閲覧、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。
2024.03.10
完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m
今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。
2024.03.19
https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy
イベントページになります。
25日0時より開始です!
※補足
サークルスペースが確定いたしました。
一次創作2: え5
にて出展させていただいてます!
2024.10.28
11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。
2024.11.01
https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2
本日22時より、イベントが開催されます。
よろしければ遊びに来てください。
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話
赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる