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ー至福ー93
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自分の家なのに座る所に迷うっていうのは本当におかしな話なのだけど、俺の場合には迷ってしまうようだ。
夕飯の支度をしている雄介の近場でもあるダイニングテーブルの方に座るか? それとも和也達が座っているソファの方に座るか?
俺の性格からしたら本当に迷う所だ。
いや、きっと和也達がいるソファの方に座ったら、雄介と話し合った事を聞かれるのは間違いない。 俺的に雄介とそういうような話をするのは大分慣れて来たと思っているのだが、和也とではまだ全然慣れて来てないように思えるからだ。 いや、和也の場合、俺の性格を知っているのだから、そういった話を俺にはしてこないとは思うのだけど。
そして雄介がいるダイニングテーブル方に座った場合は、こんな話を雄介としたばかりなのだから気持ち的に雄介とは何を話したらいいのか? っていうのが分からないのかもしれない。 きっと雄介だってそうだろう。
だけど和也達に比べたら、やっぱりここは雄介側の方がいいと思った俺は、ダイニングテーブルの方へと座るのだ。
しかし雄介というのは、キッチン周りをくるくるとした動きで動き回っているようにも思える。 雄介は本当に料理をするのが好きなんだろう。
今日は一体何を作ってくれるのであろうか。
今まで俺は雄介が作る沢山の料理を食べて来た。 その中で一番好きなのは選ぶ事は出来ない。 本当にどれもこれも美味いのだから。
「なぁ、和也……何だか沢山野菜があるように思えるんやけど、これどうしたん?」
「ん? それ? あ、あー……雄介達がいない間にさ、蒼空のお母さんが持って来てくれたんだよ」
「俺達がいない間って?」
「あー! 朔望達が居た時って言ったらいいかな? 『夏なんだから、沢山食べて下さいね』ってな」
「へぇー、ほんなら、ここで収穫した野菜なんかー?」
と雄介の方はその野菜を見て何だか嬉しそうだ。
「今までな、野菜も肉もだけど、望の親父さんが送ってくれておったけど、やっぱな、何でもそうだけど、新鮮な方が美味しいしなぁ」
「ま、そういう事ー! それに、蒼空のお母さんは俺達の事を認めてくれているって事なんじゃねぇのかな? じゃなきゃ、一生懸命作った野菜を持ってくれるって事はしないだろうしな」
「ま、そうやんなぁ。 ほな、ありがたく頂きますか」
段ボールいっぱいに入っている野菜を手にすると、雄介は、
「こないに沢山野菜があるんやったら、今日は天ぷらにしようか?」
独り言だったのか、それとも俺に話し掛けてるのかは分からなかったのだが、俺は雄介の視線が俺に向けられているような気がして、笑顔頷くのだった。
夕飯の支度をしている雄介の近場でもあるダイニングテーブルの方に座るか? それとも和也達が座っているソファの方に座るか?
俺の性格からしたら本当に迷う所だ。
いや、きっと和也達がいるソファの方に座ったら、雄介と話し合った事を聞かれるのは間違いない。 俺的に雄介とそういうような話をするのは大分慣れて来たと思っているのだが、和也とではまだ全然慣れて来てないように思えるからだ。 いや、和也の場合、俺の性格を知っているのだから、そういった話を俺にはしてこないとは思うのだけど。
そして雄介がいるダイニングテーブル方に座った場合は、こんな話を雄介としたばかりなのだから気持ち的に雄介とは何を話したらいいのか? っていうのが分からないのかもしれない。 きっと雄介だってそうだろう。
だけど和也達に比べたら、やっぱりここは雄介側の方がいいと思った俺は、ダイニングテーブルの方へと座るのだ。
しかし雄介というのは、キッチン周りをくるくるとした動きで動き回っているようにも思える。 雄介は本当に料理をするのが好きなんだろう。
今日は一体何を作ってくれるのであろうか。
今まで俺は雄介が作る沢山の料理を食べて来た。 その中で一番好きなのは選ぶ事は出来ない。 本当にどれもこれも美味いのだから。
「なぁ、和也……何だか沢山野菜があるように思えるんやけど、これどうしたん?」
「ん? それ? あ、あー……雄介達がいない間にさ、蒼空のお母さんが持って来てくれたんだよ」
「俺達がいない間って?」
「あー! 朔望達が居た時って言ったらいいかな? 『夏なんだから、沢山食べて下さいね』ってな」
「へぇー、ほんなら、ここで収穫した野菜なんかー?」
と雄介の方はその野菜を見て何だか嬉しそうだ。
「今までな、野菜も肉もだけど、望の親父さんが送ってくれておったけど、やっぱな、何でもそうだけど、新鮮な方が美味しいしなぁ」
「ま、そういう事ー! それに、蒼空のお母さんは俺達の事を認めてくれているって事なんじゃねぇのかな? じゃなきゃ、一生懸命作った野菜を持ってくれるって事はしないだろうしな」
「ま、そうやんなぁ。 ほな、ありがたく頂きますか」
段ボールいっぱいに入っている野菜を手にすると、雄介は、
「こないに沢山野菜があるんやったら、今日は天ぷらにしようか?」
独り言だったのか、それとも俺に話し掛けてるのかは分からなかったのだが、俺は雄介の視線が俺に向けられているような気がして、笑顔頷くのだった。
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